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今日もインドのどこかでポロシャツが廻っている~手放すと入ってくる不思議~

10年程前にインドの超安宿に泊まった時の話。
その日はガンジス川で有名なバラナシの宿で洗濯をして窓にポロシャツを干して昼ご飯を食べに出た。

帰ってくると干していたポロシャツがない。
落ちたかなーと思って窓から下を見たのだが、下にも何もない。
もしかしたらスタッフが回収してくれてるかもと思ってフロントに行ってみる。

常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクション

私:「窓際に干していたポロシャツがなくなったんだ。」
ス:「それは大変だな!こちらには届いてないぜ。どんな色のどんなカタチだい?」
私:「紺色のポロシャツでボタンは白だ」
ス:「ふむふむ、何とかして見つかるといいな!ちょっと他のスタッフにも聴いてみるぜ!」

と親身な雰囲気でサイズとか色々聞いては神妙な顔でメモを取っている。

傍から見ると、とても頼りがいがあって親切な対応だろう。

しかしそのやり取りの間、私は圧倒的な違和感を感じていた。

理由はそのスタッフの兄ちゃんが着ているポロシャツに他ならない。

そう!そんな感じのって、、、
まさにそれやねん!
どう見ても!

ちょっとタグ見せてくれ。
ビンゴ!ユニクロ!自分の漢字の名前入り!

しかし、無情にもそのポロシャツにはそのスタッフの強烈な体臭がついていたので、もう使用不可能なスパイシー過ぎる香りを放つポロシャツになっていた。

意味のない質問やメモとか、神妙な顔とか、なんでそれでいける(誤魔化せる)と思ったのかとか、色々突っ込みどころ満載だがここはインド。

常識とは 18 歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない。
by アインシュタイン

私の常識と彼の常識が違っただけの話。

アインシュタインの名言は個性に着目し分析をするようになってから余計に響く。

常識は個性の質によって異なるもの。

このインドでのやり取りはなかなか極端だが、捉え方や文化、生活環境の違いから人によっての「当たり前」は根本的に違う。

人間関係の摩擦や不協和音の最大の原因は性格の不一致だか、ここでいう性格とはその人の常識=当たり前が人それぞれ違うことを指す。

みんな自分の見方が正しいと思ってるけど、個性毎に全くちがう。
面白いほどに。

個性の質が違うということは当然大切にしていることも喜怒哀楽のポイントも変わってくる。

その人の性格が才能(タレンティズム)にも大いに関係している部分がある。

だから一人ひとり性格が違って才能も違うので面白いのだが、自分が絶対に正しいと思っていると違いにを受け入れられずにストレスがかかりまくる人生となってしまう。

そんな時は大きく深呼吸してゆとりを持ちたい。

手放すと入ってくる不思議な法則

どちらにしろそのポロシャツはもう臭いがキツ過ぎて着れないという事実。

交渉の結果、それまでの宿代(500円くらい)と相殺してスタッフにスパイシーポロシャツを献上し宿を移った。

その日の夕飯時に翌日に帰国する友人にこの話をすると笑いながらじゃあ俺のあげるよとポロシャツをプレゼントしてくれた。

手放すと入ってくるという不思議な法則。

今日もきっとインドのどこかでポロシャツが廻っているだろう。

スパイシーな香りと共に。


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