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麻雀は強いやつが勝つんじゃなくて弱いやつが負けるゲームという話

麻雀を初めてはや10年。随分長いこと麻雀というゲームに入り浸っている筆者であります。

最近ふと、麻雀ってどうしたら効率よく勝てるようになるんだろうか、と考えました。

自分なりに考えて出した結論は、

「ファインプレーを増やす努力をするよりもボーンヘッドを減らす努力をしたほうが安定して勝てるのでは?」

ということです。

ぶっちゃけ中級者くらい(天鳳なら特上、雀魂なら雀豪~雀聖2くらい?)は、強者でも意見が分かれる何切るとか、鳴き読みをあれこれ勉強するよりも、基本の牌効率がミスなくできているか、押し引きでヌル打牌をしていないかを気にするほうが大事じゃないかなぁと思います。(俺?できてないが?)

つまり”ヌルい”打牌=A級ミスを減らすようにすれば結果的に成績は安定するんじゃないか、と。

そう考えると、麻雀ってゲームは強い人が勝つんじゃなくて、弱いやつが負けるゲームだなぁと思うわけです。

麻雀は敗者のゲーム~雑魚は勝手に自滅する?

今回の記事を書くきっかけになったのが麻雀ライターでおなじみの福地センセイの昔のブログを読んだことです。

この中で紹介された記事に注目しました。

エントリ内で紹介されている記事がこちら↓

リンク先の内容を抜粋します。

プロのテニスでは、ポイントの80%は勝ち取ったものだ。アマチュアのテニスでは、ポイントの80%が失ったものなのである。言い換えれば、プロのテニスは「勝者のゲーム」であり、結果は勝者のアクションで決まる。アマチュアのテニスは「敗者のゲーム」で、結果は敗者のアクションで決まるのだ。この2つのゲームは(根本的な性格から言って)まったく異なる。まさに正反対だ。

麻雀に置き換えたら、

「強者(プロ)同士の戦いだと点棒の8割はベストな判断をして、自力で稼いだもの。弱者同士の戦いだと点棒の8割は和了逃したり、押し引きをミスって失点した結果、失ったものである。」

というわけです。

点棒を稼いだ(トップを取った)んじゃなくて、相手がヌルい選択をして勝手に相手が自滅した(ラスを引いた)、ってな感じですね。打牌ミスが多いやつほど負けるゲームだと。

中級者が多い(=レベル差が激しい)、天鳳なら特上、雀魂なら玉の間にいる雀豪の人たちはより敗者のゲームの性質が強くなると思います。

鳳凰卓のような卓内のレベルが高水準の場であればミスしないのが前提、その上で相手に勝つ必要があるので高度な鳴き読みなどあらゆる知識が必要になります。

ですが特上卓のような中級者が集まる卓だとミスをするプレイヤーも比較的多くなります。その場合、基本は牌効率どおりに打って、よほど変な押し引きをしない限りは負けることは無いです。
トップを取るのは運も絡みますが、ラスにならないように立ち回るのはある程度技術でどうにかなります(もちろんラスにならないかどうかも運ですが)。

上級者の人が口を揃えて「特上から上に行きたいなら基礎を徹底してたら勝手に昇段するよ」というのもあながち間違いではないです。

そう考えると、天鳳や雀魂のラス回避ゲーって敗者のゲームの性質が限りなく強いですよね。

短期では運とかでブレ幅でどんだけ普通に打ってもラスを引くことはありますが、長期で見るとミスが多い=点数を失ってる人がラスを引いてポイントを失い、結果後段するというわけですね。

ホント、よくできたルールだよ(´;ω;`)

「強い人かはすぐにはわからないが、弱いやつかは一瞬でわかる」

というコメントを耳にしたのは、とある鉄強(天鳳四麻鳳凰卓、フリーメンバーで純黒)の方と食事をしていたときです。今回の内容にも絡むと思ったので紹介したいと思います。

曰く、「強い人がどれだけ強いかどうかは数十半荘ほど、時間をかけて同卓したり後ろで見てないとわからない。でも弱いかどうかは数半荘ほど打てばだいたいわかる」とのこと。

この話を聞いて、あ~なるほどなぁ~と納得しました。

Mリーグの中でも上位陣にいるプロしかり、天鳳位しかり、全員強いけど、強さのスタイルは全然違います。

多井プロは圧倒的な対応力で、堀プロは徹底したロジカル思考で、沢崎プロは自身の経験から。

天鳳位を見ても独歩氏は攻撃型ですが、マーク2氏は真逆の守備型です。スタイルが全然違います。

このように強者には強者なりのスタイルがあるので一概にこうだから強い、とは言えません。その人がどんなスタイルで、どんな勝ち方をしているかはある程度観察する時間が必要ですね。

でも弱い奴はたいてい何かしらのミス(損をする選択)をしている、うまい人が見ると相手がミスっているかどうかがすぐに分かる。

ポーカー用語で「フィッシュ」という言葉があります。日本語に訳すと「カモ」、あのカモネギのカモという意味です。

熟練のポーカープレイヤーなら相手がフィッシュかどうかはすぐに分かります。

フィッシュと呼ばれる”下手くそ”は無理に攻めなくてもいいのに積極的に攻めたり、その逆でいい手なのにオリたり、うまく行かないと切れ打ちしたり(すぐにティルトする)…

これって麻雀にも当てはまりますよね。…つまりそういうことです。相手が強いんじゃなくて、自分が弱いから負けている(カモられる)と。

つくづく麻雀は敗者のゲームなんだなぁ、と思い知らせるエピソードでした。

「麻雀はA級ミス率がすべて」

もう一つ福地センセイのエントリを紹介します。

(もう11年前のエントリですね。ちょうど麻雀を始めたのもこのことです。昔は福地センセイのブログばっかり読んでました)

ざっと記事をまとめると、「麻雀の成績はミスの重さとミスの回数で決まる」ということです。

ミスの種類をまとめると…

  • 成績に直結するミスをA級ミス、一向聴の牌効率や聴牌時の押し引きとか、点数に直接影響するミスですね。(エントリ内でも福地センセイが言及されています)

  • そこまで致命的でないミスをB級ミス、2向聴時の牌効率や鳴き、あとはドラの見逃しとかですね。

  • 小さいミスをC級ミス、序盤の打牌などあまり成績に直結しないミスですね。

先程の敗者のゲームとエピソードと照らし合わせると筋が通っていると思いませんか?

今までの話をまとめると、特上卓でなかなか上に行けない人はいわゆるA級ミスをたくさん犯しているから勝てないというわけです。敗者のゲーム風に言うと相手が強いから負けるんじゃなくて、自分が弱いから負けているわけです。キッツー。

言い換えると変なことはせずにいかに当たり前のことを当たり前にできるかが成績を安定させる鍵だと思います。平和ドラ1、カンチャンドラ1は基本即リー。一向聴で先制されたら基本オリ、みたいな感じ。

…それができれば苦労しないよ!って話なんですけどね…

麻雀は減点式の試験問題

麻雀を試験問題に例えたとしたら減点式の選択肢メインの問題を解くようなものです。

とある局面(何切る)があったとして、切る牌の選択肢が4つあるとします。そうすると・・・

A:-1(C級ミス
B:+1(ファインプレー=正解)
C:-4(B級ミス)
D:-10(A級ミス)

みたいな感じの配点になってるんじゃないかなと。

序盤の手組みほどマイナスになる選択肢が少なくて、聴牌に近づく、先制リーチが入るとマイナスになる選択肢が増える。

たまに選択肢の中に加点できるものがあったり、ボーナス問題で点数がもらえたり(つまり運)。

選択肢なのでわからなくてもたまたま正解の選択肢を選べたり(これも運、ビギナーズラックとも言う)…

これをひらすら繰り返して、点数が一番低いやつがラスになる、そういうゲームなんだと思います。

上手い人や上級レベルの卓になるとプラスになる選択肢を選んだり、逆にマイナスがでかい選択肢を選ぶ確率が減るのでより強い成績が出せる。

一方中級者はマイナスがでかい=A級ミスを選びがちになる…みたいなイメージですね。

なので中級者の内はプラスになる選択肢を選ぶ努力をするよりマイナスがでかい選択肢を選ばないようにすれば成績も安定するはずです。

鳴き読みとか何切るを勉強するより基本の牌効率や押し引きは出来てますか?

自戒も含めて、中級者にありがちなのが無駄に知識を詰め込もうとしちゃうんですよね。戦術本を読んでるのに勝てないって言うのがまさにそれ。

Twitterを見てると、難しい何切るを必死に解いたりして麻雀の正解を求めようとしている人がいます。

テストで例えるなら、中級者の人って正答率10%の難問を正解するためにあれこれ知識をつけて努力しているイメージです。

たしかにどんな選択でも正しい打牌ができるようになれば強くなるんですけど、それができるのはほんの一握りの雀士がAIくらいです。

そりゃぁ麻雀プロだとAリーガー、天鳳9段10段でもっと上を目指すなら麻雀オタクになって期待値が~みたいにどんな問題でも正解して限りなく100点に近づける必要があります。

ですがある程度、特に中級者が上に進むなら難問含めて全部正解を求めようとしても無理があります。
それなら正答率80%の問題を100%解けるように~成績に直結するA級ミスをしないように~努力して、常に7~8割の点数を取れるようにしたほうが効率がいいですよね。

中級者に必要なコンテンツは敗者の一打をまとめた本

近年良質な戦術本がたくさん出ていますが、個人的には「こうすれば勝てる」みたいな内容よりも「こんな打ち方をしてたら勝てないよ(負けるよ)」みたいなコンテンツがあってもいいんじゃないかな、と思います。

強者はこうやって打つ、って本はたくさんありますけど、その逆、弱い人はこう打ってるよ、っていう内容をまとめるだけでも中級者の人たちには効率的に強くなれるコンテンツになりえると思います。

A級ミスの数で成績が決まるのであれば、どんなA級ミスがあるのか、ミスをしないためにどうすべきか、みたいな感じの内容があると中級者も勉強になります。

こういう打ち方がA級ミスだよ、こう打ってると一生勝てないよ、みたいな本があると面白そうです。反面教師にして、こうやって考えたらA級ミスは減らせるようになる、という戦術本、どうでしょうか?


ミスを減らすように!こんなことしてたら負けるよ!なんて内容、夢もへったくりもないので読む気が失せそうですがw
でも真剣に勝ちたい中級者はしっかり読むんじゃないかなと思います。だって勝ちたいんだもん。

というわけで「麻雀は強いやつが勝つんじゃなくて弱いやつが負けるゲームという話」でした。

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」

ってやつですね。

自分も長く麻雀をやってますが一向に上手になりません。多分自分で気づかないようなA級ミスをやらかしてるんだろうなと思います。

中級者の方でもっと上を目指したい!という人はどうやったら負けないようになるか?という視点で見直してみるのもありだと思います。牌譜検討する際にも役立ててみてください。


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