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文化財の保存・継承をITで支えることは本当に可能なのか?

まずは自分の参加している文化財「やったり踊り」で試走を、と考えていたが、いざ始めてみると、自分が予想したよりも多くの可能性が見つかったことに正直驚いている。
今までの文化財の保存・継承は、教える側と教わる側が、「同じ場所で」「同じ時間に」「直接」で、それ以外は無い、という世界だった。
今回、やったり踊りを踏み台にして可能性を探ったが、やりながら気づいたことが非常に多かったので、進捗報告とかねて、NOTEの記事にします。

1.多くの、「踊り」や「舞い」系の文化財では、後ろを向くときがある。
例えば、普段の練習風景を動画にしたとして、自宅でテレビ等でビデオを見ていても、旋回して後ろを向いているときは、画面が見えなくなるため、その後の動き出しがずれやすくなってしまう。スマートグラス(要無線化だが)を見ながら踊りの練習が出来る様になると、後ろを向いた時にも、画面から目が外れないため、動き出しのタイミングやきっかけとなる動作などが分かりやすくなると思った。
また、後継指導者用に、指導者目線での、指導の際のポイントとなる動作の声掛けなども取り入れることが出来ることも分かった。新たな発見としては、見せるだけではなく、教材として残すことを考えた場合、指導者目線では、「”より詳細な”踊りの言語化」が必要と痛感した。今まではどちらも同じ空間に居たので、見せるだけで十分だったが、指導者と、教わる側が離れている場合、教わる側には、言語化された踊りの順序・手ほどきが必要であることが分かった。

2.要無線化だが、LIVE映像を自分で確認しながら練習できる
獅子舞系で有効と思われるが、外から録画しながら、踊り手自身が、自分の動きをリアルタイムで観察しながら練習できる環境を作れると思った。通常、獅子舞系は、被り物をするため、VRゴーグルのようなゴツイ物を付けて入るスペースはないが、レノボT1のような大き目の眼鏡程度のものなら、踊り手自身が着用しながら、獅子舞の被り物を操作することが可能である。
外から録画しながら画面共有すれば、自身が踊る姿を、踊りながら確認することが出来るため、上達も早くなるのでは?と思った。
同じことが、神楽や神輿でも使えるのでは、、、?

3.街中の風景の中にお祭りを再現できるのでは?
過去に、「今いる場所」で開催されたお祭りを呼び出せたら、面白いと思った。やったり踊りでは、西光寺から香取神社までを練り歩くが、それをGPSと連動させたら、その場から見える祭りの風景が再現できると思った。
また、演者にカメラを着けさせて、演者目線の動画を再現出来るようになると、演者視点での「祭りの追体験」を、提供することが出来るようになる可能性を見つけた。街中の練り込み、神輿行脚、神輿喧嘩等を再現することが出来るようになると、より、文化財の保存にITを活用することの意義が高まると感じた。

あたラボ3期生として活動を始めた直後から4年ぶりの例祭の準備に追われ、例祭が終わった後も4年ぶりで様々な後処理に追われ、やっと今日、更新することが出来たが、この1か月で、「今後の文化財の保存にはDX化が必須」と強く感じた。今後は市内の他の文化財の協力を得ながら12月までに上述した内容に加えて、様々な可能性の検証を続けていきたい。


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