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キャッチボールから学ぶ息子との関係

2003年9月30日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================

息子が一人いる。彼は小学2年生だ。

日本では落第することがほとんど無いので、来年は3年生になるだろう。

一人の父親として、また一人の男として、息子には教えることが多々ある。

自転車の乗り方から幼稚園や小学校で悪童たちと喧嘩になった時に使えるパンチやキックの打ち方。サッカーボールの蹴り方や鉄棒の逆上がりなど色々ある。そしてもう少し大人になれば正しい酒の飲み方なんかも教えなければならない。

息子は去年あたりから野球が好きになった。複雑なルールをある程度理解出来るようになったからか、またグローブやバットなど道具のカッコ良さからか、それとも星野仙一率いる阪神タイガースの活躍に影響されたのか、野球を好きになった理由は良く分からない。

野球が好きになったら、それはそれで良し。だから今春から安いプラスティックのバットと柔らかなボールでバッティングを教え始めた。

そして夏休み前に子供用のグローブと大人用のグローブを購入し、親子二人でキャッチボールするようになった。

グローブがあるのだから、ゴロやフライの捕球練習やピッチングの練習もするが、やはり野球の基本はキャッチボールだ。練習はキャッチボールから始まりキャッチボールで終わる。

最初の頃はグローブが未だ手に馴染まないせいか、息子はよく落球していた。だから近い距離からゆるいボールを受ける捕球練習ばかりだった。またボールを投げさせてもあまりコントロールは良くなく、明後日の方向に飛んで行くボールを取りに走ることも多かった。少年野球用の軟式Cボールでも小学2年生の手には大きく 感じられ、投げづらいのだろう。

二人の間の距離は

キャッチボールを始めた頃、二人の距離は3メートルくらいだった。最近はちゃんとボールを受けて、ちゃんとボールを投げられるようになったので、二人の距離は8メートルくらいだ。時々びゅんと伸びる重いボールを投げ込んでくるようになった。骨太で体格は良い方だから肩が強いのかもしれない。来年になると二人の距離は10メートル以上になりそうだ。

そうして子供は少しづつ親から離れてゆく。

子供は親から離れてゆかなければならない。

一人で生きることに少しの不安と恍惚を感じながら、一人で生きることに少しの自信と自負を持ちながら、子供は親から離れてゆかなければならない。家を出て、一人で生きていく術を学ばなければならない時期は必ずやってくる。

親と子供の間の距離がぐんぐん伸びるのは自然であり必然だ。

だが二人が遠くに離れていても、コントロールを乱さず、何時でもちゃんとキャッチボールの出来る関係でありたいと思う。豪速球や切れ味鋭い変化球を投げる必要はない。スローボールで結構だ。ちゃんと胸元めがけて投げてくれ。こちらも受け取りやすいところに返球しよう。

一見単純なキャッチボールから学ぶ事は多い。

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a field of dreams between father and son

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