ハクイダイスケ初絵本作品「夢路のカンパネラ」立ち読みページ

ハクイダイスケの初絵本作品「夢路のカンパネラ」の立ち読みページです。
最後まで無料で見る事が出来ます。

もしよろしければ最後に投げ銭いただけるとありがたいです。



未来は今も 可能性が広がっているから…


この物語は
パンクロックが好きな少年グレアムと、
絵描きを夢見る少女アナスタシアの物語


-夢路のカンパネラ-



グレアムはパンクミュージックが大好き。
いつかでっかいステージで演奏したいという夢を持ち、毎日ギターを鳴らしています。

よくない仲間は「パンクが真面目でどーすんだよ」と揶揄し、後ろ指をさされることもありますが、グレアムは気にしません。


「あぁ、もう。思い通りに描けない。もう今日は無理!!」

アナスタシアは絵描きになる夢を胸に秘めていますが、ちょっと怠け者。
いつもグレアムに励まされています。


グレアムはそんなアナスタシアにぬいぐるみをプレゼントしました。
「おれが出かけてる時も、こいつが見張ってるからさ。頑張ろうよ」
「絵の賞を取るのが夢だろ?」

「ちぇ、厳しいなあ」
「でも…うん、頑張るね・・・私なりに・・・」

ちょっと悪い顔をしたそのぬいぐるみは、
グレアムが「デスベア」と名付けました。


たまの喧嘩もあるけれど、
それでも二人は楽しく暮らし、
共に夢を語り過ごす日々を
大切にしていました。


努力が少しずつ実を結び、
グレアムのバンドはファンに応援され
順調に成長しています。

アナスタシアもグレアムのライブにも足を運び
夢を応援しています。


しかし、運命は二人の暖かい日々に
影を落とすことになります。

ある雨の日…


グレアムは事故に遭い
この世を去ってしまったのです。


大切なグレアムを失ったアナスタシアは
深い悲しみに暮れます。

生活は荒れ、何も手につきません。


彼の思い出に涙を流し、
自分の怠けた日々を反省します。

そのやりきれない気持ちが怒りや悲しみになり、
アナスタシアはぬいぐるみの「デスベア」に
八つ当たりします。


その時・・・
眠れない夜を過ごした
アナスタシアの幻覚だったのでしょうか。


ぬいぐるみが話しかけてきました。

「アナスタシアしっかりしようや。
 グレアムが好きだった君は、今の君なんかな?」

「黙ってよ!あんたに何がわかるのよ…」

「辛いよな、ごめんね。おれ、デスベア。
 もうデスやからさ、大丈夫やで、俺は死なへんよ。
 気が済むまで八つ当たりしてええから!」

「……」


「デスベア」の言葉に、
グレアムの優しさを思い出したアナスタシアは
また数日泣いて過ごし、
ゆっくりと落ち着きを取り戻しました。

グレアムがくれたぬいぐるみを抱きながら。


「そういえば、私、この絵を完成させてなかったな…
 グレアムが好きな雰囲気だって言ってくれたこの絵を…」

アナスタシアはふと考えます。
彼が本当に頑張ってほしい”自分”とは…
彼が本当に好きでいてくれる”自分”とは…
彼が本当に認めてくれた”自分”とは…
彼が本当に望む”自分”とは…

今すべきことは泣く事じゃなくて
グレアムが認めてくれた絵を完成させることかもしれない。


命が。
時間が。

有限だと知ったアナスタシアは
グレアムへの思いを胸に、毎日努力し続けました。


数年後、アナスタシアは目指していた賞を手に入れます。
そして、そこから更に多くの人にアナスタシアの作品を求められるようになり、描いていた夢を形にしました。

悲しい出来事は、できるだけ少ない方がいい。
けれど、生きている限り、困難は訪れる。

「できるだけ後悔のない選択、
 言い訳をしない生き方をがんばろう…。」


アナスタシアは次の目標にまた向かいます。
グレアムの想いと、
彼の想いがつまったぬいぐるみと共に…


あなたには心に引っ掛かり続ける程の、後悔する出来事があるでしょうか?

ぼくは、とても大切な人を突然なくした過去があります。
絵本本編が終わった後に長い文章となりますが、読んでいただけると嬉しいです。

今から10年以上前。7年近く暮らした妻がいました。
彼女にとって大変な状況が数年間続き、長く辛い闘病生活の果てに、
ほんの少しだけ快方に向かった時、闘病とは別の病でフッとそのともしびが消えました。

彼女にはやりたい事も、願う姿も、夢も欲しい物も…沢山あったけれど、
こんなにもあっさりと最期の時が来るなんて…。
ぼくも一緒に過ごした時間は、精一杯頑張って、幸せにしようと暮らしていたけれど、
「もっとああしてあげたらよかった」「もっとこうしていれば」
「なぜあの時、望む事をしてあげられなかったんだろう」と
自分自身を責める時間がとてもとても長く続きました。

彼女がいなくなったあと、希望を見いだせない暮らしをしていましたが
「彼女が望む姿の"ぼく"とは何だろう?」と考えた結果、
「バンドをしているハクイダイスケを好きでいてくれた」と思い、
再びギターを手にして、音楽活動を再開させました。

人の生命には限りがある。
大切な人の想いを、大切にしないと後悔する…そう思うんです。
(自分は大切にしていたつもりですが、それでも大きな悔いが残っています)

人は、いつか死ぬ。
だから、精一杯生きて、やれるだけの事をして、出来るだけ後悔のない人生を歩んだ方が、最期の時にきっと幸せだったと思えるんじゃないでしょうか。

自分はそう思い、死生観に向き合って、夜明け前の希望を抱く曲を書いています。
この絵本は、その歌詞の世界観をストーリーに落とし込んで表現したつもりです。
また、この絵本とリンクした楽曲を制作いたしました。(※2023年10月末現在レコーディング中
この楽曲を聴きながら絵本を見てもらえると、より嬉しく思います。

あなたの人生がほんの少しでも悔いのないものになるように、
あなたの大切な人を、更にもう少しだけ大切に思えるキッカケになれば幸いです。

最後まで読んでくれてありがとうございます。


■絵本朗読

https://www.youtube.com/watch?v=37urMRlDb8E

朗読:あまさき倫公里
Picture book writer : ハクイダイスケ
BGM:ハクイダイスケ
Strings Arrange:Yoshito(逆に、ゆうちゃんバンド)

■END THEME「白紙の未来」
Lyric/Muzik/Guitar:ハクイダイスケ
Featuring Vocal:井水優菜
Bass:Yoshito
GuitarSolo:Ryu Kuriya
(from 逆に、ゆうちゃんバンド)

Dedicate : AKANE
Edit Support:Nicole

■絵本注文

https://daisukehakui.stores.jp/items/655f7bc12b412d0034765c41

STORESにて販売しています。
※ご希望によりサイン入り通販もあります

■CD注文

https://daisukehakui.stores.jp/items/655f7436600537348479256a

今回の絵本にリンクした3曲CDをSTORESにて販売しています。
※ご希望によりサイン入り通販もあります

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