絵本を描こうと思った理由。
絵本を描いて、販売しました。
構想3年。
作画3か月。
自分の離別の体験は明るい話ではないので、
あまり自分から積極的に話すようにはしてこなかったんですが、腹を割って「伝えたい」と思った時は丁寧に話をするようにしていました。
人を思いやるという事。
大切な人を大切にするという事。
時間を大切にするという事。
何事も限りがあるから、頑張ろうという事。
絵本作家でもあるキングコング西野さん界隈で繋がったある会食でこの話になったとき、
「どうにかこれを形にしたいんですよ」と話をしていた所、
「それこそ絵本じゃないですか?」と意見を。
「それはとても大事な事だと思う」
「誰もがわかってるのに、ほとんどの人が大切にできていないと思う」
「子どもに”大切なこと”としてこの話をしたい」
と言って頂ける機会がありました。
さらには同席した方のお子さまはまだ小学校高学年ぐらいの年頃だけど、
事故で命が危ない体験をして、それから「まだ子どもだけど、一日一日を大切に過ごすようになった。だから、子どもにも伝わる話だと思うし、”どう生きるか”は大切な考え方」だと言ってもらえました。
構想3年の理由。
実際書き始めたら3か月で仕上がったのに、何故そんなに時間がかかったのかと言いますと…。
今までは「デスベアが主人公(軸)で、その仲間たちとのストーリー」で、この内容を表現しようとしていました。
ただし、あのフォルムでそれをやると、「ぬいぐるみみたいな奴がシリアスなことやっても…」という感じになってしまい、どうもしっくりいきませんでした。
デスベア自身がこの世を去ってしまうパターン、
いつも一緒にいる友人のパターン。
友人Aと会話形式にして、友人Bを新たに置くパターン…。
プロットというあらすじと、ページのラフ案みたいなものを何度も書き直しました。
いちいち最初に「キャラの住んでる部屋、町と地図、着ているもの」…そういった資料をふんだんにそろえて、設定から作っていくので時間がかかり、その上で「これじゃない」と思うと断腸の思いでリセットする…ということを繰り返していたからです。
ようやくデスベアを横に置き、人間のキャラクターを軸にするという事でしっくりくる設定を見つけたのは…7、8回ぐらいプロットを描き直した時でした。
SNSでバンドの解散やお店の閉店が報告されたとき、
「悔やむんならもっと普段からいっとけよ」とイラつくほど「悔い」が投稿されるのを見るたび…誰かの訃報を聞くたび「じゃあ生前・普段何をしてあげてた?」と思う事があります。
生きている限り「悔い」は絶対ある。
妻を亡くした時、それまでの生活に「嘘」も「裏切り」も「隠し事」はしていなかった。
それなのに、「あれをしてあげたらよかった」という後悔や、名前も付けられない罪悪感にさいなやまされました。
出来るだけ「できることはやった」という「納得」を増やし、「悔い」を薄めていく事が重要なんじゃないかなと思います。
自分はそういう事を大切にしているので、「大切に思う人を、大切に」を信念としています。
それが「誰かと比べて自分のほうが優位に立ってるぜ」とかそういうつもりではなくて、
「自分はそういう事を大切にしはじめて、見えてきた良い事、感じる事が増えた」と思っています。(宗教や自己啓発セミナー的だな…)
あえてこれは言わないでもいいかもしれませんが、「自分に関係のない知らない人に気を使って、幸せを逃す」のは人生において有益でないと思います。
全ての人を大切にはできないから、「大切な人」を「大切に」。
すごいお節介なんだけど、
自分の声が届く人には、これだけは話したくって。
そういう事の「気づき」の一助になればという風に思います。
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