春子、何者

同僚が、動物の骨格標本をあるところから借りてきた。

「本物です！」

とのこと。

一緒に開けてみると、ライオンとシマウマの頭部の骨格標本が入っていた。
それと小さめの袋に何か詰められたものと、象やライオンの歯並びについて説明されたカラー資料もついていた。

同僚はライオンやシマウマを以前に借りたことがあったが、小さめの袋が入ってるのは知らなかったという。

一緒に開けてみた。
8ｃｍほどの長さで直径5センチほどの円筒の骨がいくつも入っていた。

？？なんだ、これは？

「うーん、歯？牙？」

お互い頭に『？』が浮かぶ。

「あー待って、なんか書いてある。『春子、１９８６』やって」

「春子の牙なんかな？歯？」

「春子って象？象の資料ついてるし。」

「いや、こっちは『夏子、カバ、１９８８』やって。これカバの歯？」

「僕、同い年です！」

「いや、亡くなった年でしょ。こっちは、『テツオ、カバ』って」

なにこれ？どこの部分の骨？

「結局、春子はカバ？象？」

二人で唖然。春子、何者？

名前じゃなくて、動物名書いてくれ。