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それぞれの夢の続き AZKi「afterglow」レビュー

afterglow:夕焼け、夕映え、余韻、残光、余光、名残

「afterglow」は決して前向きなだけの歌ではない。別れがあるのが人生だと、忘れていくことの儚さや切なさ、その痛みこそが生きている証なのだと言わんばかりだ。AZKiの綴る歌詞は、身を切るような痛みと、ほんのわずかな希望を、透明感のある歌声と繊細なギターの音色に乗せて私達の前にそっと差し出してくる。

「もう行かなくちゃいけない、永く遠い路の終わり」という別離の歌は、2022年7月24日に引退するはずだったルートαのAZKi自身との決別にも思える。今このタイミングでこの曲がリリースされることがどうしても運命的に感じてしまう。

2022年7月3日に行われた生誕祭ライブでのAZKiの言葉。「卒業することが本当は綺麗な終わりだったかもしれない、と何度も思ったことがありました」彼女はその弱さを隠さない。今そこにある悲しみにずっと向き合ってきたからではないだろうか、AZKiの歌が私達の心に響くのは。

清廉としたメロディと様々な情動を乗せた歌声で、己の生き様を歌い、歌に人生を見出した歌姫が、「もう行かなくちゃ」と新たな旅立ちのメッセージを歌っている。弱さは弱さのままで。自分は変わり続けることができるんだ、と。

あまりにも目まぐるしく変化した約4年間を歩んできたAZKiだからこそ歌えるこの曲を聴き終えた時、今のこの世界もそんなに悪いものではないと、私は思えた。

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