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孤独なオービット : 妄想ショートショート 062

孤独なオービット

宇宙の遥か彼方、地球からの連絡もまれになった宇宙ステーション「デルタ・ソリチュード」で、天文学者のユウジは孤独な日々を送っていた。彼の唯一の相棒は、古くなったロボットアシスタントのイクスだった。イクスはかつては優秀なアシスタントだったが、年月と共に機能が衰え、時にはユウジを困らせることもあった。

ユウジは、地球との通信が途絶えがちになり、彼の研究の意義に疑問を感じ始めていた。孤独と隔絶感は彼を次第に圧倒し、彼は自分が宇宙のどこかで忘れられているのではないかと感じるようになった。

ある夜、イクスが故障し、ユウジは一人で修理を試みたが、彼はロボットの複雑なシステムに翻弄される。孤独と絶望感は彼をより深い闇へと引きずり込んだ。

ユウジは、イクスを通じて、かつての自分と同じように希望に満ちていた時代を思い出す。しかし、今やイクスも彼も、時間と運命に翻弄され、ただ遠い宇宙で役目を果たす存在にすぎなかった。

孤独なオービット。彼らの存在は、遠い宇宙の中で無意味なものとなり、彼らはただ静かに時を過ごすだけだった。

———————Human min. - Robot min. - Distopia

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