【マスカラ解説】リアルな処方開発の現場を詳しく解説します!
<動画の目次>
0:00オープニング
2:40 今日のメニュー
3:57 ウォータープルーフマスカラの処方構成
5:40 お湯落ちマスカラの処方構成
7:17 マスカラの評価が難しい理由
12:02 エンディング
こんにちは。みついだいすけです。
いつも化粧品の解説をしている私ですが、今回は私にしかできないオリジナルな内容を発信しようと思います。
題して、
「化粧品開発者が語る!メイク品の開発ここが難しいよ」
化粧品開発者の私が語る、
化粧品開発の現場で何が起きているか?
メイク用品の開発でいつも何に気をつけているか?
をお届けします!
今回はマスカラ編です!
普段からマスカラを使っている皆さん、どんな基準で製品を選んでいるでしょうか?
①カール力がある
②カールキープ力がある
③お湯で落とせる
など、いろいろなニーズがあるのではないでしょうか。
マスカラには、大きく分けて2種類の処方系(処方構成)があります。
①ウォータープルーフ
②お湯落ち
の2つですね。
それぞれメリットやデメリットがあるわけですが、口コミを見ていると、ウォータープルーフのマスカラの方が人気な傾向があります。
ウォータープルーフマスカラの処方構成
ウォータープルーフマスカラの最大の特徴は、カール力・カールキープ力が高いことです。
これは、水を配合しない処方構成が理由となっています。
全てワックスに溶ける成分で構成されています。
水を配合しないので毛髪がふやけないですし、また、皮膜成分もオイルに溶ける成分なので、外の湿気を跳ね返す強さがあるというわけです。
マスカラが水でふやけてしまってビューラーで上げたまつ毛が下がってくるということがなくなりますね。
ただし、メリットしかないかというと、そういうわけではありません。
デメリットもあります。
撥水する力があるということは、洗顔フォーム等ではまず落ちません。
クレンジングがどうしても必要になります。
しかも、クレンジングの中でも結構強めのクレンジングが必要です。
皮膜成分を多く使用するウォータープルーフマスカラは、マイルドオイルクレンジング等ではなかなか落ちてくれません。
ですので、ポイントメイクリムーバーといった、目元専用のリムーバーを使う必要があるんです。
わかります。面倒くさいですよね。まつ毛に負担がかかるから嫌だという方もいるでしょう。
それでも、夏場の海やプール、汗でも落ちないというのは大きなメリットだと思いますよ。
お湯落ちマスカラの処方構成
次はお湯落ちマスカラです。
ウォータープルーフマスカラとは違い、お湯で濡らしたときに落ちます。
これは全て皮膜成分に起因していて、お湯落ちマスカラに配合されている皮膜成分は水でふやけるものを使っています。
もちろん、空気中の湿気や汗でもふやけてしまうので、カール力を落としてしまいます。
こういうわけで、カールキープ力の高いお湯落ちマスカラがなかなか存在しないんです。
カール力・カールキープ力はウォータープルーフマスカラに劣りますが、強いクレンジングが必要なく、目元に負担をかけない点は最大のメリットでしょう。
マスカラの開発が難しい理由
こんなマスカラですが、
「カール力を上げるには?」「落としやすくするには?」
を日々研究しているのが私たち化粧品開発者です。
中でも、化粧品開発者が最もポイントとしているのはカール力です。
ユーザーのニーズはここに一番集まります。
言ってしまえば、カール力さえあれば売れるといっても過言ではないのです。
ただ、化粧品開発者側からすると、マスカラの開発って難しいんです。
というのも、作ったものを評価することが非常に難しい!!
単に「まつ毛上がればOK👍」とは言えない理由があります。
<まつ毛の付き方、生え方が人によって違う>
まつ毛の付き方、生え方は人によって全然違うことが問題です。
まつ毛が長い/短い、本数が多い/少ない、生え方が上向き/下向き、さらには目の形がくっきり二重/奥二重/一重、また毛のコシなど、本当に千差万別です。
<ビューラーの使い方が人によって違う>
さらには、マスカラを塗る前のビューラー。ビューラーでしっかり上げる人や、緩めに上げる人、もしくはビューラーを使わない人もいます。
自分で開発していても、「これはいいぞ!」という試作品は他の人からは不評だったり、「微妙だな」という試作品でもものすごい好評だったりがたくさんあります。
評価が人によって非常にばらつくことが、マスカラ開発における難しさ
の要因なのです。
<マスカラの塗り方が人によって違う>
また、塗り方が人によって違うことも評価がばらつく原因ですね。
スッと塗るとか、ジグザグに塗るとかさまざまな人がいますので、作っている製品に一定の評価を下すことができません。
<マスカラは中身にそんなに差がない!?>
さらに挙げるならば、マスカラは中身にそんなに大きな差はないということもあります。
(ちょっと波紋を呼びそうな内容ですが…)
例えば、あるメーカーさんの容器に自分の作ったマスカラ液を充填して使ってもらうととても評価が上がるなんてこともあり、容器による要因やブラシによる要因が大きいことがわかります。
容器から出すときのブラシのしごき方やブラシの毛の密度などが違えば、同じマスカラ液でも結果が大きく変わってくることは容易に想像できるかと思います。
実際、メーカーごとに特徴あるマスカラブラシを使っていることを考えれば、マスカラ液には中身にそんなに差がないのではと考えることもできますよね。
私自身はパッケージ(ブラシ等)よりも中身を作ることが得意なのですが、容器要因が大きいマスカラは、開発がとっても難しいのです。
いかがでしょうか。
普段消費者としてはマスカラの開発の大変さを意識することはないと思いますが、今回は化粧品開発者目線でお伝えしてきました。
今後も、アイライナーやアイブロウ、ファンデーション、化粧下地、日焼け止め、リップなど、各アイテムごとの難しさや、どういうポイントを見て研究開発しているのかを皆さんにお伝えできればと思っています。
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