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事業開発のキャリアについて考察してみた

キャリアコンサルタントの黒岡です。

今日は「新規事業開発」というキャリアをテーマにnoteを書いてみようと思います。

これまで数多くの人と面談をしてきました。特にビジネスサイドの方と面談をする中で、よく聞くのが「新規事業開発に携わりたい」「Bizdevをやりたい」という言葉です。

ただ、「なぜですか?」と聞くと返答が返ってこないこともしばしば。

新規事業開発やBizdevという言葉が一人歩きし、なんとなくかっこよかったり、普通と違う感があって魅力に感じるのかなと思っています。

一方、私の周りの事業開発をやってる方々を見ていると、あまりに泥臭く、とても「スマート」という意味でのかっこよさは無いと思います。

そこで、今日は「事業開発」のキャリアについて考察をしてみたいと思います。

1.そもそも「事業開発」とは何か?


社会・顧客の期待に応える両利きの経営、顧客基点の事業モデル変革が求められている

新規事業開発は、多くの場合、既に既存事業がある中で、既存事業の更なる成長と新規事業による非連続な成長を期待し、生み出されます。

どんなに素晴らしい事業も商品もいつかは衰退期を迎える。

製品戦略や事業戦略に「ライフサイクル」を活用する

企業が永続的な成長を続けていくためには、1事業に依存するのでなく、常に新たな事業や新たな市場機会を模索し続ける必要があるということですね。

アンゾフの成長マトリクスとは?事業の成長戦略を考えるフレームワークをやさしく解説!

新規事業や新規市場の開拓を検討していく上で、アンゾフの成長マトリクスが有名ですね。

この、新規商品の開発や新市場の開拓を担う事を「事業開発」と呼びます。

ここの前提が為されぬまま、なんとなく「Bizdevやりたいんですよね」と言うと一向にその職種には辿りつかないので注意が必要です。

2.事業開発職の仕事内容とは?

「新商品開発や新市場開拓」

これをGoalにした時にやることは山ほどあります。

市場リサーチ、ユーザリサーチ、事業戦略立案、事業計画立案、プロダクト・サービスコンセプト立案・マネタイズ計画、社内リレーション構築、マーケティング戦略・営業戦略構築、法務関連対応、採用、、、

実質、「社内起業家」と言うことですね。上記の言葉や名前だけ聞くと綺麗に見えますが、実態として泥臭く土日も深夜も働いて、必死で成果を出しにいきます。

その為、安易に「事業開発をやれるから」と言う理由で転職することを私はお勧めしません。想像以上にハードな仕事だからです。

もし、事業開発をやるなら、「将来的に起業したい」と言う強い思いや、「この会社の価値を最大化したい」と言う熱い愛社精神やミッション共感等が、苦しい時に頑張れる理由になるのではと思います。

3.事業開発職に求められる素養とは?

定性的にみると、下記の様に本当に幅広いスキルが求められる仕事であると感じます。まさにビジネスの総合格闘技。

・失敗を恐れずにチャレンジし続ける「胆力」
・市場を俯瞰して捉えながら、顧客の声を聞き事業に落とす「思考力」
・方向性を示しメンバーを巻き込む「リーダーシップ力」
・まだ無い価値を顧客に伝える「営業力」

スペシャリスト思考で、「職人肌」の人よりも、学生の頃「文化祭の実行委員長」をやってましたと言う様な方が、やってる方が多いなと感じます。

私はそう言うタイプではなかったので、気持ちが100%分かるわけではありませんが(笑)

事業を完全に自分事で捉えられ、「この事業を絶対に成功させるんだ」「この事業の為なら自分はどんな役割でも担うんだ」と言う強い意思を持った人に向いている仕事だと言えますね。

4.事業開発職のキャリアは?

改めて考える「活躍するBizDev」の特徴とは?定義や事業経営者・CxOへのキャリアパスまで詳しくご紹介

ラクスル社の記事でBizdev職のキャリアパスが上記のように記載されていました。まず、事業開発の担当者として入り、事業部長→経営者としてキャリアUPしていく道。

私自身、キャリアコンサルタントとして多くの事業開発の方とお会いする中で、事業開発という仕事を様々な会社で転々とされるケースをよく見受けます。

「0→1」がとにかく好きということであれば良いのですが、もしそうで無いのなら、「事業開発→事業責任者→経営者」のラインをしっかりと登って行くことが私はお勧めです。

なぜならば、事業開発職って短期的には「利益よりも投資コスト」のほうがかかるので、報酬としての見返りが少ない事。

また、転職や副業をする際にも「あの事業の事業開発から責任者として0→1から1→10、10→100とグロースを経験させた人」と認知されるほうが「あの事業での経験や知見をうちでも活かしてほしい」と評価されるケースが高まるからです。

事業開発として、会社員での経験を豊富にできたなら、起業も視野に入れて良いでしょう。

会社員と比べてハイリスクではありますが、その分リターンの量がまるで違います。

将来的に起業する上での、スキル向上やマインドセットの確立という観点において、事業開発というキャリアはベストと言えるでしょう。

まとめ

今日は、事業開発職に関するキャリアを考察してみました。

伝えたかったのは、事業開発と言っても会社やフェーズによって求められる役割が大きく変わる事。

名前のかっこよさで左右されるのでなく、「その事業を自分が成功させたい」という強い想いが持てるか?を大切にして、仕事を選んで欲しいというメッセージでした。

もし、事業開発職についてカジュアルに情報交換したいとのことであればお話ししましょう。


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