自分だけの「切り取り」方
何回か同じ会場で同じ団体で同じような席で興行を見てると、どうしても同じような写真を量産してしまいがちになってくる。もちろん、組まれるカードも違うし、臨場感溢れる空気感はその瞬間にしか生まれないものではあるのだけれども。あくまで写真を撮るというスタンスで、という意味で。
何年か撮影してると、成功ショットを撮る…のではなく、経験が積まれていき、失敗しないように撮るっていう安牌な考え方に寄りがちになってしまう。もちろん、それが悪いって言っているわけじゃなくて、要するに自分の中でメリハリをつけたいって思ったりもする時もあるんですよ。
工夫の方法
席を選べる状況であれば、敢えて普段座りがちなところから離れてみる。
これに関しては手持ちのレンズの焦点距離との兼ね合いもあるので、そのカバーできる範囲内で。方角なんかも変えてみると面白いかも。
焦点距離縛りプレイ
何回かズームレンズで撮影をしていると、この辺の焦点距離で待ち構えて動きに合わせてズームしたり引いたりしようっていう「間合い」があるじゃないですか。それを逆手に取り、前側の席で敢えて望遠レンズで撮影してみたり。当然広角側では当然全身は入らないので、バストアップ(胸から頭部にかけて)をぶち抜いてみたり。
望遠じゃなくて、ズームが出来ない単焦点レンズでファインダーに入り込んだ瞬間を狙ってみたり。
とまぁこの辺までは事前準備で選択できる、切り取り方の変化。
瞬間の切り取り方に変化をつけてみる
プロレスという催し物はリズムがあって、口で説明が追い付かないまでも、何回か見ていると、次の動きが予測しやすいというのが特徴。
ここで「切り取り方」っていう意味は、トリミング(余分なところを切り落とす、カットする)っていう意味ではなく、タイミングや瞬間の「切り取り方」という意味。
定番なのが
入場時、勝負を決した時、ポージング、そして技を繰り広げた時。喜怒哀楽の感情が出ている選手の表情。などなど。
それ以外でどこでシャッターを切るか。
極論でいえば、最初から最後までシャッターを切り続けてもいいんだけど、それはやっぱり違うかなと。そんなに撮り続けたら膨大な数の写真数になってしまい、当然データも圧迫するし、何よりも撮った写真を選別するのも難しくなるし。現実的じゃない。
ぶっちゃけて言ってしまうと、切り取り方っていうのは、機材やレンズで決まるわけではなく、その人のセンス。これに尽きるかと。しかし、それで片づけてしまうのはあまりにも勿体ない。
じゃあ上記以外で、意識してシャッターを切る瞬間はどんな時かって考えた時。例えば、
ロープに走っているとき
選手同士が正対しているとき
フォール時(押さえ込むとき、跳ね返したとき、跳ね返されたとき)
顔は見えずとも雄弁な背中。
会場の雰囲気がわかる俯瞰ショット。
個人的にイチオシなのが、意外とベタなんですけど、
立ち上がる時。
投げ技でもフォール返す時でもいいんだけど、やっぱりどんなプロレスラーもそうだけど、一番かっこいいと思う瞬間はここなんです。苦しい、痛い、辛い時に最後まで立ち上がり続ける姿。そこにズーミング(寄って)撮る。
ほかにも人それぞれこだわりの瞬間ってあると思うんですよ。人間ドラマがそこにあるわけだし。
結論
当日券でさえ、チケットを手にした瞬間から、ここからなら、こういうショット狙えるかも…っていう予測や目測は立てられるじゃないですか。目に映るもの全て撮るのももちろんいいんですけれど、狙いを1つ2つ持って観戦するのも楽しいかも…というお話でした。
要するに立ち上がる瞬間って美しいよねって一言いいたかっただけなんだけど、それっぽいことをダラダラ書いてみました。
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