見出し画像

部屋にあるはずのないもの都内某所 20代女性体験談

その日私は仕事で外出をしていました。
数時間後、仕事も終わり帰宅をしていると一本の電話がかかってきました。

相手は住んでいるマンションの大家さんでした。
私はその名前の表示に少しビックリしました。
普段家賃も滞らないし、ゴミの日だってしっかり守っている。

だから、大家さんから電話がかかっていることなんてめったにあることではなかったのです。
疑問に思い通話を押すと、電話口から安堵のため息が聞こえてきました。

「あー!よかった!!今どこなの!?」

「え?あー、今日は仕事だったので家は空けていました・・・もうすぐで着きますけど」

「じゃあ、お部屋のことは何も知らないのね?」

「え、私の部屋がどうかしたんですか?」

「あのね・・・落ち着いて聞いてね?さっきね、急にドーン!ってマンション中に響く大きな音がしたの。何かがすごい勢いでぶつかったような衝撃音が。それで慌てて外へ飛び出してみたら、あなたの部屋の窓からすごい煙が出てて、異変に気付いた他の部屋の人たちと一緒に合鍵使って部屋の中の様子を見させてもらったの、そしたら・・」

めったにない大家さんからの電話は理解が到底及ぶ物ではありませんでした。
なので、そこは一旦無視して、そもそもの所について返答をしました。

「ちょっと待ってください!勝手に鍵を開けるなんて!ましてや他の人にも部屋見せるなんて酷いですよ!もう目の前なんで直接聞きますから!」

そうまくし立て、慌ててエントランスを抜け自分の部屋前まで行くと、大家さんを含め、挨拶する程度ではあるけど顔見知りの住人が何人か立っているのが見えました。

「あ、ご、ごめんなさいね。でも、あんな大きな音が聞こえたからパニックになっちゃって。」

「一体何なんですか!電話でも意味分かんないこと言ってたし!自分で確かめますからどいてください!」

そう言って、強引に割り込んで自分の部屋へ入ると、目の前には一瞬では理解できない異様な光景が広がっていました。

「なに・・・これ・・・・」
「わからない・・唯一、[標識]ということはわかるんだけど・・・」

そこには部屋中に無数の標識が刺さっていました。
しかもそれらは一本一本支柱が歪んでおり、枯れたまま放置された花の様でした。

「え・・これって・・・」

私は更にあることに気付き、顔か一気に血の気が引くのがわかりました。
その歪んだ標識達にはビックリマークが書かれていたのです。
確かビックリマークは「その他危険」を表していて、通常は道路標識として扱われている物のはず。
それが突如自分の部屋に、しかも無数に歪んだ状態で刺さっている・・。

この場合のその他危険ってなんなのか、どんな危険が私の部屋かやって来てしまうのか。

わからないし、知りたくもないので、すぐに自分の部屋の荷物をまとめ始めました。

すこしでもいいなと思ったらサポートよろしくお願いします!今後のインプット、自身のレベルアップを経て、皆様に楽しい時間を提供させていただければと思います。