ライブの配信について最近考えました。

実はライブの配信についてはあまり、燃えてなかった。
これってやっぱり、自分の体験から抜け出せないって事なんだろうか。

そんな事いってる場合でもないし、そういう時代でもないんだけどな。
でもなんかためらう。
なんてグズグズ悩んでいるのはどうしてだろう、一体なにに引っかかっているんだろうと思っていたら、ついこの前こんな記事読んじゃった。

みんなといつ再び安全に、肩をぶつけ合いながら、声を張り上げて歌い、心臓をバクバクさせながら、体を動かし、魂を生命力で炸裂させられるようになるのか、分からない。だけど俺に絶対に分かっていることは、再びみんなでそれをやるということ。なぜなら、やらないわけにはいかないから。それ以外の選択肢はないんだ。

夜中に読んでて泣いちゃったよ。ああ、こいう事なんだなあって。
自分としては、肩をぶつけあってライブ見たことはここ30年くらいないけどさ。それはそれぞれの楽しみ方で、棒立ちでも無言でもなんでも、感じてることは一緒なんだと思う。

これ読んでいろいろ考えて吹っ切れた。本当にありがたい。

音楽配信はライブに行けないことの代替品かもしれない。
ライブは最高の体験のひとつだけど、配信ならではの魅力を探していくことが、今、重要なんじゃないかって、ちと逆説的ではあるんだけど、そんな思いを強くしました。
それは、このくらいライブってもんが必要なんだって言い切れる自信があるんなら、お前も配信の事、もっとよく考えろと自分に言ってるんですけど。

コロナ抜きにして「ライブハウスに行きたいけど、諸所の事情で行けないんだ」そんな声も昔から多かった。そんな人の為にも役立つ。

発泡酒とか第三のビールって呼ばれるものがあって、ビールの代用品だと思ってた。
嫁の母、おばあちゃんがお酒飲む人なんで母の日に毎年ビール送ってたんだ。母の日だからって少し気張ってエビスビール。ところが数年前から、発泡酒にしてくれってリクエストが来た。あらま、エビスは濃かったかと軽めのビール送ったら、やっぱり飲みづらいという。おばあちゃん、自分がいつも買ってる味に慣れたんだな。それがおいしかったんだな。二度手間だから、いわれたとおり発泡酒送れって、嫁に怒られた。もう代用品じゃないんだなって思った。

なぞの例えに足元をすくわれて横道それて、何言ってるのかわかりにくくなるのが、一つの特徴です。

配信には配信の魅力があり、配信の魅力を生かしたことをやってく、そしてライブもさらに力強くやってくってことがやるべき事なんだなって、改て思いました。必ず、ライブやれるって確信があれば、そう考えられるんだなって。

ご存知の様に、無料の配信の仕組みには様々なのもがあります。バンドだとyoutubeとLINE LIVE が有力ですね。すごく身近なプラットフォームだから気軽に見ることができるので、人が集まりやすい。

有料のライブ配信はここに来て、サービスがたくさん出来た。こういうサービスあるんです、始めましたってプレゼンが多すぎて、全部の会社の人にあうのは、時間が足りないくらい。「ありがたいけど、このタイミングで一気にプレゼンありすぎじゃない?」みたいな愚痴はマネージャー仲間では多くなった。

ZAIKOのサービスは一歩リードしているように感じる。bitfan、faniconとは、何回もやりとりして進んでます。少し毛色変わって老舗のニコ生。ユートニックはユニークなサービスだと思う。
もっとありますけど、何か意見をいうほど、追いついてない。

4月の頭、開催出来なかったライブの有料配信をやろうと思ったことがあったんだけど、結局実現しなかった。お客さんを入れたライブは密になる。でも、配信に関わるスタッフって結構な人数が必要で、これも密じゃね。って事で実現しなかった。
カメラ4台入ったら最低4人のカメラマンがいて、スイッチャーがいて、音をまとめる人がいて、配信会社の人もいて、バンドのメンバーがいて、会場さん、音響さん、照明さん、あれ、数えたら小人数のライブくらいになる、これどうなのって、その時は出来なかった。
ちょうど、4月4日の緊急事態宣言の直後。宣言はとても重く受け止められていたと今、振り返る。
この問題は有料ライブ配信の大きな流れに一旦ブレーキをかけたと思う。

そこから少したち、配信会社にも、アーティスト側にも、密にならないで配信する工夫とノウハウが出来た。全国的に一時よりは感染の勢いが緩やかになったということもある。

どのサービスが、見る人にとっても、アーティストにとっても一番いいサービスになるのかは、だいぶ難しい。
聞き慣れたサービスであるほど、新規に始めるハードルが高かったり、こちらのサービスで出来ることが、一方のサービスで出来なかったり、一長一短。開発会社も今はアップデートしまくりだと思います。

イープラスとぴあが、それぞれライブの配信サービスを始るとアナウンスした。ライブの現場でよく顔をあわせるスタッフも先方にいて、現場の要望を吸い上げていると思う。後発の特性をいかして、先行するサービスの全部盛りみたいなところがあって、注目してます。
いいことはどんどん取り入れるのがいいって日頃思うんで、どんどんアップデートして欲しいです。

ライブの有料配信というアイディアは昔からあったけど、いまひとつ、定着してこなかった。とくにロック界隈では、積極的にやっている人は多くはなかった。チケットが全く取れない公演を、入れなかった人の為に有料で配信するって事例はあったけど、有料配信だけやるって、そういうライブは少なかったと思う。
冒頭の話にもどるけど、生のライブの魅力にまさるものはないって、そんな気持ちもあった。

Youtubeの出現によって、ネットで見れるものはタダって気分が浸透したからということも大きいと思う。これは見る側にとっても、演る側にとっても。
当たり前の話、無料配信と有料配信では見てくれる人数が違う。
これって結構大事な事で、100人見てくれて嬉しいってアーティストもいるし、あー10万いかなかったって悔しがるアーティストもいる。
YoutubeでのMVの再生回数とか、気にするスタッフ、アーティストはこれまた当たり前に多い。で、無料を選ぶ人は多かった。これも有料が定着してこなかった一因と思う。

有料に踏み込むには、高いクオリティのものを配信するしかない。
そういう配信はもっと増えてくると思うんだけど、
ハードルあげていけばいくほど、そんなに気軽にやれなくなる。
リハやって、スタッフ揃えて、優秀なカメラチームをおさえて。演出どうしよう。ここにも考えるべきテーマは一杯ある。

その一方、もっと気軽に出来なくてはいけないとも思う。
SHOWROOMや17Liveとか活況だもんね。
一人で自宅からでも出来るっていうのはやっぱ大きいなあ。やろうと思えば毎日できるもんね。
バンドの魅力はそうはいかないってことは分かってる。
だけど、気軽さをこの際全部捨てるのかって、そう簡単に割り切っていいものでもないと思う。
たくさんの準備をして、でもフットワーク軽くって、ここらへんは、とても大事なことだと思うんだよなあ。
ライブは頻繁には出来ないけど、インスタとかではマメに近況を知れるって、そういう使い分けは今でもやってることだから、配信ライブでもそういう住み分けはきっと出来るようにしないといけないと思う。

今、ライブハウスからの配信が増えている。現状では人を入れられないからという消極的な理由で無く、未来のライブハウスのあり方を考える取り組みとしてやっているところも出て来た。
無料、有料、投げ銭。いろいろと工夫をこらし、店独自の形を探っている。
ツアーとそれ以外の企画ライブみたいな形で、あるいはお店の周年記念みたいな気持ちとか、ゆかりの店で、いつもの店で、その店にしかない空気のなかで配信をやるって事が増えていけばいいなと思う。
ライブハウスの公演はソールドアウトだけど、家でも見れますって形態も、これからはスタンダードになっていけばいいなぁと思う。

一連の話はコロナのことがあっても無くても、考えなければいけない重要なテーマだったんだけど、今回、加速されたと強く感じます。

計画中のことも多く、いつ、何をするんだって、スッと言えないですが、
そんな事考えながら、試行錯誤しながら進めて行きたいと思っています。
 今は燃えています。よ。


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