見出し画像

ラッサ熱が欧州にも

シエラレオネでラッサ熱に感染したオランダ人医師が先日、死亡した。この脅威は私が住む英国にもじわじわと近づいているかもしれない。

ラッサ熱とは

西アフリカ一帯に見られる急性ウイルス感染症。感染者のおよそ8割は軽症にとどまるものの、一部は重症化し、うち致死率は1〜2%だ。特異的な症状は出ず、発熱や嘔吐、下痢、吐血などインフルエンザに似た症状を引き起こす。重症の場合は、粘膜出血や顔部の浮腫みなどが見られ、回復後も後遺症として知覚神経麻痺(主に聴覚障害)や歩行失調が残ることがある。

今なおコンゴ民主などで猛威を振るっているエボラ熱に似ており、血液や唾液などの接触により感染する。ワクチンはないが、抗ウイルス剤で代用可能。

不運にもその1〜2%に当たってしまったオランダ人医師。同氏はシエラレオネ北部の小さな町で診療を行っており、ある妊婦の診療後に発症したという。同国はラッサ熱が蔓延している国の一つだが、この町での症例は確認されていなかった。

自覚症状が出て、医師はすぐに帰国。その後死亡した。同氏と共に帰国したもう一人のオランダ人医師も感染が分かり、現在治療中だ。

ラッサ熱はまた、英国人3人を襲った恐れがある。シエラレオネでラッサ熱感染者と接触したためで、現時点では感染の報告はされていないが、こちらも英国に戻り必要であれば処置を受ける方針。BBCによると、感染が広がるリスクは少ない。

同国にラッサ熱ウイルスが持ち込まれることは非常に稀という。保健当局は、状況をしっかり見極めるとしている。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?