死亡説コメディアン最後の夢 残された者が、前を向いて歩み出した
光文社週刊誌smart-flash/週刊FLASH2023年9月5日号
に
志村けんさん「彼が望んだ夢の超高級交際クラブを」元恋人が“遺産1億円”で設立へ 実兄・知之さんにも対面
という記事が掲載された。
「三回忌も終わったので、そろそろ“あの人”のために動きだそうと思うんです」
と語るのは、会社経営者のA子さん(28)だ。
A子さんが愛おしそうに語る“あの人”とは、2020年3月に新型コロナウイルスによる肺炎で急逝した、“喜劇王”志村けんさん(享年70)のことだ。
Aさんと志村さんの出会いは、2017年にまでさかのぼる。
「私は当時、都内のガールズバーで働きだしたばかりでした。そのお店は志村さんの行きつけで、ある日、ほろ酔い状態で来店した志村さんは、ぎこちなく接客する私の頬にふれ、そっとキスをしてくれたんです。もともとファンだった私は、有頂天になりました」
連絡先を交換した2人は、高級スパの個室などで逢瀬を重ね、愛を深めていった。
「志村さんは本当に紳士的で、優しく接してくれました。どんな女のコにも、タクシー代は最低2万円は払います。愛車のロールスロイスの車内にはいつも現金が2000万円近く置いてあって、一部をプレゼントしてくれることもありました。ある日『俺の子どもを生んでくれるか』と聞かれ、私は迷わず『はい、生みます』と答えました。それぐらい本気だったんです。高級マンションを1室プレゼントされたこともあります」
その後、ガールズバーのオーナーに交際が発覚し、「店外で会う」というご法度破りを注意された2人は、自然と男女の仲ではなくなった。
「ただ、深い絆はあったので、結婚願望の強かった志村さんのために、女のコを何人も紹介するようになりました。亡くなる直前には、将来を約束する女性もいたのですが……」
突然の別れから約3年半。深い悲しみから立ち直ったAさんは、生前、志村さんがたびたび口にしていた“夢”をかなえようとしているのだという。
「志村さんのまわりには、売名目的で近づく女性や、一夜限りの関係でお金を稼ごうとする女性が多かったんです。なかには“ゆすり”に近いようなことをする女性もいて、たいへんな様子でした。お酒が回ると『きちんとした、常識があるコがいい』『自分のいやなところを見せられるような関係がいい』と、愚痴をこぼしていたんです」
さらに、若い人を応援したい、という思いも人一倍強かったという。
「若手の男性お笑い芸人や、夢を持つ女のコなど、男女を問わず若い人の背中を押して、その活躍を見守るのが好きな人なんです。でも、限られた人間関係のなかで、志村さんのようなパトロンと若い人が出会える場は少ないんです。そこで、私は志村さんの志を継ぐべく、ごく限られた人だけが参加できる“パトロンクラブ”を作ろうと思っています。たんなる交際クラブやパパ活などとは違い、長期的で深い信頼関係が築ける出会いの場です。私と志村さんの関係みたいに……。男女の関係になるかどうかは、当人次第です(笑)。志村さんの頭文字、SとKを合体させて“ドリフ”と読ませるロゴも考えています。すでに、このクラブの理念に賛同してくれている芸能人の方や有名社長もいらっしゃいます。9月から始めますが、店舗やホームページなどはいっさいなし。口コミだけですね」
「生前、私が志村さんに支援していただいたお金は、マンションなどを合わせると総額で1億円を超え、いまも大切に残してあります。でも、私はこのお金をもらったものだとは思っていません。これは、志村さんから託された“遺産”として、志村さんの夢をかなえるためにあるものだと思っています。パトロンクラブだけでなく、志村さんの名前を後世に残せるように使おうと思います」
開業の資金源は、志村さんの“遺産”だ。
「生前、私が志村さんに支援していただいたお金は、マンションなどを合わせると総額で1億円を超え、いまも大切に残してあります。でも、私はこのお金をもらったものだとは思っていません。これは、志村さんから託された“遺産”として、志村さんの夢をかなえるためにあるものだと思っています。パトロンクラブだけでなく、志村さんの名前を後世に残せるように使おうと思います」
志村さんの急逝から1年半後には、この思いを伝えるため、実兄・知之さんの元を訪れた。
「仏壇に手を合わせたいと思い、お伺いしました。知之さんは突然やって来た小娘を、温かく家に迎えてくれましたよ。生前、志村さんとどんな関係だったのか正直にお話しして、お線香をあげました。知之さんは『(店外でデートをしたのは)君が悪いね』と笑っていましたね。今後の活動についても『自由にやってください』と言ってくれました。それよりも、知之さんは相続や税金などのことでたいへんそうでした」
A子さんは、“パトロンクラブ”以外にも、志村さんの生前を描く映画制作や、コロナ禍のせいで開催できていなかったお別れ会などを盛大に開きたいと考えているという。「志村さんは、夜中の3時に突然『眠れない、人肌恋しいな』とメールしてくるほど、寂しがり屋でした。“あっち”でもいろんな女のコと飲み歩けているといいのですが……」
残された者が、前を向いて歩み出した。
( 週刊FLASH 2023年9月5日号 )
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