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This is startup - 「弱虫ペダル(真波山岳)」~生きてるって感じ~


はじめに

人事責任者を終えて知財だけの世界に戻ったと思った矢先、僕の名刺にはなぜか、「知財部長」の肩書が消えて「広報部長」の肩書が記されている。

知財にだってやることは山積しているのだが、どんどんボールが飛んでくる。

とにかく必死であがく毎日。
思考停止に陥りそうなときもある。
でも、「これが仕事だから」と思って乗り越える。

これの繰り返しだ。
こうやって言語化してみて気づいたのは、そもそも停止させる思考をしていないのではないか、ということだった。

そうか、人生って思考しないことなのかもしれない。

弱虫ペダルとは

「弱虫ペダル」は、高校の自転車部(ロードバイク)を舞台にしたスポーツマンガである。
僕は、コミックではなくアニメで履修した。

コロナになってからロードバイクを買った。
毎週のように乗っているわけではないが、友人に誘われてサイクリング(80km - 100km)を嗜んでいる。

サイクリストの端くれとして「弱虫ペダル」を視聴した。
涙腺を刺激するシーンが幾つもあった。

前提知識(弱虫ペダル)

登場人物

総北高校

  • 金城真護(金城しんご)…オールラウンダー

    • 総北高校自転車競技部のキャプテン。的確な状況判断力、平地も登りも高いレベルでこなす総合力、そして逆境にも屈しない強靭なメンタリティを持つ。チーム全員の想いをゴールまで届けることを信条とし、チームメイトからの信頼も厚い、総北の大黒柱。

金城真護
【出典】テレビ東京アニメ公式サイト:あにてれ
  • 小野田坂道(おのださかみち)…クライマー

    • フィギュアやアニメが大好きで、秋葉原通いが日課のオタク少年。ママチャリでのアキバ通いで無意識のうちに鍛えられた高回転(ハイケイデンス)のペダリングを持ち、今泉や鳴子との出会いを経て、自転車競技(ロードレース)への挑戦を決意する。

小野田坂道
【出典】テレビ東京アニメ公式サイト:あにてれ

箱根学園(高校自転車界の絶対王者)

  • 福富寿一(ふくとみじゅいち)…オールラウンダー

    • 王者箱根学園の絶対的エースであり主将。スプリント、ヒルクライム共に弱点のない力強い走りを見せるオールラウンダー。勝利のために厳しいオーダーをチームメイトに課すが、その信頼関係は厚い。総北のキャプテン・金城とはある因縁を持つらしいが……。

福富寿一
【出典】テレビ東京アニメ公式サイト:あにてれ
  • 真波山岳(まなみさんがく)…クライマー

    • “山岳”の名を持つとおり、登坂での走りに喜びを感じるクライマー。普段はマイペースでどこか抜けている印象があり、練習での走りも目立つところはないが、いざ本気のレースとなると凄まじい集中力とスピードで駆け抜ける。この記事の主役

真波山岳
【出典】テレビ東京アニメ公式サイト:あにてれ

インターハイ最終日

インターハイ最終日。
ゴール手前の最終決戦は、坂道(総北高校)と真波(箱根学園)の2人に絞られた。

デッドヒートを繰り広げる坂道と真波。
真波は、自身を追い込むように、登り坂にもかかわらず、疲れた体に鞭を打ってギアを重くする、そしてどんどん加速する。

生きてるって感じ

真波は、自身を追い込む姿を坂道に言葉で伝える。

「わかるだろ 勝負も チャンスも 人の生も」
”次”なんてないんだ!!」
だから全力でやるんだ」
「自分が本当に生きてるって感情が!!」

真波の生き様をストレートに表す描写だ。

This is startup

スタートアップには、ランウェイ(資金枯渇までの残り時間)がある。
「ランウェイを見ながら仕事をしている」と言った方が正確だろうか。

ランウェイが残っている間に自分がやるべきことを全てやる

これが、ポジションに関わらず、全てのスタートアップ社員が持つべきマインドセットの一丁目一番地だと思う。

時には、迷いや不安が襲うときだってある。
そこでの論点は、「止まる or 進む」の二択だ。

時間が限られているので、迷いや不安に対して一瞬で答えを出さなければいけない。

止まる or 進む。

スタートアップの世界で抗い続けている僕は、「止まりたい」と思ったことは何度もあるが、「止まる」を選んだことが一度もないことになるのだろう。

未経験の仕事もたくさん降ってくるし、成果が見えにくい仕事もたくさんある。
どんどん忙しくなり、どんどん時間がなくなる。

そう、考える時間すらなくなる

いま目の前の、自分が確かに「やるべきだ」と思うことに全力アタックする。

考える時間がないので、思考せずに反応で対処することが増えてくる。
最近、「必死」とはこういう状態なんだと思うようになった。

そのとき自分を支える言葉が真波の「生きてるって感じ」という言葉だ。

スタートアップで生きる、とはこういうことだ。
余計なことを考える時間も、自分のキャリアを考える時間もない。

「生きてるって感じ」にだけアンテナを張っていると、つまらないことを考えなくなったように思う。

つまらないことを考える暇がなくなったように思う。

まとめ

一周り以上も年下の若者と「弱虫ペダル」の話になった。

「弱虫ペダル」には、勇気づけられる言葉やシーンがたくさんある。
他にも紹介したいキャラクタや言葉はあったのだが、今の僕の心境を語ってくれているのは真波山岳だった。

結局、真波は坂道に敗れる。
そして、失意に落ちる。
それでも、真波は、成長を続ける。

「生きてるって感じ」への執着がそうさせたのだろう。

スタートアップも、ランウェイを延ばせば、止まることなく成長を続ける。
そのためには、ランウェイのあるうちに、スタートアップで生きる人がスタートアップで生きることに執着することが必要条件だと思う。

僕のランウェイがどれだけ残っているのかはわからない。
ただ、明日もスタートアップで生きることは確定している。

だって、その方が「生きてるって感じ」がするから。

ペダルを踏め。
もっと回せ。
ケイデンスを上げろ。

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