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本との遭遇覚書・殊能将之読書日記2000-2009

新聞やらネットやら、なんやらかんやらあれこれと本の情報が飛び込んで来ます。
気になるなあ、読んでみたいなあという本を図書館で予約して取り寄せることもあります。届いたよーと連絡があり、わーいと取りに行く。はいどうぞと本が渡され手に取った瞬間、あれ? 思っていたのと違うかも、となることがあるのです。

まだ表紙すら開いていないのに、中を1行も読んでいないのに、何か違うと感じるのです。
ネット情報で一番わからないのは本そのものの物理的感覚です。つまりは手触りや重さなどなど。もしくは表紙と向かい合った時に沸き立つ感情。
この何か違う感情は、いざ読んでみると気のせいだったりもしますが、大抵はやはり違った! というもの。うわ、思っていたよりも面白い!! ということも多々あるのです。本の内容と手触りや重さは関係ないのですが、そこから感じ取ることもあるのです。

そんなこんなで『殊能将之読書日記2000-2009』(殊能将之)と遭遇。
手にした瞬間、重い! 硬い!
さっと本を開いてみると、読む前から感じる熱量のすごさ。これは思っていた以上の本ではないか!! との喜び。
作家殊能将之が未訳を含む様々な本(SF中心かな)を読み、その内容と感想を連ねたWeb日記をまとめたもの。
その内容紹介もさらっとあらすじ、なんてものでなく濃密。そこから読み解かれるものも濃密。これは図書館で借りて期限内にさらりと読んで済ますものではないなと思い知る。
そう、これは購入して手元に置いておき、ぱらりぱらりとページを繰りながらじっくり楽しむ本でしょう。

図書館で借りた本には、思っていたのと違った本がよくあります。図書館利用には図書館利用の良さや特徴があり、それに当てはまらない本もあるのです。
しかしそれを知るためには実際に本を手に取り中を知ることが必要なのです。そのお試しとして図書館を利用していもいいのではないか。
ネットでも内容はわかるはずだ。その通りでしょう。でも僕は実際に本を手に取りページをめくらねば感じ取れない何かがあると思っています。なので実際に本を手に取れる環境を大切にしたいのです。

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