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本との遭遇覚書・スタープレイヤー

本を読んでいて、これは面白い、面白いのだけどなぜか読み進められない。面白いのだけど、もしかすると今読む本ではないのかも知れない。そんな風に感じることがあります。
読み終えたらきっと面白かったなと思えるのだろうけど、気分が乗らないというか。
こんな時は読み進めることにより気持ちが盛り上がることもあるのですが、気持ちが乗らないままに読むのは勿体ないかと中断することも多いです。
またタイミングが来た時に読もう。そうすればきっと面白く読めるはず。そう思い本を置くのです。

という話の具体例を出すのもどうかと思うのですが。
『スタープレイヤー』(恒川光太郎)と遭遇。
面白いのです。女性がくじに当たって異世界(よその星?)に移動して、そこで望みを10個叶えるアイテムを渡される。しかもこの望みの伝え方が面白く、他の作品なら反則だろうと思えることができるのですね。
女性の過去の重い話を越え、新たな人物が登場して世界のこともわかりかけていたところで本を置きました。
これは今読むよりも、別のタイミングで読む方が絶対に面白い。そう感じたからです。

中断のタイミングは様々です。
はじめの数ページで違うなと思うこともあれば、数日読んだ後での中断もあります。今回は四割ほど読んだ段階でした。
そこまで読んだのだから読み続ければいいじゃないかとも思うのですが、そういう謂わば惰性のような感覚で読むのは惜しいのです。勿体ないのです。もっとしっかり面白がりたいのです。
絶対美味しいとわかっていても、今は脂っこいもの(あっさりしたもの、辛いもの)の気分じゃない。そういうことってありますよね。本にも同じような感覚があるのです。気持ちが乗らないとしか言いようのない感覚があるのです。

読むべきタイミングで読みたい本と遭遇するのは難しい。でもそれを求めて今日も本を手に取るのです。

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