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本との遭遇覚書・オズの魔法使い

子どもの頃から本が好きだった。そんな人の話を聞いたり読んだりすると、子どもの頃に名作と呼ばれる児童文学に遭遇しているのですね。
学校の図書室であったり、家の本棚の中でその本たちは待っていたのです。みたいな話がよくあるのです。

翻って我が身を考えてみると、子どもの頃に読んでいなかった名作のあまりの多さにおやおやと思わされるのです。
あれも読んでいなかった、これも読んでいなかった。
グリムやアンデルセンは読んでいました。ほか子どもの頃に読んだのは、エルマーのぼうけん、西遊記、ロビンソン漂流記、宝島、ギリシャ神話、アラビアンナイト、などなど。冒険ものばかりですね。
しかし名作と言われる作品でも、その存在にすら気づいていなかったものも多いです。実際、ナルニア国にもジム・ボタンにもモモにもコロボックルにもホビットにもガンバにもツバメ号にも出会えてなかったのです。

『オズの魔法使い』(ライマン・フランク・ボーム)との遭遇はいつだったのか。
これは何度も読んだ作品です。同じ本を繰り返し読むというよりは、様々な『オズの魔法使い』に繰り返し遭遇していたのです。
絵が違うだけでなくエピソードの描かれ方も違ったので、見つけるたびに読んでいました。
上に挙げた他の作品もそうですね。西遊記もアラビアンナイトも様々なバージョンを楽しんでいました。
もしかすると子どもの頃、小学生の頃はお気に入りの作品を何度も、それも別の角度から楽しむことが好きだったのかもしれません。それは安心感とも繋がっていたのでしょうし、ある意味その頃からマニアックというかオタク気質だったのだなあとも思わされるのですが。
好きな物語のお気に入りのシーンばかり、様々な本から拾い読みしていたこともありました。好きな素材をいろいろな味付けで楽しむようなものですかね。
本屋や図書館で「それはこの前読んだでしょう」との声が聞こえてきます。いいじゃないですか、何度同じ本を読んでも。そしてタイトルは同じでもそれは別の本なのだということもあります。僕は今でも知らない『オスの魔法使い』を見つけたら、ついつい手を伸ばしてしまいますよ。

さてさて、子どもの頃に読んでいなかった名作児童文学には、大人になってから手を出しています。まだ読んでいないものも多くあるのですけどね。楽しみはまだまだ果てし無く続くのです。

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