台中 休憩して仙人になる
お昼過ぎにホテルに戻ってきたので、午前中に買ってきた食べ物を机に並べ昼食の準備をする。
近所の有名サンドイッチ屋さん『洪水珍』でたくさん購入したパン、芋湯圓のデザート、ドリンクとしてお茶さんで購入したお茶。
台湾では、日本にコーヒーショップがたくさんあるように、中国の色々なお茶がスタンドで売られているのだ。3年前にかなり利用した『茶湯そう?』。台中でもホテルの近所にあったのが嬉しい。日本にも一時期TPとして出店していた。
1杯240円程からかなりの大きさのカップに満タン熱々を入れてくれる。
必ず店員さんに聞かれるのが、砂糖を入れるかどうか。初めに聞かれたときは驚いた。お茶に砂糖?いらない・・・と思っていたら、無糖もあるよと言ってもらえてホッとした。むしろ店員さんはえっ無糖でいいの?ぐらいの対応をされるけれど。
現地の人もかなり利用している人が多いようだ。ウーバーイーツのような向こうではウーバーパンダが主流なようで、8杯ぐらい一気に注文をしている人もいる。
サンドイッチは小ぶりで中に薄くジャムが塗られていたり、ハムやチーズが挟んであるものを選んだ。ふわふわのパンで包まれていて美味しかった。生地は甘めだ。現地の人もたくさん購入していた。
日本にいる時から父がずっと言い続けていた念願のパン屋さんで購入し味わうことができてよかった。
芋湯圓は思ったより柔らかめでまぁこれは普通。
でも全部美味しく、おなかは満タンだった。
正直、仕事でだいぶメンタルが疲れてそのままの勢いでこの旅行にきた。
めちゃくちゃ寒かった日本から来た台中はちょうど日本の4月上旬の気温のようだった。
晴れ渡った青空。
お茶を飲みながら、ぼんやりホテルの窓から空を眺めていると
日本での出来事はすっかり置いてきて、心が解き放たれていた。
少し開けた窓からこれから1年がスタートするんだなという心地にさせられる、少しひんやりするでも暖かい風が入ってきていた。
脳から力が抜けていく。
すでに心は春、新しく始まるんだという気持ちになった。
「私、今仙人の気持ちだ。」
横で台湾の観光本を眺める父に言った。
「それは、分からん」
と言われた。
それでもホテルの窓からは
桜の花びらが舞っていて、うすく透き通った桃色の景色が自分には見えていた。
これから自分はこっち側の道に行くんだと決めた。
エネルギーが蓄えられてきた気がした。
やっとホッとできた。
仙人ってこんな気持ちだったのか。
日本に帰ったら新しい1年が始まっている。
もう今までの道ではなくこっち側の道に行くんだ
そう決めれて、よかった。
やっと決心できたんだなと思った。
こっちが何かは具体的には分かっていなかったけれど。
そして実際に桜の木は一本もない。
そのときの気持ちを表したコップを後日、台北で見つけて購入した。
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