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過去と夢のステージで歌う、今だからこそできるライブ、ときのそら2nd LIVE パラレルタイムレポート

2020年11月29日、SPWNにてオンラインライブ、ときのそら2nd LIVE パラレルタイムが開催された。今回は1年前に行われた、ときのそら1st LIVE Dream!からさらに成長を遂げたときのそらのライブをレポートしていく。

このライブのアーカイブは2021年1月4日23時59分までなので、視聴した方も未試聴の方も何度も視聴して欲しい。

1.開演

開演前からSPWNのコメント欄ではそらとものみんなが「(๑╹ᆺ╹)ぬんぬん」とコメントしながら、ライブの始まりを今か今かと待機していた。

定刻の19時、カウントダウンが始まる。60秒の数字が1減っていくごとに、否が応でも期待に胸が膨らんだ。

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カウントがゼロになり、今回の特設ステージにDream!衣装を着たときのそらが現れる。これまでDream!衣装の時はお化粧も以前のものになっていたが、今回新しいお化粧でのDream!衣装がサプライズお披露目となった。

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1曲目は2020年10月21日に発売したばかりの2nd Album「ON STAGE!」から「ぐるぐる・ラブストーリー」。アイドルらしい可愛い歌とダンスで一気に視聴者の心をつかみに来る。アルバム発売前に公開されたShort ver.のMVの振り付けと、いつもの本能ダンス(自称)を上手く混ぜてアレンジして、歌いながら踊れるダンスに仕上げており、ライブの練習の成果と工夫がうかがえた。

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1曲目が終わり、お水を飲んで今回のライブに送られたフラスタが紹介される。その後今回の特設ステージの紹介が続く。ステンドグラスで囲まれ、あん肝やリボンや星があしらわれたステージを所せましと動き回るときのそらの姿は、このステージで歌える喜びを全身で表現していた。

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自分のハイテンションに負けないように盛り上がってコメントしてください、と視聴者を煽ってから歌った2曲目はカバー曲の「ベノム」。格好良く踊り歌いながら「もっとコメントしてー!」と煽って盛り上げ、コメント欄も「はい!はい!」「めっ!」とその声に応える。

2曲目を歌い終わった後は、再び水分補給をしながら「ベノム」への思い入れを「自分らしく格好いい曲を歌うのを考えるようになった曲」と語った。

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そこからは2nd Album「ON STAGE!」から2曲続けて盛り上がる曲「リア/リモシンパサイザー」と「ブルーベリームーン」を歌われた。

「リア/リモシンパサイザー」の歌詞と歌からは、リモートのライブでもリアルのライブ以上に繋がりたいという気持ちが伝わってきた。そして「いつでも一緒だよ!」の声の伸びが耳に心地よく響いた。

「ブルーベリームーン」は曲中に「見上げて?」や「届いて!」のセリフが差し込まれるところで格好良さがピリっと際立つ曲だと思う。「ベノム」を歌った後に本人が「格好良い曲が好き」と語っていたが、彼女自身これまでの活動を通じて格好良い曲や色々な曲が歌えるように成長していると思う。

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歌い終わった後のMCで、最初の4曲はライブを盛り上げるために、いわゆる「ぶちアガる曲」を選んだこと、この後は「これまでの3年間の思い出振り返り」や「懐かしい曲を歌いたい」ということが語られる。

2.1年前のVeats Shibuyaへ

次に歌われた曲は「海より深い空の下」。2018年12月17日に開催されたTUBEOUT!Vol.1で初披露された曲だ。1st Album「Dreaming!」にも収録されている。染み入るようなロックバンドの音に聴き入っていると、2番の「目をはらしていた頃の私を あなた達が見つけてくれたんだよね」のあたりで映像に変化が現れる。

特設ステージで歌っているときのそらに重なるように、別のステージで歌うときのそらが重なり、歌いながらステージがVeats Shibuyaへと移動したのだ。

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「ここ、Veats Shibuyaでの初めてのワンマンライブから1年が経ちました。あの日のことは今でも鮮明に覚えています。これからもみんなと一緒に楽しい思い出をたくさん作っていきたいです。いつかあの時みたいに、またみんなのそばに行けると信じて」

そう語って歌われた曲は「コトバカゼ」。切ないバラード曲を歌っていると、次は舞台袖から過去の衣装とお化粧のときのそらが登場。二人でVeats Shibuyaのステージの上で踊るパフォーマンスを見て、涙しないそらともがいるだろうか?

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次の曲は「未練レコード」。ときのそらの記念すべきオリジナル・ボカロPコラボ第1弾の曲だ。ときのそらのオリジナル曲にはボカロPが多数関わっており、VTuberとボカロPという2つの文化の交流を作り出したのは大きな一歩だったと感じる。

「未練レコード」のMVをバックに今のときのそらと、過去のときのそらがステージに立つ姿は、過去の活動があったから、今のこの素晴らしいステージがあるのだという繋がりを表現しているようだった。

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続く「夢色アスタリスク」は、ときのそらにとっても、そらともにとっても思い出の詰まった曲だ

以前この曲を歌った時に無理に高音を出していないか心配されて「ちゃんと出せます!」と生配信で高音を披露していた思い出。

1stワンマンライブで「わたしの目の前に広がる世界は、初めて配信をした時から夢色です」とみんなへの感謝の手紙を読んだ後、みんなで一緒に「夢色アスタリスク」を歌った思い出。

今では自分の強みと言えるほどになった安定した高音を聴きながら、彼女が星舞うステージで歌う姿に私は見とれていた。

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「あれから1年経ったけど、私みんなを元気にできてるかなぁ。あれから1年経って、私はみんなにとってのアイドルになれてますか?この1年みんなに支えてもらいながら、夢中でがんばってきたんですけど、私は成長できてますか?まだまだこれからの私だけど、応援してくれるみんなに少しでも成長した私を見せていきたいです。こっから始まる新しいときのそらを見てってねー!」

画面が暗転し「できてるよ!」「なれてるよ!」というコメントがあふれる中、元の特設ステージに戻ったときのそらが「青空のシンフォニー」を歌う。20歳を記念してときのそら自身が作詞作曲に挑戦したこの曲も、ライブで歌われるたびに大切な曲に育っていく。間奏でときのそらが「なんか泣きそう」と漏らす場面では、こちらももらい泣きしそうだった。

動画や配信で何度も練習した🌠シューティングスター🌠」「🍀プローミースユー🍀」「🌈レインボースカーイ🌈という定番のコメントにも一体感があった。

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「ここからは可愛い曲を歌っていくよ!」と「Chu-Chu-Lu」を歌い始めると、ステージの演出もハートが乱舞する演出に切り替わる。ハートの中で「ちゅっちゅるちゅー」とピョンピョン飛び跳ねたり、頬を染めて歌う姿は最高に可愛いくアイドルしていた。

個人的には「あたしもまだ 不器用なエンジェル」の部分でアゴを引いてから前に少し突き出す仕草が、動画で伝えられないのが歯がゆいくらいに可愛くキュンキュンが止まらなかった。

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水分補給をしながらMCでこれまでの「格好いい→思い出振り返り→可愛いキュン」というセトリを振り返る。そして次の曲は「みんなへの好きという気持ちを全力で表現した曲」と前振りして「好き、泣いちゃいそうだ」を歌った。

「好き、泣いちゃいそうだ」の1番2番どちらのサビの「好き、泣いちゃうくらい(泣いちゃいそうだ)」にも、歌に込められた強い好きという思いを感じて、見ているこちらの頬が熱くなってしまった。

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MCでは「好き、泣いちゃいそうだ」のリベンジを今回したかったこと、いつも感極まってしまい最後の「好き、泣いちゃいそうだ」をちゃんと歌いきれないのを悔しく思っていたことが語られる。

今回は最後まで好きという気持ちをグッと込めて歌いたかったこと、いつもはみんなからもらい泣きしてしまうこと(でもそれは気持ちのいいもらい泣き)を語った後の、「今回はみんなの涙よりも私の笑顔が勝ちました!」と宣言した表情は、リベンジを果たして晴々とした最高の笑顔だった。

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3.未来の夢のステージへ

続く曲は2020年3月4日に発売したミニアルバム「My Loving」から「Wonderland」。この曲は「可愛い曲だけど自分を奮い立たせてくれる曲」とのこと。

「Wonderland」は2020年2月15日に行われたアニゲーフェス2020VTuberステージDAY1でフルが初披露された。アニゲーフェスでは会場がジャンプ禁止だったため、歌詞の「もっと飛び跳ねていたい jump」に合わせてジャンプができなかった。いつかリアル会場のライブで会場全員でジャンプができる日が待ち遠しい。

そして歌詞の「イメージしてごらん」のタイミングで、ときのそらの顔がアップになり、ステージが彼女のイメージの中の横浜アリーナのステージへと変わる。夢見るステージの上でときのそらも「みんな見えてるよー!」と走り回り喜びを爆発させていた。

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そのまま続けて歌うのはホロライブ全体曲の「Shiny Smily Story」。このきらめくステージで歌うアイドルソングとして、この曲以上にふさわしい曲も少ないだろう。

「Shiny Smily Story」はホロライブの全体曲だが、歌詞の解釈としてときのそらのことを歌っているとも解釈できると私は思っている。「あの夢手にしたい」「ほんの小さな勇気を振り絞っていたよ」「もう私はひとりじゃないから」など、彼女を連想させる歌詞が多いと私は感じた。

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歌い終わり、改めてステージの凄さを語る。「言葉にならないこの感情。喜びというものですね。言葉になっちゃった」とノリツッコミをしてしまうくらい喜び以上の感情をあふれさせていた。

今日のステージは仮想のステージだが「横アリで歌いたいという夢がほぼ実現しちゃったうれしい」とはしゃいだり、『これを現実にするぞ』というコメントに対して「そうだね」と夢への気持ちをあらたにした。

ここからはラストスパート。「みんなー!コメントする準備できてますか?今日一日、最高の思い出にする準備できてますか?最後まで私についてきてくれますか?」と視聴者を煽り「Dream☆Story」「フレーフレーLOVE」「冴えない自分にラブソングを」の3曲を立て続けに歌った。

「Dream☆Story」の途中から、なんと特別ゲストのあん肝が登場し、一緒に踊るという微笑ましいサプライズもあった。

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この3曲もライブ映えする曲で「Dream☆Story」では「とまらねぇぞー!」「ときのそらだよ!」「1・2の3!」、「フレーフレーLOVE」では「フレーフレフレフレー!」、「冴えない自分にラブソングを」では「👏👏👏👏(クラップ)」「らぶらぶらぶらぶらぶらぶあいうぉんちゅー」とたくさんの曲独自のコールがコメントされていた。そのコメントの流速と一体感はオンラインライブでも盛り上がりとつながりが実感できるかのようだった。

「フレーフレーLOVE」の間奏では「今日はパラレルタイム来てくれてありがとう!これからもあん肝も、そらとものみんなとも歩いていきたい!」と想いを叫ぶ場面では、また涙腺にグッと来てしまった。間奏に心に残る言葉を差し込むのが本当に上手い。

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ラスト曲の前のMCにてライブタイトル「パラレルタイム」の説明が入る。途中の演出にもあったように「昔のときのそら/今のときのそら」「昔のステージ/今のステージ」の対比がパラレル(並行世界)というわけだ。

また前日インタビューでは次のようにも語られていた。以下引用。

「タイム」は、「ときのそら」の「とき」から取っています。「パラレル」という言葉には、「パラレルワールド」とかの「並行世界」といったイメージがあったので、今の状況と似てるかなと思ったんです。いろいろなものが並行して動いているというか。リアルの世界ではできないけれど、オンラインでは観せられるものがあるというか。そういう並行した世界の時間を楽しもうみたいな……。

そしてラストの曲は「ON STAGE!」の最高の盛り上げ曲「空祭り」。「えいや!」や「よいしょ!」「それそれそれそれ!」「えーじゃないか!えーじゃないか!」などお祭り騒ぎさながらのコールがあったり、ステージ上では花火が咲いたりと、最後の曲で最大の盛り上がりを感じた。

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「ありがとうございました!」と締めの言葉を言い、画面は暗転。すぐにコメント欄は「アンコール!アンコール!」「 (๑╹ᆺ╹)ぬーんぬん!ぬーんぬん!」「いっかないで!いっかないで!」で埋め尽くされた。

4.アンコール

アンコール1曲目は「ON STAGE!」のリード曲「Step and Go!!」。この曲も「ぐるぐる・ラブストーリー」と同様に、アルバム発売前に公開されたShort ver.のMVのダンスをアレンジしたライブ向けの振り付けで歌われた。

この曲は曲名の通り、聴く人の背中を優しく押してくれる曲だ。今年は色んなライブやイベントが中止になり、出演者も観客もくじけそうになったことが多かったと思う。そんな何かのせいにしたくなった時に「時代(誰か)のせいにしたってつまらないよ」と奮い立たせてくれる曲だ。

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そして本当に最後の曲の前にMCで今の心境が語られる。

「全部受け取ったものは自分のためになる。だから悪いことなんてなく大丈夫だよ」ていう風に進んでいくことで、私はここまで来ました。

そう思ってここまで諦めずに進んでこれたのは応援してくれているそらとものみんなが「そらちゃん大丈夫だよ大丈夫だよ」と言ってくれていたりとか、周りのたくさんのスタッフさんが私のために、こんなに素敵なステージを作ってくれていて、そういう周りの人たちの助けがあって、そういうところが全部自分の中でプラスの形に働いているっていうか、すべての人がすごく自分にとって良いことをしてくれる、そういう環境に自分が今いるからだと思っています。

本当にいつもいつも応援してくれてありがとうございます。そしてスタッフさんたちもありがとうございます。

私はこれからも、そらともさんたちへの感謝の気持ち、そして一緒に歩いていきたいっていう大好きな気持ちを忘れずに、歩んでいきたいと思います。

前から言ってるんですけど「私の所に来たら癒される」とか「安心できるな」って思ってもらえるような人になっていきたいなと思っていますので、またライブがあった時には来て欲しいし、普段もこれからもみんな仲良くすごしていけたら良いなと思っています。

それでは次が本当に本当に最後の曲になります。みんなへの気持ちをしっかり込めて歌っていきたいと思います。

ときのそら2nd LIVE パラレルタイムを締めくくる曲は「ゆっくり走れば風は吹く」。ときのそらの歩んできた道、これからも歩いていく道を思わせる曲を最後まで大切に気持ちを込めて歌い上げる。

「ゆっくり走れば風は吹く」の原曲では間奏に最高にエモい仕掛けがあるのだが、今回は「本日はパラレルタイム来てくれありがとうございました。こんな素敵なステージでたくさん歌うことができて幸せです。これからも私はゆっくり走り続けます。なので、私ときのそら、そしてホロライブプロダクションを、VTuberをぜひよろしくお願いします!」という、ときのそららしい言葉が添えられた。

この場面で自分だけでなく、ホロライブプロダクションとVTuberをよろしくお願いします、と言える彼女の人柄が、多くの人に癒しを与え指示されるのだと私は思う。

最後に「本日は本当にありがとうございました!」と言った時の、この愛おしい笑顔が、今日が最高のライブだったことの証明で良さそうだ。

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5.まとめ

過去と今が交錯し未来へ続くタイトル通りのライブだったと思う。過去の思い出も全部抱えて未来へ歩いていきたいという気持ちを感じた。

演出やステージ面を見ても、複数の特設ステージや過去のときのそら、あん肝の登場、多種多様な背景映像や舞い散る星やハート、花火など、このライブのための膨大な準備がうかがえる。

またこのライブはオンラインライブだからこそ、ここまで感動し魅了されるライブになったと思う。リアル会場では物理的にできないであろうステージや演出があるからだ。今ときのそらができる最大限のオンラインライブを見ることができて私は幸せだ。

そして何より、このライブの内容はときのそら自身の3年間の歩みがなければできなかった。1年前のVeats Shibuyaでの1st LIVE Dream!があったから、そこに戻るという演出ができた。「ときのそら」だからこそできた最高のライブだったと私は思う。

これからも彼女の夢を応援していきたいと思える、最高の思い出をくれた、このライブに関わったすべての人に感謝を捧げたい。

ときのそら2nd LIVE パラレルタイムセットリス
1.ぐるぐる・ラブストーリー
2.ベノム
3.リア/リモシンパサイザー
4.ブルーベリームーン
5.海より深い空の下
6.コトバカゼ
7.未練レコード
8.夢色アスタリスク
9.青空のシンフォニー
10.Chu-Chu-Lu
11.好き、泣いちゃいそうだ
12.Wonderland
13.Shiny Smily Story
14.Dream☆Story
15.フレーフレーLOVE
16.冴えない自分にラブソングを
17.空祭り
アンコール
18.Step and Go!!
19.ゆっくり走れば風は吹く


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