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不安は人間を強くさせる?
これは、厚生労働省の自殺者人数のグラフだ。
年ごとに何月にどのくらいの自殺者が出ているかを、比較するグラフ。
で、色々あった今年はどうなの?ということだが、一番下にある赤の実線が今年の自殺者数になる。
つまり、かなり減っている。
今まで「平和ボケ」などと言われる中、突然2020年にやってきたコロナ騒動は、私たちの生命力を強くさせたのか?
これは、2011年の東日本大震災の時もそうだった。
人は、不安が高まると生命を守る本能がある。
もしかすると、あなたは今 何かの不安に震えているかもしれない。
早くその不安がなくなってしまえば、幸せになれるかもしれないと・・。
でも、自殺者数の例でもある通り、私たちは不安があるからこそそれを守ろうとする本能がようやく能力を発揮するようだ。
これは、「命は無限だ」という意識から、「命は有限だ」という意識に変わるからかもしれない。
このように、「不安はあって当たり前だ」という考え方がある。
このことを、森田療法の森田氏は「不安常住」と言った。
それを排除したり避けようとすると、その回避行動に悩まされることになる。
なぜなら、回避行動はやめられなくなるからだ。
ついには、回避行動が目的になって 途中でわけがわからなくなってしまう。
一度嘘をつくと、その嘘を隠すためにまた嘘をつくように、回避行動を回避するための回避行動・・となっていく。
つまり、逃げ出したらきりがない。
じゃぁ、どうしたら良いか?
先ほどの森田氏は、恐怖があるなら逃げずに突入してみたら良い、という。
これを、「恐怖突入」と言った。
今の状況は、まさにウィルスから逃げたくても、国外に出ることも難しいような、逃げられない状況、つまり「恐怖突入」の状態が作り出されている。
そこまでくると、人間は逃げ場を失って逆に強くなる。
怖いことから逃げると、余計に怖くなり
どうしようもないから、逃げるのをやめたらそれほど怖くなかった。
そんなことは、よくある。
この「恐怖突入」は、毎日のちょっとした挑戦によって、練習を重ねることができる。
一人で入れない店に入ってみるのも、「恐怖突入」の一つ。
そのような挑戦を積み重ねていく。
そう考えると、私たちはこんな小さな挑戦が怖くて、全てが怖くなっているのかもしれない。
これは、ゼロか100の歪んだ思考で、「小さな挑戦も怖くてできないなら、全てができないに決まっている。つまり、私はダメ人間だ」という思い込みだ。
逆に言えば、ゼロを100でなくても、1にすることができたら、その先は100だけではなく、2とか16などに増やすこともできる。
もし、この騒動で命が助かったのであれば、せっかくの命だから、いろんな挑戦をしてみても良いかと考えてみたりする。
今までは100を目指していたから、尻込みしていたのだ。
つまり、不安なんかに怯えるのは、もったいないと感じる。
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