パレスチナの Leila Khaled, レバノンの Mashrou' Leila ー エリック・クラプトンの Layla, ペルシャの Layla and Majnun
タイトルに並べたライラもしくはレイラ(Leila, Layla)、関連があるようで無いような。少なくとも「名前つながり」という意味においては、関連はある。レイラ(ライラ)というのは、アラブ世界やペルシャ(現在のイラン)などに古くから存在する女性の名前である。
昨日の投稿テキストの冒頭で、ここから 4本(たぶん 1日1本)、一昨日の「レバノン、ベイルート爆発から25日」と題する投稿の中身に関連する .. 4つの事柄について投稿する、と書いたけれど、残り 3本のうち 2本、今日投稿しようと思う。
と書いたのだが、1本分のテキストを書いていたら、いつの間にやらこんな時間。やはり結局はこの 1本だけにすると思う、今日は(と今、下書き保存したテキストを編集中なのだ)。
一昨日の投稿テキストは現時点で「いいね」(note では「スキ」ということは知ってるけどね)が 2つ、昨日の投稿は現時点で反応なし。分かってはいるけれど、中東地域に関心がある人はこの note 界にそう多くはいない。というか、少ない。まぁ筆者の note アカウントのフォロワーが、そもそも少ないのだが(笑)。
Leila Khaled
本投稿のタイトルの上に掲げたのは、イスラエルが 1967年以来、半世紀以上にわたり国連安保理決議に違反して不当に占領し続けるパレスチナのヨルダン川西岸地区にある、イスラエルが建設した「アパルトヘイト」の壁、非人道的な、違法占領地内にイスラエルが建設したイスラエル人の違法入植地とパレスチナ人の居住地域を隔てる分離壁、その壁のパレスチナ人居住区側に描かれた、ライラ・カリド (ليلى خالد, Leila Khaled) の肖像。
彼女は、現在、パレスチナ民族評議会員で(パレスチナ民族評議会 Palestinian National Council, PNC はパレスチナ解放機構 PLO の議決機関で、パレスチナの国会にあたる機関)、元パレスチナ解放人民戦線(PFLP)の女性活動家、かつてのハイジャック闘争の闘士。
パレスチナ解放人民戦線(PFLP)とは、ジョージ・ハバシュ (جورج حبش, George Habash, 1926年8月2日 - 2008年1月26日, パレスチナ人・パレスチナ解放運動活動家・医学博士) が設立した組織で、PLO に参加しているパレスチナ解放運動組織のうちの一機関。
ジョージ・ハバシュの肖像は、1983年10月12日に筆者がパレスチナ、ヨルダン川西岸地区のビルゼイト大学を訪ねた時に撮った写真(以前の投稿のタイトル上に掲げた写真)の中で、写真の左上、パレスチナの旗を挟み、ヤーセル・アラファート (ياسر عرفات, Yasser Arafat, 1929年8月24日 - 2004年11月11日, 元PLO執行委員会議長) の反対側に写っている。
Mashrou' Leila
Mashrou' Leila は、レバノンのインディ系ロックバンドの名前。
一昨日の note 投稿テキストの中で取り上げた、先週4夜連続で行なわれていた「日本では報道されないレバノンの真実」と題するオンライン・イヴェント、その第3夜のセッションにおいて、法貴潤子氏による「レバノンの宗教と難民」(宗教や難民の問題の他、レバノン社会におけるタブーや結婚事情といった話題も取り上げられていた)と題するお話の中で、紹介されていたバンドである。
LGBT の人たちがそのことをカミング・アウトしながら生きることは中東の、イスラム圏の諸国においてかなりの困難を伴うのだが(ここでは詳述しないが、一言で言うと、大抵の場合、命の危険すら伴う)、このバンドのヴォーカリストはゲイであることを公にしつつ、音楽活動をしている。LGBT の人たちが「生きやすい」とまでは言えないだろうが、レバノンはその点で、他のアラブ諸国とはだいぶ事情が異なりそうである。
なお、そもそもレバノンには他のアラブ諸国と大きく異なる点がいくつかあり、例えば宗教について言えば、現在、イスラム教徒が多数派ではあるものの、彼らがレバノンの人口に占める比率は50%余で、同国では、キリスト教徒も4割ほど暮らしている。もっとも、LGBT をタブー視することにおいては、キリスト教徒のコミュニティもムスリムのコミュニティとそう変わらないのではあるが(ただし一般的にはムスリム社会の方がより厳しいものと思われる)。
Mashrou' Leila ー NPR Music Tiny Desk Concert (June 24, 2016)
Set List:
"Maghawir" (Commandos)
"Kalaam" (S/He)
"Djin"
Layla
Layla は、ロックファンなら誰でも知っている、エリック・クラプトン Eric Clapton (Eric Patrick Clapton) の, デレク・アンド・ザ・ドミノス Derek and the Dominos 時代、1970年リリースの曲のタイトル。
クラプトンが生涯の友、元ビートルズ Beatles の ジョージ・ハリスン George Harrison (February 25, 1943 – November 29, 2001) の当時の妻でモデルのパティ・ボイド Pattie Boyd (Patricia Anne Boyd, ファースト・ネームとクラプトンのミドル・ネームに共通項が .. まぁたまたまだけど、笑) を愛してしまい、その悩み・もがき・苦しみを歌にしてしまったという、あの歌。
(Pattie and George, Pattie Boyd, Eric and Pattie)
因みにこの曲で超絶美しいスライド・ギターを弾いているのは、オールマン・ブラザース・バンド Allman Brothers Band の デュエイン・オールマン Duane Allman (November 20, 1946 – October 29, 1971) で、前半部分、後半のピアノコーダに入る前のパートでは空を駆けていくようなパッショネイトなスライドを聞かせ、ピアノ・コーダのパートに入ると、ピアノに寄り添って静かに美しいスライド・ギターの音を奏でている。言うまでもなくオールマンズでのデュエインの演奏も素晴らしいが、この曲での彼のプレイは一味違うものと言えるかもしれない。
「因みに」ついでに言うと、この曲の作詞はクラプトン、作曲は前半部分がやはりクラプトンだが、後半のピアノ・コーダは、クレジットにもあってよく言われるデレク・アンド・ザ・ドミノスのドラマーであったジム・ゴードン Jim Gordon ではなく、実際には、当時ジム・ゴードンの恋人であったリタ・クーリッジ Rita Coolidge, これについてはいつか note に投稿するかもしれない(もっとも、少なくないクラプトン・ファンが既に知っていると思われる)。
Layla ー Derek and the Dominos (Eric Clapton, Bobby Whitlock, Carl Radle, Jim Gordon) and Duane Allman (Nov 20, 1946 – Oct 29, 1971), from Derek and the Dominos 1970 album "Layla and Other Assorted Love Songs"
What'll you do when you get lonely
And nobody's waiting by your side
You've been running and hiding much too long
You know it's just your foolish pride
Layla, you've got me on my knees
Layla, I'm begging, darling please
Layla, darling won't you ease my worried mind
I tried to give you consolation
When your old man had let you down
Like a fool, I fell in love with you
Turned my whole world upside down
Layla, you've got me on my knees
Layla, I'm begging, darling please
Layla, darling won't you ease my worried mind
Let's make the best of the situation
Before I finally go insane
Please don't say we'll never find a way
And tell me all my love's in vain
Layla, you've got me on my knees
Layla, I'm begging, darling please
Layla, darling won't you ease my worried mind
Layla, you've got me on my knees
Layla, I'm begging, darling please
Layla, darling won't you ease my worried mind
Layla and Majnun
エリック・クラプトン、デレク・アンド・ザ・ドミノス時代の傑作「レイラ」, "Layla" は、クラプトンの、親友ジョージ・ハリスンの妻パティ・ボイドへの「許されぬ愛」が歌われた歌だが(後にハリスン夫妻は離婚、妻だったパティはクラプトンと結婚する、因みにその結婚パーティにはジョージ・ハリスンも出席、しかしクラプトンとパティも後に離婚、括弧長いな)、あの歌は一方で、12世紀のペルシア文学の詩人、ニザーミー・ギャンジェヴィー Nizami Ganjavi (Persian: نظامی گنجوی, romanized: Niẓāmī Ganjavī, lit. 'Niẓāmī of Ganja') (1141–1209) による物語、「ライラとマジュヌーン」, Layla and Majnun にインスパイアされて作られたことが、ファンの間では広く知られている(「ライラとマジュヌーン」自体は、7世紀のアラブのベドウィン詩人とその恋人についてのアラブの物語をオリジンとする)。
以下は、以前、Facebook に投稿したテキストと、その際シェアした YouTube 上のクリップ。
Layla and Majnun (Arabic: مجنون ليلى Majnūn Laylā, 'Layla's Mad Lover'; Persian: لیلی و مجنون Leyli o Majnun) is an old story of Arabic origin, about the 7th-century Najdi Bedouin poet Qays ibn al-Mullawah and his ladylove Layla bint Mahdi (or Layla al-Aamiriya). "The Layla-Majnun theme passed from Arabic to Persian, Turkish, and Indian languages", most famously through the narrative poem composed in 584/1188 by the Persian poet Nizami Ganjavi, as the third part of his Khamsa. It is a popular poem praising their love story. Lord Byron called it “the Romeo and Juliet of the East.” https://en.wikipedia.org/wiki/Layla_and_Majnun
The tale and the name "Layla" served as Eric Clapton's inspiration for the title of Derek and the Dominos' famous album "Layla and Other Assorted Love Songs" and its title track https://youtu.be/uSquiIVLhrQ ♫ in 1971. The song "I Am Yours" https://youtu.be/DO6TvPqCQCo ♫ is a direct quote from a passage in Layla and Majnun.
I Am Yours ー From Derek and the Dominos 1970 album
この曲については、前の章の最後の段落を参照してくださいな。以下は、だいぶ以前の、筆者の Facebook 投稿から。日本語に直すの面倒くさい。
*Most of these lyrics are cited from the love story, titled “The Story of Layla and Majnun” written by the 12th-century Persian poet Nizami Ganjavi, that story (and Clapton's love toward his best friend George Harrison's wife Pattie Boyd) also inspired the song “Layla,” included on the same album. The composer credit on this song "I Am Yours" states “Clapton/Nizami.” Eric Clapton used so much of Nizami’s text that he gave the poet Nizami a songwriting credit.
https://genius.com/Derek-and-the-dominos-i-am-yours-lyrics
I am yours
However distant you may be
There blows no wind, but wafts your scent to me
There sings no bird, but calls your name to me
Each memory that has left its trace with me
Lingers forever as a part of me
I am yours
However distant you may be
There blows no wind, but wafts your scent to me
There sings no bird, but calls your name to me
Each memory that has left its trace with me
Lingers forever as a part of me
I am yours
However distant you may be
There blows no wind, but wafts your scent to me
There sings no bird, but calls your name to me
Each memory that has left its trace with me
Lingers forever as a part of me
I am yours
一昨日の投稿 と 昨日の投稿 (参考まで!!)
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