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ここからもう一度 君と私で始めよう、AZKi 2nd ALBUM『Re:Creating world』レビュー

2020年12月1日、AZKi 2nd ALBUM『Re:Creating world』がリリースされました。本記事では『Re:Creating world』に収録されている新曲について感想を述べていきます。

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↓購入はAZKi officialストアから

このアルバムの曲のライナーノーツはAZKi NOTEにて公開されています。曲を聴きながらライナーノーツ読むの楽しいのでオススメです。

またこのアルバムを引っ提げて2020年12月6日にAZKi 6th LiVEが行われます。絶対見ごたえのあるライブなので、こちらも合わせてどうぞ。

運命の在処

最初聴いた時アニメのOPかと思ったほど格好いい曲でした。聴くとテンションがあがってアルバムの1曲目にふさわしいキャッチーな曲です。ライブでも絶対盛り上がる曲なので、6thライブのセトリの1曲目に歌われるかもしれません。

歌詞に運命や真実といった言葉が使われていたり、音やコーラスがとにかく壮大で、これがアニメのOPならこれからすごい名作が始まるに違いないと期待が膨らみます。

特にイントロに風のような音が入っていて、人生という荒野を歩き続けている主人公が思い浮かびました。ラスサビの「僕らはまだ 探し続ける 旅人」の歌詞が完全に解釈一致です。そしてここのAZKi先生のハイトーンボイスがとても耳に心地よい。AZKi先生の歌声のクールな一面が強調された曲だと思いました。

petal dance

運命の在処をアニメのOPとすると、petal danceはEDに流れてきそうな心が洗われる曲です。歌詞の言葉選びがとても綺麗で一番MVが楽しみな曲かもしれません。AZKi先生の澄んだ歌声も存分に活かされています。

ピアノとストリングスの上品な旋律が耳に心地よく、包み込むように優しい歌詞と歌声が癒し効果を倍増させています。元気がないときとか癒しが欲しいに聴きたい曲です。

「petal dance」の言葉の意味を調べたところ「花弁踊り」や「花弁舞」と翻訳されました。その意味を知った後にノノルさんのpetal danceのアートワークを見ると、この歌のイメージを完璧に表現していてひっくり返りました。流石ノノルさん。

ローテート・リピーテッド

本アルバムのAZKi先生の作詞作曲の楽曲です。過去に作詞した「from A to Z」や、作詞作曲した「ちいさな心が決めたこと」とはまた雰囲気が違う曲だな、というのが第一印象でした。歌詞カードを読んで「マワル、まわる、回る、転る」などの同音で違う漢字を選ぶところに中二心を感じました。

聴いているとダウナーな気分になるというか、この歌の歌詞のように明日が来るのが嫌っていう気持ち誰しも経験したことあるよな、という妙な共感がありました。特に明日嫌なことがあるわけではないのに、単調に回り続ける日常に倦んでしまった時の若かりし頃を思い出します。そんな時、深夜に一人でどうして生きているのか?とか人生の正解とかをグルグル考えるんですよね。

「どうして どうして どうして Ahh..」の歌い方にそんなやりきれない悩ましさというか苦悩を感じました。それと「あと一度だけ」のAZKi先生のウィスパーボイス好きです。

この曲にも色んな楽器の音が使われていて最初から最後まで音が楽しいです。特にアウトロのピアノも好き。

止まない雨

曲名の通り雨の日に聴くと染みる曲です。大切な人と別れた後とかに聴いたら絶対泣いちゃうやつです。感情爆裂お姉さん(アメノセイくんちゃん命名)のAZKi先生の本領が発揮されてます。

「何が そう 何が ダメだったのかな」の苦しさがにじんだ歌い方とか聴いてて胸が締め付けられるし、その後の「止まない雨だけが 鈍い痛みに寄り添ってくれる」で声に少しだけ優しさが混ざってる所とか、こんな微妙に歌声に乗せる感情コントロールできるんだスゲースゲー!ってなりました。

歌声と歌詞の雰囲気にあったメロディも良いんですが、特に間奏のギターソロが切ないのに格好良かったです。切ない曲の中で颯爽と差し込まれたギターソロは、止まない雨の中に少しだけ除いた晴れ間のようでした。

タイムカプセル

この曲を聴いて、いつもツラニミズさんが語っている「10年後思い出してもらえる音楽」という言葉と、AZKi先生が「hololive 1st fes. ノンストップ・ストーリー」で語った「みんなの心や記憶に残り続ける音楽を作りたいです」という夢を思い出しました。そして自分は10年後AZKi先生の歌を聴いているだろうか?覚えているだろうか?と自問したりしました。

曲はTHEダンスミュージックな印象を受ける、流石DJの Batsuさんが作った曲です。聴いているとユラユラ体が揺れます。イントロとアウトロのグワーングワーンという音とAZKi先生のトットゥートットゥーという声で、曲の世界にグイと引き込まれるし、曲が終わった後の余韻が最高に気持ちいいです。

ここからは私事になるのですが、最近10年以上前の音楽を思い出したことを語ります。先日、戯画さんのアイキス2とホロライブがコラボがあり、カバータイアップの中にAZKi先生が歌う「Cream+Mint」がありました。フルは「アイキス2」豪華版特典のI've20thカバーソングアルバム「ぽっぴんキッス」に収録されているので、皆さんぜひ購入して聴いてみてください。

これが私にかつてないほど刺さりました。というのもこの「Cream+Mint」がオープニングの戯画さんのゲーム「ショコラ 〜maid cafe "curio"〜」を発売日に買ってプレイしていたからです。発売当時の2003年にKOTOKOさんのボーカルで聴きまくっていた曲が17年の歳月を超えてAZKi先生がカバーするとか最初意味が分かりませんでした。

AZKi先生の「Cream+Mint」を聴いた後、KOTOKOさんのアルバム引っ張りだしてきて原曲聴いたりしてたら、当時の楽しかったことなどを思い出して、めちゃくちゃ泣けてきました。この歌もう完全に私にとってのタイムカプセルです。

オタクの人生を何周もしてると、こういう予想もできない縁の繋がり方を経験することがあります。もしかしたら将来2030年にAZKi先生の曲を誰かがカバーしているのを私は聴いているかもしれません。そうなったら嬉しいな、と素直に思いました。

発光体ソーラーサイクル

曲のノリやピコピコ感でMOSAIC.WAVが作った曲だと分かるのは流石です。MOSAIC.WAVも昔から聴いていたので、AZKi先生に楽曲提供という話を聴いた時は驚きました。2020年のAZKi先生は古のオタクが感涙する歌を歌いすぎです。

歌詞の「11年後の君に歌うよ」を聴いて思ったのは、この曲を11年後に聴いたらどんな気持ちなんだろう?ということ。この曲も未来へのタイムカプセルになったらいいなと思います。

サビのメロディとかAZKi先生の歌声がすごくかわいい曲なのに対して、歌詞はかなり深いことを言っています。「離れた星の住人がわけも知らず またぶつかりあっている」とか「ぼくら自分と世界の時間を混同しがちで」とかは今のネット世界の風刺のように感じました。「懐かしいことが心地いいとき 新しいことは辛いこと」という歌詞には自分が保守的な性格なのでドキっとします。

歌詞カードのAZKi先生のアイドル衣装も可愛い。銀テープが舞う中に立つ姿はTHEアイドル。このアートワークもさすがノノルさんです。

in this world

明け方聴いたらなぜか急に涙が出てきた曲です。最初にこの曲を聴いた時、世界が大きく変わってしまった2020年のことを歌っていると思いました。今まで当たり前にできていたことができなくなって、世界が壊れてしまったこの1年。「この声がこの歌が 何回何十回だって君と出会うから」「ここからもう一度君と私で始めよう」という歌声がとても心強かったです。きっと私たちは大丈夫、そう思えました。「Re:Creating world」というアルバムを締めくくるのはこの曲以外には考えられません。

この曲を聴いて、改めて流歌さんの「AZKi」という世界に対する理解度の深さに感動しました。「この声がこの歌が 何回何十回だって君を選ぶから」という歌詞は、AZKi先生作詞作曲の「ちいさな心が決めたこと」の「生まれ変わっても この物語(はなし)をしよう」と似たことを言っているし、まさしくAZ輪廻だし、流歌さんがAZKi先生の歌を作ってくれて本当に良かったです。

曲の語りの部分も感情を直で揺さぶってきます。以前AZKi先生がポエトリーリーディングを頑張ってるって言ってたの思い出しました。これ以上開拓者を床にして全滅させて大丈夫ですか?

いつかこのアルバムの曲をリアルライブで聴いてみたいです。そして「大きな声で名前を呼んで」の部分で会場の開拓者全員で「AZKi~!」って叫びたい。

まとめ

このアルバムが2020年のうちに発売して良かったと思います。AZKi先生はアルバム以外にも楽曲の発表を絶え間なくしていますが、やはりアルバムは集大成というか活動の節目な気がします。2019年に1st ALBUM「without U」という集大成があったように、2020年にも2nd ALBUM「Re:Creating world」という集大成ができてうれしかったです。

今の世の中で年に2回ソロライブをして、アルバムを1枚リリースするのが、どれだけ大変ですごいことか私には想像もできません。特に12月1日に発売したアルバムを引っ提げて12月6日にソロライブをするとか、相変わらずスピード感がおかしいです。

この先世界がどうなっていくかわかりませんが、AZKiチームはこれからも止まらずに世界を開拓し続けるんだと思います。そんな決意を感じるアルバムでした。時に楽しく時に悲しく感情を揺さぶってくれるAZKi先生の歌声が大好きです。6th LiVEも2021年の活動も応援しています。

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