【無修正版】インターネットのヤミに触れる「NEEDY GIRL OVERDOSE」レビュー

※はじめに
こちらの記事は「NEEDY GIRL OVERDOSE」のネタバレを含みます。
また、強めの言葉やポリコレ等は一切配慮しないので、人によっては不快感を示す可能性のある言葉も出てくるやも知れません。
基本的には常識の範囲内ですが、以上の事をご了承の上、ご覧ください。

1月21日にsteamで配信されるや否や、瞬く間に高評価の嵐でSNSの話題をかっさらって行ったWSS playground販売の「NEEDY GIRL OVERDOSE」。
私も記事として書かせていただきましたが、非常によく出来たゲームです。
周回前提なので1プレイ時間も短く、ダレる事も無く何度も遊べる育成アドベンチャーです。私も全エンディング回収までサクサク遊べました。
記事内でも魅力に触れたのですが、このゲームを紹介・レビューするにはどうしても文字数が足りない！と思い、この記事を書いております。

さて、よいこの時間はここまでですね。
ここからは一切ポリコレとかに配慮せずに感想を書きますね。
お仕事じゃ無くて趣味だからね。気にしない気にしない。

本作は承認欲求強め、メンタル弱めの美少女である「あめちゃん」の恋人である「ピ」になって同棲し、あめちゃんの配信時の姿である「超絶最かわてんしちゃん（通称：超てんちゃん）」のプロデュースを行って、無限の承認欲求を満たす為に100万人のフォロワー獲得を目指すべく、配信を行うと言うモノ。
早い話が顔がいいだけのクソメンヘラ地雷女の世話してオタクのスパチャで楽させようってゲームです。顔がいいってのを自覚してる癖に自己肯定感が低いのは非常にリアリティがあり、地雷感が出ててとても恐ろしいモノを見てる気分になりますね。
ゲーム自体はあめちゃんの世話をしてパラメーターを管理して、配信のネタを探しつつ昼と夕方を過ごし（あめちゃんは社会不適合者（自称）なので朝は起きれない）、夜は配信してオタクに媚びてスパチャを貰ったり、フォロワーになってもらうと言った内容。
よく言えば「たまごっち」の様なお世話系、悪く言えば「檻の中のゴリラの世話してショーで客を集める」ゲームです。
パラメーターはストレス・好感度・病み度の3種類。配信やエゴサをするとストレスが上がり、掲示板を見たりおくすりを飲みすぎたりすると病み度が上がり、デートやえっちなことをすると好感度が上がります。
とりあえず好感度が高いに越した事は無いと思いえっちな事をしまくりました。えっちな事しかしない猿になってゲームオーバーになりました。
これはリアルですね。メンヘラは何故か大抵性欲の塊なのが多いですからね（経験談）。ただ、えっちな事をするとストレスと病み度が爆下がりするのはどうかなと思いましたね。メンヘラ地雷女の中にはえっちな事を自傷行為として行う人も居るんでね。たまに病み度が上がるぐらいのランダム要素があった方がリアリティは上がったと思います。ゲームとしてはクソがよ！！ってなると思いますが。
えっちな事をし過ぎるとお猿さんになる事を学んだので、イチャイチャだけして好感度を上げる事にしました。好感度は高いに越した事は無いんでね。
すると、好感度がMAXに到達したら画面一面に「あいしてる」って文字が出てきて、JINE（LINEの様なもの）に一生「すき」って文字が送られ続けてきてゲームオーバーになりました。リアル過ぎんか？？？

そう、このゲームの一番の魅力は「承認欲求の塊のメンヘラ地雷女の事を熟知し過ぎてる」ところなんです。
裏垢で盛大に愚痴る、突然ヘラりだして自己否定モードに入る、会話の選択肢でどれだけ褒めても否定しかしなくなる、突然脈絡もなく愛情表現を求める、いきなり死にたいとか言い出す等、数えたらキリがありません。
私も所謂メンヘラ地雷女と接する機会が多かったのですが、あめちゃんの行動はほとんど現実で見られた行動でした。いやホント恐怖を覚えるぐらいに。人によってはトラウマが蘇っちゃうぐらいにリアル。絶対製作陣に被害に合った人居るでしょ。
世の中には病み系女子が好きって人が居る様ですが、このゲームで擬似的に病み系女子との恋愛が楽しめますよ。他のギャルゲーみたいにオタクが好きそうと思って作られたモノじゃない、本当にめんどくさい奴が。
あ、私女の子だから感情移入出来ないや、残念♪って思ったそこの貴女。
「ピ」の性別は本編で一切描写されてないので女の子かも知れないよ！やったね！トラウマが蘇る人が増えたよ！！
実際、メンヘラ女子はレズビアンやバイセクシャルが一定数居る傾向が強いので、この辺りもリアルを追及する為に、あえて性別は書いてないと言うところでしょうか。
まぁ、大体がファッションレズやファッションバイなんですけどね（偏見）

JINEがしょっちゅう送られてくるのを未読無視してるとゲームオーバー、まほうのきって（麻薬。ダメですよ。）をキメ過ぎると頭が火星に飛んじゃってゲームオーバー、いきなりリスカを強要される、浮気される、寝取られる、刺される、自殺する・・・ほとんど何しても結果としては破滅に飛んでいくこのゲーム。公式がマルチ破滅エンドと呼んでいるだけの事はあります。
メンヘラ地雷女に深く関わると破滅が待っているとでも言いたげなぐらい破滅しまくります。
破滅に向かうあめちゃんを救いたいかも知れませんが無駄な努力です。本人が悪いと全く思ってないので全部ピである貴方のせいです。受け入れてください。彼女の中では貴方が全部悪いんです。
ゲームじゃなかったらイライラするなって方が無理でしょこんなの。ゲームで良かったね！！

ただ、このゲームは多くのメッセージ性を含んだ作品であるのも間違いないです。
インターネット文化に関わる全ての人々に、何か琴線に触れるモノを残しているのです。
その中でも個人的に特に印象的だったのは通称「七色のゲロエンド」と呼ばれるエンディング。
配信を繰り返す事により多大なストレスを溜め込んだあめちゃんが配信中に盛大にゲロってしまう事により、ネット民のおもちゃになってしまい、個人情報の特定や盛大な煽り等を繰り返された挙句、幻覚や幻聴が襲い掛かり、常に誰かに監視されている感覚に陥り、最後は精神が完全に崩壊してしまうと言う結末。
これは、誰でもインターネットで配信を行える現代のネット社会においては、警鐘とも取れる結末だと私は感じます。
TikTock等のSNSでは若者たちの間では顔出しや住所が特定出来そうなモノが背景にある状態で踊ったりしてるし、youtubeやニコ生では顔出しやプライバシーに関わるものが映ったままでの過激な配信が横行している。
これは「誰かに見てもらえる、チヤホヤされる」と言う承認欲求を満たす事は出来るが、何かやらかした時に「デジタルタトゥーとして半永久的に残り、ネット民のおもちゃにされた挙句にボロボロになって、飽きられたら捨てられる」と言う危険性も同時に含んでいる。
その事を理解した上で、配信等の行為を行う必要がある、その覚悟を持って活動する必要がある、そういった製作者からのメッセージとも、私には感じる事が出来ました。

ただのメンヘラ女観察ゲーではなく、ネット社会におけるメッセージ性も強い「NEEDY GIRL OVERDOSE」。
ゲームとしても、メッセージとしても完成度は非常に高く、令和4年が始まった直後にこんなもんが出てきてしまっては、後続の類似ゲーは間違いなく比較されて酷評されるだろうなと思うぐらいに完成されたゲームでした。
刺さる人を選ぶタイプのゲームではあるが、多くの方にプレイしてもらいたいと思えるソフトでした。ビックリするぐらい安いしね。
病み系女子が好きだって人には是非プレイしていただきたい。貴方が今まで思っていた幻想はいとも簡単にぶち壊されることでしょう。
「クソメンヘラ女とかうぜぇｗｗｗ」と思ってる人にも是非プレイしていただきたい。貴方のうざいのレベルが低い事に打ちのめされる事請け合いでしょう。ゲームでよかったね！！

様々な結末を全て語っていくのもいいと思うのですが、残りのあめちゃんの人生は貴方の目で確認してください。
いえ、皆様に楽しみを残しておこうという配慮ではなく、多分思い出しながら書いてたらイライラするから書くのやめとくだけです。