ロックだパンクだって言ったって、ちゃんと守ってんだけどなぁ

先日、渋谷でTOTALFATのライブ見た。いつものことながらヤケに熱いわけです。
21周年記念のライブ。いつもはゆかりの下北沢ガーデンでやってたんだけど、コロナ禍もあり閉店しちゃったんで、渋谷のWWW X。

そりゃ盛り上がるに決まってるんだけど、客席は異様に整然としてる。立ち位置を守ってるから。一番後ろから見たら、人々が碁盤の目の上に立っているように見える。前とも後ろとも間隔開けて。なんだったらその間を歩けるよ。

なんかまぁ、その光景見ただけで、ぐっと来る。
以前は、汗かいてヌルヌルになっておしくらまんじゅうしたり、唾飛ばしたり、人飛ばしたり、自分が飛んだりしてたんだよ。ライブ終わったら脱げた靴がゴロゴロしてた。それはみんなが覚えてる。

その日はほんと、整然としてた。発声も禁止。間隔あけてその場に立ってた。みんながシンガロングするパートでは、前もってサンプリングされた客席の歌声が鳴ってた。

で、で、いろんな制約あってもさ、ライブは最高だったんだ。

時短に協力するとか、ライブハウスで距離あけるとか、ルール守って行儀良くって、それってロックなのって言い方あるのはわかる。痛いほどわかる。
言うこと聞かないのがロックなんだって、そりゃ思ってたよ。
反体制とかカウンターとか、特に若い頃ずっと信じてた。

時短にも振り回されてる。
東京って9時までだっけ、8時だっけ、えっまた変わるの?大阪はいいんだっけ?仙台はどうだっけ。9時までやっていいはずだっけど、マンボウ来たから8時までにまたなったーとか。
アンコール削ったり。MC早口になったり、それでも足りなければ、開場開演繰り上げたり。その結果来れなくなる人いたり。チケット買ってくれた人に申し訳ないなぁと思いながら、何公演も変更せざるを得なかった。

ルールとかガイドラインとか、それは大事なことなのか、ロックってそういうこと聞くもんだっけって、その思いが消えたわけじゃないけど、
今、僕らは感染防止対策には全面的に協力してる。世間の、国の、都のいうこと聞いてるよ。
10代の時の自分が今の僕を見たら、カッコ悪いなぁとか言うんだろうか。
いいよ別に。
やれないって話じゃなくて、狭い道だけど、ライブやる方法は残されてるんだから。
だったら、その枠の中で精一杯やろうよ って改めて思ったんだ、
そのライブみた夜。楽しかった。

もしもし万が一、期限なく全面的にライブ禁止の世の中になったら、必ず地下に潜って公演を開催するこころづもりはあるんだ。映画でしかみたことないけど、禁酒法時代みたいな。
ライブやっちゃいけないからさ、なんか適当な名目つくって。「上裸と高い声と涙腺弱い三人組のお笑いトークショー」って看板には書いてあるけど、中に入ったらバチバチTOTALFATのライブだった、みたいなヤツ。

でもま、今はやれてる。なかなか窮屈だけど、やれるんだから。それを楽しみたいです。
ほんと楽しみたいです。


蛇足ですが、いい気分で帰って次の日起きたら、朝のワイドショーは聖火ランナーのニュースだった。聖火にも、オリンピックにも恨みはない。おばあちゃんが涙流してるトコとかみると、それだけでもいいなぁと思う気持ちはある。
でもさ、沿道に集まる人々、完全に密じゃね。目の前に聖火もった地元の有名人が現れたら、そりゃ名前呼びたくなるけど、声出したらいけないんじゃなかったっけ。
ねえねえねえ、それアリ?かなり悔しかった。
正直に丁寧にやってる人がシラケないような、そんな世の中を望みます。


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