「成長してたらRT」を分析する

こんにちは。幻操工房のDaisukeです。
SNSとりわけTwitterで見かけるハッシュタグで「成長していたらRT」的なものをつけた呟きありますよね。 劇的な変化がある絵が並んでいると「自分もぐずぐずしてられないな」なんて奮起させられます。 反面、気が萎えている時にはちょっと見るのが辛かったりも。

今回はそんな「成長してたらRT」のお話。

<呟きのスタイル>

 「成長してたらRT」の呟きのスタイルは、ハッシュタグと共に【比較した期間】を記載し、最後に【期首期末の画像を貼る】というのが一般的。 ご自身のコメントを添えておられる方や、最大四枚貼付して細かく推移を見せてくれる演出の人も。
 イラストが主流ですが、模型や自動車改造などで使っている方もいるようです。逆に音楽や読み物系は一瞬で分かりにくかったりするので、使っている人はいない感じ。
 短い時間でパッと斜め読みするメディアであるTwitterならではの使い方とジャンル選びになっているんでしょうね。

<上手い呟き>

文字制限もあり、定型のスタイルもある中で呟きにも上手い下手があります。
いわゆる「斜め読み」の定義を「一人のtweetに2、3秒しか掛けないでドンドンでいく」とするならば、以下のスタイルが三桁以上のイイねをもらっていました(ただしツイ主のフォロワー数は未確認なので厳密ではないです)。

1. 貼り付け枚数は2枚。
2. 冒頭に一行コメント。
3. 「○月〜×月まで」ではなく「○ヶ月間の成長」などと明示。

 具体的に解説していきましょう。
 貼り付け枚数が2枚なのは、単純に比較対象がはっきりするからであろうと容易に推測できます。技ありだったのは「二枚の画像を貼る」のではなく「二枚の比較画像を一枚にくっつけた画像を貼る」方が大きく表示される事。 他のtweetとも大きさが違って見えるので、アピール度大。

 一言コメントはなくても良さそうですが、文面で作者の人となりが窺えるので、アイコンを突いてもらえる可能性が増えます。文面に困ったら「どうでしょうか?」みたいな質問形式にするとコメントに誘導できるかも。一行以上にすると改行でリズムが崩れるので、要注意。

 期首期末の明示も短時間で理解してもらうための配慮。数字と「←→」だけという方法もありました。確かに分かりやすいですよね。 中には期末の表記を「現在」としている人もいました。 Tweetの日時は追えるのですが、見た人によって「現在」が変わるので「この人の現在っていつ?」と注意を引くことが…できるかもしれません。 

<裏側の仕掛け>

「ハッシュタグ使っているのに!」
「呟きのスタイルを踏襲しているのに!」

 なかなか伸びずに《ごまめの歯軋り》をしている諸氏(私含む…え?私だけ?)のためのメンタルヘルス。「成長してたらRT」の裏側の仕掛けを考えてみます。

A 比較対象が違いすぎる。
 これはかなり多いです。 具体的には「鉛筆で描いたアナログでしかもラフ」の画像と「デジタルカラーの完成絵」の画像を持ってきても比較しようがないですよね。画材も違えば、完成の度合いも違うものを持ってくると「完成絵をいいと言え」と誘導しているのが見透かされます。
 逆に共通の構図、キャラクター、完成絵での比較…とそろえた比較対象で挙げてこられると「この人仕事頼めるな」と判断できます。

B 成長期間が曖昧。
 これも多いです。「三ヶ月間でこんなに成長しました」と描いている割に、その人のTLにたどって行ってみると月一でしか描いていなかったみたいなオチ。観測点が少ないのでタマタマうまく行った可能性が排除できないわけですから、成長しているかどうか疑わしくなっちゃいます。 

C 比較方法にノイズが多い
 すみません。ここだけの造語です。 「ノイズが多い」というのは「『成長しているかどうか』というハッシュタグの趣旨に対して、イイねを押したかどうかが明確ではない」という意味で、Twitterはそもそもガバガバ設定なんですが…(イーロンさんごめんなさい)。
げふん。
 具体的に説明します。
上記Aであげた点を踏まえて、比較対象がブレないように共通の構図、完成絵で描いたとします。 ただ一点、キャラクターは「性別だけ揃えて一方は一次創作、もう一方は二次創作」だったとします。
 さらにtweetには一次、二次の別は記載しなかったとした場合、

「原作を知っている人にとっては二次創作に好意を寄せやすい作品」
「原作を知らない人からは二次創作側も一次創作としてみえるので、成長したと判断されやすい作品」

…になると言えます。私のようにTLを追いかけにいくような疑り深い人間もいるのでしょうが、原則「斜め読み」のTwitterなら有効な隠しスキル。ご利用は計画的に…といったところでしょうか。いや、意図してやってる奴はいないでしょう。
 ともかくも、スキという評価が何に向けて発せられたのかわからない以上、評価に関わらないノイズ情報が多分に含まれていると言いたいわけです。

あとがき

  …というわけで「成長してたらRT」というハッシュタグについて考えてみました。 定型文としてはずいぶん確立しているので、きちんとして方法で行うならば自他共に貴重な成長記録になるのかと思います。できれば定期的に実践してみたいですよね。
 反面、他人との比較にはハッキリいって向いていないでしょう。なんとでも盛れるんですが、盛ったところで自分の画力に影響がないばかりか、慢心して努力を怠るなんてことになったら本末転倒です。

 できれば自分の成長記録をポートフォリオにして携える日を夢見ながら。
お後がよろしいようで。

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