台風の日、目黒区洪水ハザードマップのミラーサイトを作った話
まずは、2019年台風19号の被害でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害を被られた方、今なお避難所でお過ごしの方に心よりお見舞いを申し上げます。
1日も早く通常の生活に戻られることをお祈りします。
今回の台風に伴い、行政の情報インフラがあまりにも脆弱なのを痛感し、洪水ハザードマップのミラーサイトを作りました。
これから雨は少なくなっていくかとは思いますが、また水害はいずれ必ずやってきます。
是非お気に入りに入れていただけると幸いです。
各市町村ごとにPDFファイルをまとめています。
今の所東京都と神奈川県の一部ですが、エリアを広げていきます。
目黒区の町域単位でハザードマップの画像ファイルをアップしています。
目黒区役所のサイトがつながらない!ハザードマップが見れない!
10月12日の朝のこと、東京に台風が差し掛かり、徐々に風雨が強くなります。近くの目黒川が氾濫しそう!というニュースを聞き、Twitterを眺めていたところ「ハザードマップが見れない!」という声が散見されました。
この他多数…
確かに目黒区役所のサイトは当時接続不可状態。
夕方、暗くなってからようやく簡易的なサイトに切り替わりました。
他の市区でもサイトが開かない、重いという事態が発生していた模様です。
それもそのはず、東京都とその市区のサイトが稼働するサーバは、一部が同じデータセンター、上位回線に接続されているもようです。それでは回線が輻輳してしまって重くなってしまいます。
東京都 -> 27.110.42.248
目黒区 -> 27.110.42.207
新宿区 -> 27.110.42.226
世田谷区 -> 27.110.42.211
中央区 -> 27.110.42.231
杉並区 -> 27.110.42.199
中野区 -> 27.110.42.200
その他、IIJGIO使用の区が複数、練馬区はstream.ne.jpのCDNを使用していました。(素晴らしい!)
重要な情報ソースである区や区議の公式Twitterがグダグダでした。
目黒区広報課のTwitterを見ても、現状を報告するのが精一杯のようでツッコミどころ満載…
いちいちサイトを開け、電話しろと仰るようです。
抽象的な表現にとどまり、具体的にどこだったらどう行動したらいいか、といった情報はなく、防災行政無線も雨風の音にかき消され、電話もサイトもつながらず、リプライ欄は目黒区民の皆様からのクレームの羅列です…。
そこで、ハザードマップアップしたでー!とドヤ顔で登場された目黒区議の皆様…
平成17年版! もう令和ですよね?!
首都高の大橋JCTも、中央環状線もまだ建設中で地図には織り込まれていない時代です。当然情報としては使えません。貴重なものが拝見できましたね!
新しいですが解像度低いです。拡大しても文字が潰れてほぼ読めません。
こちらの方はこまめに情報発信されていました。これだけ読めたら十分です。
他の議員の方もさまざまで、
率先して現場に出向いて実況写真をアップされている方、マスコミベースの情報をRTされる方、ご自身の経験を踏まえてアドバイスをくださる方、「巡回しました!」だけの方、一言もツイートしていない方…
さらに区長はそもそもTwitterのアカウントすらありません。
…と情報ソースとしていちばん信頼されなくてはならない「行政」から出てくるものはとても微妙、非力なのを痛感しました。(少なくとも目黒区は)
急遽、ハザードマップを紙からスキャンして公開しました。
春先に全戸配布された紙ベースのものが手元にありました。
投函されてもチラシと勘違いして捨てちゃったり、しまったままの方も多いでしょう。
あいにく油断していてPDFが手元になかったので、これをスキャンして公開することにしました。
町域別に取り込んでいって…トリミングとリサイズを繰り返しました。
スキャンした画像をJPGに変換して、ざざっとBootstrap4でHTMLを組んで、
AWSにS3のバケット作って、CloudFrontの設定して、サブドメイン取って、と手順を踏んで4時間ほどで公開しました。
サーバレス&CDNなので、AWSのデータセンターが全滅するとか、そういったことがない限り、災害にも強く、キャッシュされた近くのサーバから配信されるので、サクサクと見る事ができます。(PDFは後日追加しました)。
ランニングコストは2サイト合わせても月に2-3円程度なので、死なない限り公開します。
可能な限り区役所側での更新にも追随していきます。
目黒区にお住まいや勤務されている方は是非ご活用いただければ幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?