マグロと僕の物語 #9 〜縁と運〜
上着を脱いで後40m。
根競べ。ザキさんの檄が飛ぶ!
あと20m、夏を思い出す。
夏は魚が外側を向き、ここで100m走られて、糸が切れた。
腰も痛い、ここで止めたい。その為に体を作ってきた。
さあ勝負じゃい!!
おおお、
おおおおおお!
うおぉおおぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!
この10年、この瞬間を待ってたんや!
余裕の100kgオーバー!
船上推定150オーバーのクロマグロ!!!
ついにやったぞ!!!
恥ずかしげもなく、僕は船上で泣いて、ザキさんと抱擁した。
やったよ!やったよ!!!!
震える手で船上からバンコクのカミさんに電話する。
カミさんも言葉が出ない。
何度も夢見て、
腰の骨負ったり、
変わってくれって泣きべそかいたり、
バンコクに異動になったり、
2年連続チャレンジできなかったり、
師匠の前で切られたり、
あと1mで外れたり、
身体作ったらもうマグロいなかったり、
マレーシアから急に行くってなったり。
プロトの竿を使わせてもらったり。
この釣りが好きだから、諦められなかった。
縁が運を呼び、遂に手にした100kgオーバー。
ほんと、色んなことがありすぎた!幸せすぎる!
ありがとう!!!
こうして、大冒険は終焉に向かう。
翌早朝には荷物を積み三沢空港へ。
ザキさんはじめ、同線の皆さんには本当に感謝しかない。
三沢空港からは羽田経由で伊丹へ。
伊丹に着いたら実家まで移動し、
実家で荷物をまとめ、その夜には関空へ。
バタバタ移動し月曜早朝5時、バンコクに着く。
今日は出勤。また日常が始まる。
家につき、子供を起こさないようにリビングの電気をつけると、まだドラマは終わってなかった。
家の壁いっぱいに。。。
うそだろ。
僕は、また少し泣いた。
そっと帰ったつもりが、かみさんも子どもが起きてきた。
どうやら壁の飾りは僕をお祝いしたく、子どもが1人で全部作ったらしい。
僕は感謝を伝え、子どもと少し話をした。
はっきりとは覚えていないが、こんな話をした。
僕は昔から運動が全然できなかったこと。
飽き性であまり何も続かなかったこと。
それでも、釣りだけは違ったこと。
マグロをどうしても釣りたくて、それに向かったこと。
10年以上もかかったこと。
何度もダメだったこと。
タイにいても想い続けてその時にやれることを続けたこと。
偶然が重なって、それにちょっと無理してでも飛び込んだこと。
結果、最後にたどり着いたこと。
いつも家族や友人の支えがあったこと。
だから、これから先、本当に心から追いかけたいことが見つかった時には続けるんやで、と。
何度ダメでも、諦めなければ、叶わない事にはならないから、と。
そしたら、人生がおもろいから、と。
彼はただ、頷いていた。
その後、達成感と、そこはかとない虚しさが共存した様な日々を過ごしたが、年末に鳥取に釣りに行った時、師匠の船を見たら忘れ物を思い出してしまった!
さぁ、今年はつるぞ、師匠の船で、師匠の操船で、
夏の元気なでっけぇやつを!また鳥取で勝負や!
最後に、帰国した日に見た木下さんの投稿を添えさせて下さい。
読んでいただき、本当にありがとうございました!
今年の夏は、きっと続編を書きますんで!
本編はここで終わりです。
ここから先は参考としての少し専門的な話になります。
釣り上げた時のタックルはこんな感じです。
ちなみに、ファイトタイムは自分でも驚きの18分でした。
Rod:
木下さんからお借りした
Zenaq Tobizo TC77 Tuna - Monster Buster プロトモデル
Reel
タイの爆安セールで買った
ソルティガ20000
Spool
釣り友しんじにわたなべ釣具で買ってもらった
SOM23000スプール
Line
釣り友のハマちゃんところで巻いた
Kline隼12号350m
Lure:
松田師匠が作った
ダラペン230高強度スペシャルモデル
ちなみに、それぞれにコメントすると
ちなみにこの時に木下さんからお借りした
Zenaq Tobizo TC77 Tuna - Monster Buster の製品版は2/1から予約開始だそうです。
ファイト時を考慮したフロントグリップの長さ、
滑らないグリップの加工や形状、
しっかり飛距離が出せて、ファイトできる7.7ftの長さ
そして何より、竿の反発力!
曲がり込むほどに魚を浮かせる湧き上がるパワー!
正直、ブランクからグリップの形状まで、対マグロにトルク感満載に作り込まれていて、この竿でファイトすると魚を小さく感じさせます。僕もほしい!抽選当たれ!抽選当たれ抽選あたれ!!!
ハマちゃんの糸巻きは魔法の糸巻き!
記載数量より30-50m多く巻くことができます。マグロ釣りではこの30mが圧倒的なアドバンテージになります。
しっかりしたテンションの並行巻きで糸の痛みも食い込みもゼロ。これも今年に出るとかでないとか。
なお、ダラペンはもう、流石に手に入らないかとは思います。。。
動きはブリっとしてペンシルなのでしっかり水流を産むし、何より巨大魚対策で中にプレートが入っていて、通常のルアーの様にモンスターマグロにワイヤーがちぎられるなんて事は絶対に起きません。
では、今度こそ、おしまいです!
ありがとうございました!!!
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