見出し画像

歌唱力と表現力の殴り合い TUBEOUT! Vol.5レポート

2021年2月27日、SPWNにてTUBEOUT! Vol.5が開催された。前回1月に開催されたVol.4から毎月開催となったTUBEOUT!だが、今回はイノナカミュージック所属のAZKiとホロスターズ所属の律可の2人が、その歌唱力で存分に殴り合った。本稿では歌唱力がぶつかり合い新しい世界が生まれたライブのレポートをお届けする。

1曲目は「革命デュアリズム」。最初からクライマックスだと言わんばかりに盛り上がる曲を2人の圧倒的歌唱力でぶつけてくる。間奏には律可とAZKiが「盛り上がってるかー!」「盛り上がっていきましょう!」と視聴者を煽る。今日デュエットを初めて合わせたということだが、そうは思えないほど二人の歌声は調和していた。

画像1

画像2

画像3

MCではフラスタを紹介したり、2人とも1曲目は緊張したという感想を述べる。そして2021年2月23日にお披露目されたばかりのAZKiの新衣装にも触れ、律可が「華やかな姿」と評した。今日初対面の2人だが歌でバチバチにぶつかっていこう、と決意を述べ次の曲が始まる。

律可のソロ最初の曲は「KING」。色々な人がカバーしている流行りの曲だが、律可のKINGは凛々しくも優しい王というイメージを感じた。

続く曲は「だから僕は音楽を辞めた」。律可の少しハスキーな歌声で、高音を綺麗に歌い上げる。感情に訴えかけてくる歌詞と律可の透明感のある歌声に深く胸を突かれた。

画像4

画像5

AZKiのソロパート1曲目は「Intersection」。新衣装で歌い踊る可憐な姿はまさしくDIVA(歌姫)。過去のライブで2nd衣装で歌っている姿を見た時は格好良く盛り上がる曲というイメージだったが、新衣装で歌う姿は可愛さの方が勝っており、衣装ひとつで曲のイメージまで変わることに驚かされた。

次の曲は「ローテート・リピーテッド」。衣装が変わってもAZKiの歌唱力に変わりはなく、歌詞に悩みや葛藤が込められたロックな曲を感情豊かに歌いきった。

画像6

画像7

ソロパートが終わった後のMCではまずお互いの歌を褒め合う。AZKiは盛り上げるために今回この選曲にしたとのこと。律可はKINGは初披露で思い入れのある曲のため、今後も歌っていきたいと語った。

1曲目のデュエット「革命デュアリズム」は悩んだが、1発目は盛り上げたいし、男女でしかできないことがしたい、ということでこの曲になったと裏話を披露してくれた。

律可が「今回壁を壊したかった。開拓したものを調律していきたい」と、お互いのファンネームの開拓者と調りつ師とかけた良いコメントを披露しつつ、次の曲へ。

再び男女デュエットで「打上花火」。男性ボーカルと女性ボーカルのハーモニーが耳に心地よい。歌詞のラララの部分でステージとコメントが一緒に手を振るのも一体感があった。いつかライブ会場でペンライトが波のように揺れる様子をまた見たいと思った。

画像8

画像9

画像10

次のソロパートはAZKiの「止まない雨」から始まる。前半の盛り上がるアップテンポの曲から一転して切ないバラードで感情に訴えかけてくる。切ない歌声、表情、ギターソロすべてでAZKiの世界に引き込まれてしまう。オリジナル曲だけでこれだけ選曲の幅が広いのもAZKiのDIVAたるゆえんだろう。

ここでAZKiソロのMCが挟まり、今回のセトリは初めてAZKiの歌を聴く人のために2ndアルバム「Re:Creating world」からキャッチーな曲を持ってきたと語る。

開拓者がコメントで使っている「床」という言葉の説明をAZKiが試みる一面もあった。「感情が爆発すると床にはいつくばる」「オタクが高まって床にひれ伏してる感じ」「感情がこみ上げて足が立たなくなった状態」「溶けてる感じ」「限界極まって倒れてる」など、開拓者がコメントに「床」についての説明を書きAZKiが読み上げていた。雰囲気はだいたい伝わったはずだ。

そんな床の説明をした後は、聴いたものを床にする曲「いのち」。曲全体を通して感情に突き刺さる曲だが、ラスサビの「わかんないよ わかんないよ ねぇ」の感情の込め方はAZKiのライブの度に表現力が高まっており、その瞬間しか聴けないのがだいご味だ。開拓者と調りつ師のコメントも床で埋め尽くされていた。

画像11

画像12

続く律可のソロパートの冒頭では、AZKiの「いのち」を称賛して「ああいう表現ができる人は尊敬する」と述べた。先日YouTubeチャンネル登録者数が10万人を超えたことの感謝を述べ、自身の所属するホロスターズでもこうしたステージに立ちたいという夢を語った。

次に律可が披露するのは先日歌ってみた動画を投稿したばかりの「インフェルノ」。本人は難易度の高い曲とMCで語っていたが、それを見事に歌い上げていた。男性ボーカルで安定した高音キーを出せるのは見事という他ない。

歌い終わった後「いのち」をテーマにした曲を繋いだとセトリの意味を説明。「1回しかないライブなので見てくれた人に何かを残せることをいつも考えている」と拘りを語る姿はまさしくプロだった。

次はバラードを歌いたいということで「早い曲をバラードにした曲」を披露するとのこと。律可は「世界をテーマにした曲だけど、みなまで語らず歌で表現したい」と続けて、次の曲「ワールド・ランプシェード」が始まる。

「ワールド・ランプシェード」はピアノアレンジは透明感のある繊細な律可の歌声と見事にマッチしていた。熱い感情を込めて歌う姿を見て、律可自身がバラード曲を好きなことが伝わってくる歌だと感じた。

画像13

画像14

AZKiと律可がステージに上がり、お互いの歌を褒め合う。コメント欄の開拓者と調りつ師の民度の高い暖かさを喜ぶ二人の姿は、二人のファンから見てもうれしいと感じたはずだ。 

二人の歌を褒め合うトークは続く。
律可が
「歌で表現ができる人はそんなにいないらしい」
と語り、AZKiが
「音程と表現は相反するから、そこのバランスが難しい」
と続ける。このテーマで2時間は語れると豪語する律可は
「音程を取る歌い方も正解だけど、俺は聴く意味を作りたい。1回しかない機会を最大限見てくれた人に聴いてもらいたい」
と語り、AZKiも
「歌も伝え方もその日その日で違うから、その日思った気持ちで歌おう、それを歌に乗せようと思うんですよ。完璧な歌じゃなくても、その日伝えたいことは違ったりするから」
と互いの音楽性について熱く語り合った。歌という共通の事について熱弁をふるう2人の姿が印象的だった。

デュエットを今日初めて合わせたという話もここで明かされた。AZKiも「初めて合わせたのにバシッと合ったことが気持ち良かった」と述べた。今日をきっかけに、いつか2人でコラボや歌を歌いたいとこれからの展望でも盛り上がる。

ここからラストスパートが始まる。まずは律可のオリジナル曲「Re:Hello world」。初のオリジナル曲で律可自身が作詞・作曲したこの曲からは、律可と調りつ師の絆を感じた。歌う前に「この曲は今後もずーっとやっていく」と語っていた通り、この曲は色々なライブで歌われて思い出とともに育っていく曲だろう。

画像16

画像16

続く曲はAZKiの「in this world」。2020年12月1日に発売さたAZKiの2ndアルバム「Re:Creating world」に収録されているこの曲は、「世界の再構築」をテーマにした曲だ。世界が壊れてしまった2020年に生まれたこの曲には、それでも歌を歌い続けるというAZKiの前向きな決意が込められている。「ここからもう一度 君と私で始めよう」という語りの部分は何度聴いても泣きそうになる曲だ。

画像18

画像18

ラストの曲は「.NEW WORLD」。この曲は「エルセとさめのぽき」の曲で、この場面でこの曲をカバーすることを誰が予想できただろうか?「ワールド・ランプシェード→Re:Hello world→in this world→.NEW WORLD」とワールド曲をつなぎいでいくセトリには視聴者全員が度肝を抜かれていた。

「エルセとさめのぽき」の男(サメ?)女ボーカルで歌われる曲がAZKiと律可のデュエットで映えないはずがない。「Hello~」と伸びていく二人の声がとても心地よく、深海にも響き渡るような歌声だった。

画像19

画像20

画像21

画像22

エンディングMCではワールド曲のセトリの種明かしがされ、本日の感想が述べられた。

AZKiは「始まる前は不安と楽しみが半々でしたが、そんなことを吹き飛ばすくらい今日は楽しかったです。今日はそれぞれ違う文化の人たちが歌で繋がれて、歌でワールドを作れたのが楽しく素敵な時間でした。ありがとうございました」と、

律可は「こうやって最近舞台に出させていただけるようになって、先輩とコラボという晴れ舞台をいただきました。今後もがんばっていきたいです。本当に見ていただいてありがとうございます」とそれぞれの感想を述べた。

告知は二人ともTwitterのフォローとYouTubeチャンネルの登録よろしくお願いします、とのこと。そして律可から3月25日10万人記念配信をイノナカミュージックプロデュースで実施することが明かされた。

そしてTUBEOUT!のVol.6とVol.7の告知が続く。Vol.6はすでに告知解禁されていたが、Vol.7の出演者はここで初めて明かされた。

画像23

画像24

最後に律可が「今後もTUBEOUT!に呼んでもらえるように日々をがんばろう!」、AZKiが「2人のオリジナル曲も作りたい!」と決意を述べ、ライブは終了した。

歌唱力の高い2人がバチバチに歌で殴り合うライブかと思いきや、終わってみれば歌唱力で視聴者がボコボコにされてしまったライブだった。男女デュエットになることで、表現の幅も大きく広がることも面白い発見だったと思う。

TUBEOUT!は毎月開催になったことで、その日限りのユニットが数多く見られるイベントとなることだろう。色々な才能がぶつかり合うことで、新しい可能性が開拓されていく瞬間を、今後も楽しみにしている。

TUBEOUT! Vol.5セットリスト
1.革命デュアリズム(AZKi&律可)
2.KING(律可)
3.だから僕は音楽を辞めた(律可)
4.Intersection(AZKi)
5.ローテート・リピーテッド(AZKi)
6.打上花火(AZKi&律可)
7.止まない雨(AZKi)
8.いのち(AZKi)
9.インフェルノ(律可)
10.ワールド・ランプシェード(律可)
11.Re:Hello world(律可)
12.in this world(AZKi)
13..NEW WORLD(AZKi&律可)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?