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組織立ち上げのマネージャー1年生として学んだこと

こんにちは。今日はマネージャー1年生として学んだこと・体験したことを簡単にまとめてみました。本当は年末に書きたかったのですが、間に合わずすっかり新年も明けてしまいました。組織表の上で正式にマネージャーとなったのは、今年度(4月)からなのですがチームメンバーが増えたのはちょうど1年前からなので、その振り返りとして書き出してみます。

結論:チームを率いるために大切にしていること

自らで組織にて実現したいことを明確にし、それをメンバーと共有することで、組織を率いて推進する!

注)マネージャーとは言いつつも、最近増えたメンバーを含めて3人のチームです。そのため、まだまだマネージングプレーヤーとしての側面が強いです。

経緯

もともと複数部署を束ねる上司(General Manager)と自分の二人で進めてきた取り組み(新規事業)が少しずつ大きくなってきたため、組織拡大のための新規採用を試みることに。
運良く良いメンバーと巡り会えて、1人目のチームメンバー(ローカルスタッフ)を迎えることができました。
その後、新年度を迎えるに当たって、小規模チームのマネージャーになることになりました。

新メンバーを迎い入れたときはあまり深く考えていなかったのですが、よく考えるとこれまでマネージャーとして何をするべきか学んだこともなく、社内での研修もありませんでした。周囲からの指摘もあり、急激にこのまま漠然とマネージャーという業務を迎えては行けないと思い、取り組んだことを本記事にまとめます。

その成果があったのか、無かったのか、たった1人で始めた活動が、今では更に1人メンバーを加えて3人での活動にすることができました!

マネージャー1年生として心がけた3つのこと

1.入門書を読む

なにはともあれ右も左も分からないので、まずは先人の知恵を借りることにしました。正直、もっとインプットをしないとまずいのですが、取り急ぎここまで読んだ書籍と役立った点を共有します。

中原 淳『駆け出しマネジャーの成長論 - 7つの挑戦課題を「科学」する』

まさに自分の現状にぴったりな本でした。書かれている内容のどれも、ずばり自分の状況を描写していて、大変参考になりました。右も左も分からないなかで、羅針盤となる一冊でした。

特に、本書で紹介されていた「マネージャーの定義」にすべての納得が詰め込まれていました。

Getting things done through others.
(他者を通じて、物事を成し遂げる)

Harold KoontzCyril J. O'Donnell

これまでなんとなく持っていたマネージャーへの悪いイメージとして、自分で手を動かさずに管理ばっかりしている、があったのですが、ここでそれが誤っていることに気づきました。メンバーを管理することが目的ではなく、あくまで成し遂げたい目的に対して、みんなでそれを目指すための旗振り役である、という理解はマネージャーになることを控えていたことへのわだかまりを解消してくれました。

また、本書内で示されていた、新しくマネージャーになる人々の環境変化がまさに現状を言い当てていて、自分だけだけが特別難しい状況に置かれていないということがわかって勇気づけられました。

具体的には下記点になります。

  1. 突然化

    • 転職した2年前の時点では、自分がマネージャーになるなんて全く思っていなかった

    • むしろ前職ではマネジメントパスへ向かうことを抵抗していたくらい

  2. 二重化

    • チームの人数もまだ少なく、完全にマネジメントプレイヤー状態

    • 現状、マネジメントは30%程度

  3. 多様化

    • 年齢層は近いメンバーだけれども、当然ながらタイ人メンバーであり、バックグラウンドは異なる

  4. 煩雑化

    • マネージャーになってから、自分の実務を進めるだけでなく外部(他部署・社外)とのコラボレーション・調整が圧倒的に増えた

  5. 若年化

    • 早いかどうかは人それぞれだが、20代のうちに経験することはできたことはよかった

さらに、本書内で重要だと感じて実践しようとしたことの1つとして、目標咀嚼に関する箇所がありました。

マネージャーの役割は「翻訳機」なのです。マネージャーは「がらんどう」のパイプをつくるのではなく、情報を加工し、翻訳を行わなければなりません。上から会社が伝えてきた情報を加工・翻訳し、下に自分の言葉でわかりやすく伝える。それがマネージャーに求められることなのです。

中原 淳『駆け出しマネジャーの成長論 - 7つの挑戦課題を「科学」する』

特にこの点は、社内の他部署でも不十分だと感じる点が多いなかで、社内状況にとらわれずに取り組むべき方向性を把握することができました。
本書を通じて、新人マネージャーとして自らが直面するであろう場面・課題を先回りして把握することができました。

本間浩輔『ヤフーの1on1―部下を成長させるコミュニケーションの技法』

駆け出しマネージャーの成長論を踏まえて、組織運営を進めてみると、嬉しいことに、新しいことにチャレンジするメンバーとその成長を少しずつ感じられるようになってきました。この成長を最大化するために、どんな手助けができるのだろう、と考えていたときに1on1という方法が利用されていることを知りました。1on1のことは、言葉としては知っていましたが、制度として運用されている組織で勤務したこともなく、ただの面談程度に捉えていました。しかし、この本を通じて面談することが目的ではなく、「対話」することが重要だということを学ぶことができました。

本書の中では、1on1の目的から具体的な進め方まで、始めてみるための情報はほとんど含まれています。1on1の本質を理解しないまま、突っ走ることにならなくて助かりました。

特に「経験学習を促進させる」という目的は、私個人の経験ともマッチしていて、腑に落ちた状態で理解することができました。

結果的に、現在は月1回の1on1を実施しています。本書内では1-2週間に一度と言われているのに、月1回としている理由としては、まだ少人数チームであることから業務内で話し合う事が多く、過剰にならないようにと考えているからです。(これとは別の課題として、全社的に業務サイクルが遅いという側面もあります)

中原 淳『フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術』

1冊目に引き続き、中原先生の著書になります。前述の1on1について学んだ後、「最も難しいのは1on1を制度化することではなく、そこで良いフィードバックをすることでは??」となり、読み始めました。

1on1を始めたかった理由としても、より良く成長してもらいたいというモチベーションでしたので、自然と次の興味はこの方向性に向きました。

一通り読了したものの、前述の通りバックグラウンドが異なること+お互いに外国語である英語コミュニケーションの状況を踏まえて、具体的な活用方法はまだまだ模索段階です。

とはいえ、1つ確信できたことは、なんだかんだ重要なことは「相手に対して真摯」でいることだと再認識しました。

2.情報は可能な限りオープンに共有

駆け出しマネージャーの成長論にも書かれていたとおり、マネージャーになることで体外的なコミュニケーションが増え、獲得できる情報が非常に多くなりました。特に、人間関係のハブとなることで、自分を経由して情報がやり取りされる感覚というのを味わう事ができました。
また、新規事業企画という特性上、関わるプロジェクトの全体像を把握する必要性が強いとこからも、背景情報を含めて幅広い情報を得るようになりました。

一方で、トヨタ自動車での年頭挨拶動画でも触れられているように、従来の働き方では「情報を持っている人が偉い」という風潮が根強いかと思います。マネージャーとして組織の階段を1つ上がることと、情報を独占して偉ぶることは決して無関係ではないと感じました。

しかし、環境変化の激しい現在のビジネス環境では、1人のマネージャーがメンバーが直面しているすべての状況を把握し、対処法を伝達することは不可能だと思います。そのため、1人1人が自分で考え、意思決定をして、行動することが不可欠です。
そして、チームメンバーが自分で意思決定をするための材料が「判断する軸」と「情報」になると考えています(考える軸に関しては次節)。
当然ながら、組織として個人情報を始めとした機密情報をすべて共有するわけにはいきませんが、可能な限り自分の知り得た情報をシェアするように心がけています。

とはいえ、情報を共有するためには時間もかかります。一人ひとりとコミュニケーションを取り、前提知識を共有しながら、伝えていかなければなりません。しかし、この時間は1on1やフィードバックでの「対話」を促すきっHigh高優先度タスクだと位置付けて取り組んでいます。たまたま私が日々の定常業務に忙殺されていないからこそ言える綺麗事かもしれませんが、今後も可能な限りこの方針を継続していきたいと考えています。

3.方針は明確に、ビジョンでチームを率いる

マネージャーになる以前の私とその周囲との協業方法における悪かった点として「仕事を頼んだ相手をコントロールしようとしていた」ことがあったと、今では反省しています(学生時代にサークルの代表をしていたときからの悩みでした)。
しかし、上述の書籍や上司の話を聞きながら、この方法が幻想でしかないことを学びました。もしかすると、この気付きがマネージャーとしての最初の一歩だったかもしれません

その上でどうするべきか?前述の通り、各メンバーが判断できるようになるための材料を可能な限り提供することを1つの方針として採用しています。材料は前述の通り「考える軸」と「情報」。本節でのタイトルとしている「方針」や「ビジョン」がそのになると考えています。
これらを明確にするためには、自分たちの組織が何を実現するための組織なのか?それこそ、どのように組織の目標を咀嚼するのか?が問われてきます。これらの具体的な方法は、私もまだまだ勉強中の身であり、また別の機会にお話できればと考えておりますが、今現在、最低限言えることは、例え誤っていたとしても、自分が信じるビジョンを打ち立て・共有して、メンバーから少しでも共感をもらうことが第一歩になるのではないでしょうか。

おわりに

私自身、社会人として・マネージャーとしてまだまだ発展途上です。ここで記していることも今後大きく変わるかもしれません。それでも、この異国地においても、変化の激しい時代・業界に対して、「自分自身」も「チーム」も対応し・変化し続けられるように、日々切磋琢磨していけるような組織にしていきたいと考えています。
マネージャー1年生としての奮闘や考えたことを備忘録としてここに記します。

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