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【9枚目】Radiohead『The Bends』

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Radioheadの2枚目のアルバム『The Bends』(1995)

オタクが大好きなバンドRadioheadの2枚目です。おそらくRadioheadが最後に出した”普通”のギターロックのアルバム。このアルバム以降、前衛的でとっつきにくい作品を生み出していきます。最新作『A Moon Shaped Pool』とかは宗教の域に達していると思う。

Radioheadの音楽を説明するのは難しいですが、「陰気」な音楽というイメージが強いですね。ジャンルはポストパンクやオルタナティヴ・ロックの大枠に、ポストロック、電子音楽等の要素をぶち込んだ闇鍋みたいな?
※影響元のバンドは「Joy Division」、「Magazine」、「Talking Heads」などなど
rockin'onに書いてあった映画『ファイト・クラブ』のような不安感と希望を持ったバンドって言葉が好きです。(Radioheadは『ファイト・クラブ』への音楽提供を断ったっていうトリビアがあるみたいですね)日本人の決して明るいとは言えない国民性に刺さるのかもしれない。

『The Bends』は個人的に1st『Pablo Honey』の上位互換みたいなアルバムだと思います。『Pablo Honey』も良い曲はあるけど、やっぱり名曲「Creep」のためのアルバムというイメージ。
「Creep」は根暗のテーマソングみたいな曲ですね。歌詞の「"but I'm a Creep"(でも、俺はウジ虫だ)」の精神に共感してしまう。
※OASISのノエル・ギャラガーの「最終的にみんなが聴きたいのは“Creep”なんだよ」って発言が的を得ていて笑える。

Radioheadが進化する前のアルバムみたいな評価もありますが、このアルバムで既に完成していると思いますね。『The Bends』が最高傑作に上げられることも多いし。ギターロックにどこか悲しげなトム・ヨークの声が乗って感傷的になれる作品。陰鬱な感じは少なくて聞きやすい。病んだ雰囲気はあるけど曲に救いのようなものを感じる。

【収録曲】

1.Planet Telex
イントロが始まりを予感させる。浮遊感。シューゲイザーの要素も感じる。ギターの厚みのある歪みが心地いい。トム・ヨークの悲痛な歌い方が沁みる。

2.The Bends
ギターロック。Radioheadの青さを感じられる。特にサビ前のガガガガってとこ。後半が爽快感ある。

3.High and Dry
極上のバラード。シンプルな構成なだけに曲のパワー、魅力を強く感じる。感傷的。トム・ヨークの高音の声が澄んでいて綺麗、声の良さを再確認できる。アウトロのギターの旋律がとどめを刺しに来る。(トム・ヨーク自体はこの曲が好きじゃないらしい...ライブでやってほしい)

4.Fake Plastic Trees
「High and Dry」の余韻が続いてスッと入ってくる穏やかな曲。ストリングスがいい。感情の波、切り替え。曲の終わり方が綺麗。

5.Bones
割とポップでユニークな曲。歌い方が投げやりな感じ。サビの裏のコーラスが地味に好き。

6.(Nice Dream)
Radioheadっぽい。『OK Computer』とかに入ってそうな冷たさ、美しさのある曲。2:30~の衝動的で緊迫感のある展開が好き。後半にクジラの鳴き声が使われているらしい。不思議というか未知な感じがあって良い。

7.Just
クッソかっこいい。wikiに書いてあったんですけどギターが主役の曲ですね、要所要所にギターのアクセントがある。サビのギターのギャリギャリした感じとか、2:30~のブレイクがあってからギターが悲鳴上げているみたいなスリリングな音も最高。プログレの要素あり。(King Crimsonの「Red」に似てる)

8.My Iron Lung
印象に残るイントロ、ギターの不思議な音がかわいい。グランジの要素あり。中盤からの荒々しい歪んだギターがかっこいい。外れてしまいそうなギリギリな感じ。

9.Bullet Proof..I Wish I Was
メランコリック。儚げで終末みたいな美しさがありますね。サビで光が指している感じ。祈ってるよう。アコギが効果的だと思う。地味だけど個人的にかなりこの曲好きです。

10.Black Star
曲の始まりかたが好き。OASIS、UKロックの感じあり?明るめな曲。聞き心地がいい、スルッと聴ける。サビが重たい感じ。ギターの音がキラキラしてる。

11.Sulk
音が渦巻いている感じ。これも明るめ、悲壮感はあまりない。後半の転調からが特に好き。この曲だけトムヨークの歌い方に少し違和感がある。ハリがあるというか、U2の影響?

12.Street Spirit (Fade Out)
この曲は聞いていてヒリヒリするというか良い意味でしんどい。アルペジオが暗さや緊張感を助長していると思う。アルバムの最後の曲として沈んでいくけど希望を感じる曲。

※Radioheadは好きでオリジナルアルバムを一通り聞きました。作品ごとにテーマが違うんで好みが別れますね。個人的なランキングはこんな感じ。(気分、体調により順位は変動します)『OK Computer』、『Kid A』も備忘録としてそのうち記事に残しておきたい。

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