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映画

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映画のレヴュー的なものから、主題は別でも映画の話題が多少とも入っているものまで。
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2021年3月の記事一覧

911 から10日後(一部 歌詞和訳) 〜 トム・ペティ, ニール・ヤング, スティーヴィ・ワンダー, ポール・サイモン, そして ロバート・デ・ニーロ

前説今日は 3月24日。911 の話題を取り上げるのは「季節外れ」。しかし 911 にしろ 311 にしろ 1208 にしろ 806, 809 にしろ 815 にしろ他の諸々にしろ、別に季語ってわけじゃない。仮に季語だとしても秋の季語を春に詠んだりしちゃいけねぇよなんて話はないわけで。 桜愛でるこの 3月下旬の佳き日にわざわざ 911 トピックを取り上げることにさしたる「わざわざ」の理由はないんだけど、些細な理由、ちょっとした訳ならある。 3日前、トム・ペティの "I W

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Carpe Diem, いまを生きよ 〜 from "Dead Poets Society",「いまを生きる」

10年前のあの時、茨城県南の我が家の2階のピアノが跳ねるようにして揺れていた。というか、実際に跳ねていた。あんな光景を見るのは初めてだった。慌てて階下に降り、玄関から外に出た。我が家を見ると、家全体が大きく揺れていた。いつまでも続くかのように、家全体が大きく揺れていた。周りの家々も皆、同じだった。あんな光景を見るのは初めてだった。しばらくして家に戻り、テレビをつけるとそのうち、あの怖ろしい光景が生中継され出した。なぜだろう、CNN を付けていた。CNNが、あの凄まじい光景を延々と流していた。 4年ほど前、Facebook 上で知り合ったドイツ在住のクロアチア人の女性から、彼女と同じ宗教の信徒の男性があの2011年3月の日本で起きた巨大な地震と津波による惨劇をテレビで見ながら、 "Japanese people deserve it. Because they don't believe in God" と言ったということを教えてくれた(彼女とは英語でやり取りしていたから英語で筆者に伝えてくれたが、もちろんその男性はドイツ語で話していたのだろう。あるいは同じクロアチアからの移民だったのならクロアチア語だったのかもしれない)。 「日本人には当然の報いだ。なぜって彼らは神を信じてないんだから」と言ったということになるが、意訳すればこんな感じだろう。「それ見たことか。連中、神を信じてないから報いを受けたんだよ。」 彼女はこう付け加えた。「彼は友人の一人だったけれど、もちろんそれ以来、私の友人なんかじゃないわ。」 彼女はたまたまムスリムだったが(つまりその男もムスリムだった。因みにクロアチア本国の宗教信徒は大多数がカソリックで、彼女はカソリックからイスラムに改宗した人だった)、ああいうことを言ってのける人間はもちろん別にムスリムだけでなく、クリスチャンにだっている。 当然ながら、宗教の信徒の皆があんな考え方をするなどと言っているのではない。実際のところは、そんな「悪魔」のような発想をする人間は、全体の中では少数に違いない。比率にしたら極めて小さいだろう。 それにその種のこと(「連中は〇〇だからその報いだ」等)を言う人間は、もちろん「神」なるものを信じない人間の中にもいるに違いない。ただ、宗教の信徒によるあの種の考えはより深刻だ。 彼らは普段は「神」なるものの愛とか慈愛とか慈悲とかを美しい言葉で語っている。そういう宗教の信徒の中であの種のことを言ってのける人間というのは、要するに、「神からの愛、慈愛、慈悲。ただし、それは(我々が信じる)『神』を信じた場合だけだよ」と言ってるのに等しい。 彼らのあの種の思考は、彼らが、人間はおろか自然そのものを、宇宙を、そんな全てのものを超越した存在だと彼らが信じている「神」なるものの名の下で人間の「業」のようなものを語り、「断罪」を語り、その上でそれを信じない人間を自らの思考において「断罪」しようとしているという点において、極めて深刻な発想だ。 全てを超越した存在である(と彼らが信じる)「神」、それは彼らにとって一切の疑いをさし挟むことができない存在であり、完全無欠な存在であり、絶対的に無謬なる存在である。そんな完全無欠、絶対無謬の「神」なるものへの信仰、その「見返り」であるかのような「神」からのご加護(御籠, 恩寵)の有無を人間の生き死にの条件にしようとする彼らの思考は、自らのその思考も絶対的に無謬であるという前提のもとに成り立つことになる。 いや、そんなことを言う人は本当の信者ではないと言う人もいるだろうから、ならば、「自称ムスリム」「自称キリスト教徒」(の一部?)と言えばいいのか。しかし「自称ムスリム」と「ムスリム」、「自称キリスト教徒」と「キリスト教徒」.. 等々の間にある境界は、筆者のような無神論者には極めて曖昧なものだ。というか、こちらはそもそも彼らの言う「神」なるものを信じていないのだから、呼称上のその区別はほとんど意味がない。 ともあれ、今日は、3月11日。 ............................................ いまを生きる Carpe Diem ー Dead Poets Society https://note.com/dailyrock/n/n1c21b543b1c0 「ブレードランナー」から「2001年宇宙の旅」/ "Echoes" へと巡る旅 〜 〜 経由地は「いまを生きる」「6才のボクが、大人になるまで。」「生きる」「ゴンドラの唄」, "To the Virgins, to Make Much of Time", 途中下車して「ウィンザーの陽気な女房たち」, "Welcome to the Pleasuredome" "Relax", 「アポロの歌」, "If" & "If", 「ツァラトゥストラはこう語った」 https://note.com/dailyrock/n/ne216b57981c3

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ティーチ・ユア・チルドレン (CSNY) 〜 歌詞和訳

*一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)より「著作権を有する音楽著作物の著作権を侵害している」旨, 指摘を受けた為, 当初 私の誤認識により掲載していた英語歌詞を削除しました。英語歌詞・原詞は公式サイト等に掲載されているものを確認してください(2022.8.30 加筆/削除/編集)。 .............................. クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング, 1970年リリースの曲。作詞作曲はグラハム・ナッシュ。歌詞は 2021年3月8日に和訳。 Teach Your Children 〜 from Crosby, Stills, Nash & Young 1970 album "Déjà Vu", and recored live & included on their 1971 live album "4 Way Street"(*1), and (studio version) played in a 1971 film "Melody" starring Tracy Hyde and Mark Lester(*2) この世界でいま歩みを進めている君たちには これで生きていくんだという道標が必要に違いない だからこそ誰でもない 自分自身になることさ なぜって 過去はいつも過ぎ去っていくものだからね 子供たちにはよく教えてあげることだ 父親たちの苦悩が ゆっくりと消えていったことを 子供たちには 君らが見た様々な夢を伝えるんだ 子供たちが何かを掴んだことを 君はきっと知ることになるよ でも何故だなんて訊かないことさ、もし彼らが答えれば 君はただ泣くだけなんだ だから彼らをただ眺めていればいい、それで ああ彼らは自分を愛してるんだって分かるから 感じやすい年頃の君たちは (聞くことができるかい, 気に掛けてるかい) でもまだ恐れというものを知らない (分かるかい) 年嵩のいった人たちは その恐れによって大人になったんだ (僕らは自由でなくちゃいけない) だから 君らは助けてあげてほしい (君の子供たちに教えるんだ) その若い力で彼らをね (君が信じることを) 彼らは真理を探し求めてるんだ (世界を作るんだ) 死ぬその時まで (僕らが生きることができる世界を) 親たちにはよく教えてあげることだ 子供たちの苦悩が ゆっくりと消えていくことを 親たちには 君らが見た様々な夢を伝えるんだ 親たちが何かを掴んだことを 君はきっと知ることになるよ でも何故だなんて訊かないことさ、もし彼らが答えれば 君はただ泣くだけなんだ だから彼らをただ眺めていればいい、それで ああ彼らは自分を愛してるんだって分かるから *1 https://youtu.be/J3lHmpposk8 ♫ *2 https://youtu.be/IF0fmDeGnQI ♫ *3 https://youtu.be/-20Gp7_Wp8o ♫ 歌詞の解説めいたことと、世界の子供たちの写真と映画と https://note.com/dailyrock/n/n439caefa2861 シンプルに https://note.com/dailyrock/n/nc537b680b345 というわけで、これはまぁ「三度目の正直」みたいなもんかな。その他、自前の「洋楽」和訳歌詞を載せたりリンクさせたりした note投稿のマガジンは,  ↓ ↓ https://note.com/dailyrock/m/mb905bbbfd3c6

Teach Your Children (CSNY): 歌詞和訳 〜 世界の子供たちの写真と映画と

最初にいきなりタネ明かしみたいなことを書いてしまうと(「種明かし」とタネを漢字で書いた方が更に言い得て妙かもしれない)、実はこの歌は、その歌詞の内容で言えば "Teach Your Children and Teach Your Parents" と呼んだ方が相応わしいような歌である。その 2つのフレーズが出てくるからというだけのことではなく、この歌の歌詞が訴えていることを踏まえれば。つまり、この歌は「親たちの世代から子供たちの世代へ」というベクトルだけでなく「子供たちの世代

「ブレードランナー」から「2001年宇宙の旅」/ "Echoes" へと巡る旅 〜 〜 経由地は「いまを生きる」「6才のボクが、大人になるまで。」「生きる」「ゴンドラの唄」, "To the Virgins, to Make Much of Time", 途中下車して「ウィンザーの陽気な女房たち」, "Welcome to the Pleasuredome" "Relax", 「アポロの歌」, "If" & "If", 「ツァラトゥストラはこう語った」

左は「ブレードランナー」の "敵役", 反逆レプリカントのリーダー、ロイ・バッティ。右は「2001年宇宙の旅」、人工知能 HAL9000型コンピュータの反逆に遭う宇宙船ディスカバリー号の船長、デヴィッド・ボーマン。 前説 "Tears in Heaven"今日の投稿テキストにおいてはあくまで「前説」。というか「前振り」。今日の投稿の前にこれを読まなくてもぜんぜん大丈夫だけれど(笑)、とりあえず今日の投稿内容と一部重なり、一部重ならず、でも重ならない中に内容的には「重なる」も

Tears in Heaven (Eric Clapton) 〜 歌詞和訳

最初の章ではエリック・クラプトンの "Tears in Heaven", その歌と歌詞と筆者による和訳歌詞を掲載。次の章は 'Tears' つながりで同じ Clapton の歌、しかしそこから先は「ブレードランナー」の "Tears in Rain" シーンで始まるカオス。 カオスの始まりは、'Tears in' つながりながら、だいぶ趣が異なるリドリー・スコット監督の映画「ブレードランナー」終盤の "Tears in Rain" シーン、そのロイ・バッティ(レプリカント)