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読書録

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私的な読書の感想です
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記事一覧

自己実現の第一歩は自己認識から

自分はいったい何がしたいんだろうと悩む人は少なくないと思います。学生の頃にはあったはずの…

止まるを知る〜「中国古典の言行録」(宮城谷昌光)

先日、中国古典が大好きな方と出会い、その方にオススメされた宮城谷昌光さんの著作を今読んで…

良い聞き手とは何か〜きき方の理論(斎藤美津子)

話し手にとって良い聞き手というのは、どのような存在だろうか。それを学びたいと思い、この本…

なぜふたりは出会ったのか〜「無花果の森」(小池真理子)

小池真理子さんの作品を久しぶりに読んだ。2011年の作品「無花果(いちじく)の森」。2日間で…

漢字をけっとばす漢字学者~「漢字と日本人」(高島俊男)

「『目指す』っていうの、なんか痛そうだよね」。記者になり、言葉を書くようになったばかりの…

愛するふたりの幻想的な調べ~「調律師」(熊谷達也)

調律師という仕事を初めて知った。ピアノの音調を整えることを専門にする専門職だ。 この小説…

弱い絆の強さ〜なぜ「たまたまの職業」の満足度が高いのか

どうすれば自分が満足のいく仕事にめぐり合えるか。この本で紹介されていな中で、とてもおもしろいひとつの事実が紹介されていた。親や親戚など「強いつながり」ではなく、たまたまパーティーで知り合ったなど「弱いつながり」によってたまたま見つけた職業に就いている人が、満足度が高いそうだ。 米国の社会学者が1970年代に米・ボストンで調査したものが裏付けとなっている。 https://www.itmedia.co.jp/im/articles/0507/28/news130.html

潮の満ち引きのような恋心〜鮪立の海(熊谷達也)

三陸海岸にある港町「仙河海」を舞台にした漁師の話。主人公の守一と恋心を抱き続ける真知子の…

【心奮い立つ詩③】反対こそ生きること。そして愛すること〜金子光晴「反対」

私は「空気を読む」という言葉がきらいです。日本人の幼さを感じるからです。空気を読む人は、…

マタギという生きかた〜「邂逅の森」(熊谷達也)

こんなことをふと思うことはないだろうか。「自分の仕事を心から愛せるのならどんなにかいいだ…

病床からの5行の叫び

岩崎航さんという詩人をご存じでしょうか。病室のベッドの上から五行の詩をよむ40代半ばの方で…

【心奮い立つ詩 ①】「落ちこぼれ」(茨木のり子)

この【心奮い立つ詩】コラムでは、私のとびきり好きな詩を紹介します。ご自身を、ふと見つめ直…

コーチングは自分を変える「サードプレイス」

先日、あるプロコーチの方とお話しした。コーチング経験の豊かな方で1時間半ほどいろいろとお…

【脱カイシャしたい人へ】 あなたの「怒り」が人生変える

この6月、精神科医の泉谷閑示さんの本を集中的に読んだ。「『普通がいい』という病」や「反教育論」、「『私』を生きるための言葉」、「仕事なんか生きがいにするな」「薬に頼らなくても『うつ』は治る」など、泉谷さんが書いた8冊を、気づくとすべて読んでいた。精神的不調を経て、生き方を大きく変えている最中にある自分にとって、どれも深く胸に響いた。 8冊から自分が受け取ったメッセージをあえて一言で言ってみると、「心は、頭より賢い」ということだ。心は、私たちが普段思っている以上に物事を深く感