トイレから聞こえてくる。 「マイヌェームイズ、ドゥアーイキー!」 次の日も聞こえてくる。 「オールウェイズ!オールウェイズ!」 大きな独り言だ。 彼は、新しい挑戦としてオンライン英会話を始めた。 「英会話はじめようかな」と言った翌日には、もう授業を受けていた。流石の行動力である。 "日本語喋れます"の先生を血眼になって予約しているにも関わらず、いざレッスンが始まると、日本語はカタコトすら話せない先生ばかり。 彼の英語レベルは小学生以下なので、私だったら心が折れてし
彼は、生粋のバスケ人間だ。 バスケには全勢力を注ぎ、四六時中バスケのことを考えている。 東京出張の日。 飛行機で隣に座る彼が、なにやら動いているのがわかる。 …ん? 横目でチラッと見ると、なんとエアドリブルをしている。 エアギターならぬエアドリブルだ。 隣で周囲の視線に恥ずかしがる私には気付きもせず、ドンドドンッと聞こえてきそうな動きで、一定のリズムを刻んでいる。 そんな彼は、バスケ以外の全てに関して、ほぼ無関心である。何を聞いても、相談しても、答えは必ず 「
私は堀田大暉のマネージャーだ。そして、少なくとも今の時代を生きている"人類"の中では、最も堀田大暉の生態を理解していると自負している。 この、"人類"というのがミソで、彼は犬や魚、イルカやゴリラなど、言葉をもたない生物たちとは、意志を持たずに通じ合っているのだ。 私がどんなに観察と研究を重ねて、堀田大暉を理解しようと努めたとしても、意志を持たずに通じ合ってしまっているのだから、言葉を持たない生物たちには敵うはずもない。 言葉を持たない生物といえば、赤ちゃんもそうだ。彼は