マガジンのカバー画像

後で効く 冷酒と 彫刻家の独り言

35
彫刻家大黒貴之のオピニオンや独り言をまとめています
運営しているクリエイター

#考え方

ある女性作家の作品と60年後のオールドマスター

彫刻家の大黒貴之です。 アート作品の変遷とは実に不思議なものである。 通常、世間に出回っている商品は一定の期限が来ると商品価値は減少していき特売品やバーゲンセールとなるか、それでも残った商品は在庫になっていく。 アート作品が一般商品と決定的に違うのは時間の経過ともに価値が高まっていく可能性があることが1つ挙げられるのではないだろうか。 「彫刻家して仕事をしています」と自己紹介すると、何人かの人たちから、 「美術作品は後世に残っていくからいいねぇ」と言われることが稀にあ

アーティストに必要なのは抽象的思考?具体的思考?

彫刻家の大黒貴之です。 「あなたの話は抽象的でわかりにくいよ」 或いは 「あなたと話していると何言っているのはさっぱりわかんない」 抽象的なイメージを言葉に乗せて人に伝えることはなかなか難しいことですし、アートの世界でも「抽象はわかりにくい」という言葉はこれまで何度も聞いてきました。 何かを商品化することやメッセージを伝える時に「わかりやすい」ことはそれだけ多くの人に届きやすいということです。 確かに、伝達手段としての「わかりやすさ」は大切なことです。 細谷功氏

私たちの先人が残してくれた3つのギフト

彫刻家の大黒貴之です。 僕は死んだら全てが無になると考えているのですが、死んでからもこの世にに残るものがあります。 しかし、その後世に残せるものは3つしかないと聞いたことがあります。 今回はこの3つの概念について考えてみたいと思います。 お金流動資産となる現金や預金なども含めて、その人が積み上げてきた資産のことです。 お金は人が作り上げた資本主義の貨幣システムの中でのツールです。 鉄鋼王のカーネギーの莫大な遺産は、世界中に学校やコンサートホールなど様々な施設の建設

芸術家に必要な3つの大事な要素を考える

彫刻家の大黒貴之です。 アート作品はいかにして後世にまで残っていくのでしょうか? 「巨大アートビジネスの裏側-誰がムンクの「叫び」を96億円で落札したのか」(石坂泰章【著】)によると作品が制作されてから60年後が、その大きな節目になるのだといいます。 それは以下のようなプロセスを踏んでいくそうです。 1.ある人が最初に作品を購入する(購入から最初の1ヶ月後にも鮮度が保たれているかどうか) 2.作家の世代が第一線から退く(作品制作から約30年後の評価) 3. 作品を購入

【苦境の考え方】冬の時期はエネルギーを増やしている時「ふゆ」「ふゆる」「ふえる」

彫刻家の大黒貴之です 長い人生、順風満帆に人生を謳歌し続けることは極めて難しいものだと思います。歴史や時代にも、波があるように人生にもまた波があるのでしょう。誰もが山あり谷ありの経験を積んでこられているものだと思います。 「苦しい時期は1000日以上は続かない」と誰から聞いたことを憶えています。また、冬の語源は、「ふゆる」。そして、「ふゆる」は、「ふえる(増える)」から成った言葉だと聞いたこともあります。 なかなか前に進むことができない冬の時期は次の春に向けて開花するた

出会いと別れは「引力」

彫刻家の大黒貴之です。 「人と人との出会いは、引力である」とは 僕の好きな漫画、JOJOの奇妙な冒険のセリフの一つ。 人生を歩んでいく中で、出会いと別れが必ずあります。 出会いがあれば別れがあり、 別れがあればまた出会いがあるのです。 人生は生まれた瞬間から出会いの連続 人はその誕生した直後から、親と出会うことから始まり、 兄弟親戚、同じ町内の人、学校の友人や先生、先輩後輩、 旅行先で行動を共にした人、勤務する会社で仕事を共にする人・・・ まさしく出会いの連続です