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創作漫画「オーダーは龍」

こんにちは。幻操工房のDaisukeです。
今回は幻操工房の作品についてご紹介。

【漫画空間にて】

 漫画を描いてみようと思い立ち、名古屋は大須にある一風変わった漫画喫茶「漫画空間」に通ったことがあります。
 この「漫画空間」は、一万を超える作品を並べた本棚が店内を占める老舗の喫茶店。 しかしさらに面白いのが店内の一角に配置された作業机の列。国内でも珍しい「漫画を実際に制作することのできる」喫茶店です。 プロアマ問わず毎日作業机では作業の没頭する人を見ることもできますし、定期イベントとしてワークショップや交流イベントなどが開かれています。

 コマ割りを使用した《ストーリー漫画》を描いてみたい…でもノウハウはないし、そもそも何枚もの絵を繋ぎ合わせた「物語」なんて果たして完成できるのか。 そんな不安を抱えていた私にとって「漫画空間」で足がかりを作っていただけたのはとてもありがたいことでした。 当時のおっかなびっくりな体験談は、またいずれ語るとして、今回は「漫画空間」で発行している漫画雑誌に投稿させていただいた「オーダーは龍」という作品についてお話しします。

【作品本編】

 「オーダーは龍」はファンタジー世界をベースとしたグルメ漫画です。
顔に傷のある屈強な髭親父が経営する食堂。龍ですらメニューにのぼる不思議な店には店主の他にぱっつん髪の女給が働いています。
 世にも珍しい龍の肉。 続けざまに入るオーダーに女給はうんざりしていますが、店主は龍の肉など不味いと一蹴。曰く、龍の肉、特に雄龍の肉は硬くて食用には適さないのだとか。 そんな内輪ネタを話しているところに一人の女性が訪ねてきます。果たして彼女の目的は…。

個人誌「Quaternion」掲載時の表紙
1P目 龍の住む幻想世界
2P目 龍料理を扱うレストラン
3P目 龍肉は食材として扱いにくい
4P目 領主の娘さん登場


5P目 龍肉の晩餐会

 


6P目 龍肉クッキング
7P目 完成! ドラゴンカツレツ


8P目 めでたく大団円

【振り返ってみて】

同誌ではありますが、他人様の編集する雑誌に寄稿するということで、乗っけからテンションマックス! とはいえ、まず大変だったのが「8P」というページ制限。漫画は見開きで1エピソードという単位。1ページ目というスタイルなので、式にすると以下のようになります。

1P:扉(タイトル+導入)
2〜3P:見開き(第一エピソード)
4〜5P:見開き(第二エピソード)
6〜7P:見開き(第三エピソード)
8P:オチ

ネームを足したり引いたりしながら、なんとか「龍の肉の設定」と「動機付け」そして「調理シーン」の三つに絞り込んでなんとかエピソードをまとめ上げました。作る分には楽しいのですが、読者の皆さんに楽しんでもらえるかはまた別物。

 そして次に大変だったのが、絵柄が安定してない事。
あー、ありがちですね。これ。よく持ち込みで言われるやつです。
「正直自分程度だと、そもそも持ちキャラ数少ないし、帰って描けない分絵柄安定するんじゃね?」…みたいに余裕ぶっこいてたんですが…主人公の顔すら同じ印象で描けない事実。おおポチョムキン。

 後になってよくよく考えてみました。
 キャラはもちろん、背景にしたってほぼぶっつけ本番で描いているわけです。なんてったって早く完成が見たいから。
だとしたらです。
例えば、人物なら単純化した素体集をベースにあたりをとるとか、背景だとざっくり四角だけで構成された構造物のレイアウト集とか、飯の種を仕込んでおくことが普段からやれていると、あとはアイディアを流し込むだけで良い。
 完成品を作ることに躍起になるあまり、作るための道具とか作業場の整備をおろそかにしていた結果が、一コマごとに白紙から捻る出さなければいけない結果として返ってきているわけです。雛形とか素材集万歳。

…はい。というわけで、手前味噌であります。
幻操工房Daisukeが手がけた短編漫画「オーダーは龍」の一節でした。
ご感想いただけると幸いでございます。
お後がよろしいようで。

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