見出し画像

ウィーンホール死の四行詩

追記: 大学院生活で鬱々としてきたら迷わず心理カウンセラーと会ってください。私もそうしてました。

ときどき思い出すカーネギーメロン大学の黒歴史。ブルータリズムよろしくコンクリートむき出しのウィーンホールは理数系学科がひしめくダンジョンで、2009年におしゃれなゲイツセンターが完成するまではコンピュータ・サイエンスの牙城でもありました。私も授業等でよく足を運んだのですが、メインの入口を入って確か右手の方向に薄暗いコンクリートの螺旋階段があるんです。そこを登っていくと、階段の側面コンクリートに嫌でも目に入るポエムが。

"If you're feeling like a jerk
'cause your project just won't work
go ahead and take the leap
then you'll finally get some sleep."

(もし、自分のプロジェクトがうまくいかなくて嫌な思いをしているのなら、どうぞ飛び込みなさい。そうすれば、やっと眠れるようになります。)

悪趣味にも、一階に一行ずつ書いてあるんです。ぞっとしますよね。そして思わず手すりごしに階下、螺旋の中を覗くんです。すると一番下の階の床には誰かが投げ落とした旧式のCRTモニターやコンピュータの残骸が転がってるんです。研究プロジェクトが上手く行かないストレスが爆発して誰かがやっちまったんだろうと、鬱病と常に隣り合わせの大学院生は溜息をつくわけです。私もその一人でした。

無事博士号をとって卒業して数年後、この階段で本当に飛び込み自殺が起こったニュースが目に入りました。自殺者はコンピュータ・サイエンス学部の2年生でした。

画像1


"CMU student plunges to death" - Pittsburgh Post-Gazette

この事件をきっかけに大学はようやくあのポエムを拭いっ去ったそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?