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2022/02/15【GAFA】膨大な個人データ活用ビジネスの格差、Big Tech企業の潮目【世界情勢】#59

前回はメタ・プラットフォームズの株価暴落のお話をしましたが、今回はそれに関連し、膨大な個人データ活用ビジネスの今後について、お話をしたいと思います。

メタ(旧Facebook)の株価暴落の要因

 まず前回途中になったメタ、フェイスブックの話を纏めておきます。株価暴落の要因は、ハイテク株というだけでなく、本業の収益力が低下しているから、というお話をしました。
 具体的には、ユーザーへの訴求力がTikTokなどの競合に比べて落ちてきており、その結果広告収入が減ってきている、ということですが、更にその裏にあることは、メタ社の本当の価値は、膨大な個人データの蓄積力であり、こちらも相対的な優位性が揺らいできている、ということです。
 フェイスブック29億、ワッツアップ20億、インスタグラム10億、という膨大なユーザー数の大量の嗜好データを自由に扱える(本当は自由に使うことは大問題なのですがメタ社は自社の金儲けの為に自由に使ってきた訳です)、それが、ここのところメタ社だけが特別に強いわけでも無くなってきている、今までこの業界は、膨大な個人データを保有することが絶対的な優位であり、ゼロサムの勝者総取りゲームと言われてきたのですが、このながれ、独占/寡占状態が変わって来つつあるのが、今回の変化の最大の特徴だと思います。

個人データ×市場

個人データ蓄積力としての競争相手といえば、一番の強敵はグーグルです。彼らは、検索エンジンやブラウザからのアクセスはもちろん、アンドロイドのスマホから1日1200のデータポイントをユーザーから集めてグーグルに送っている、と言われていますし、子会社のYouTubeがユーザー数20億人ですので、合わせれば膨大な個人データを保有しており、そしてグーグルも、この個人データを本当の顧客である広告主に売る行為を行っています。
グーグル以外でも、巨大SNS企業は全て、例えばTikTok、WeChat、Weiboの中国企業、Linkedin、Line、そしてツイッターなど、は、個人データ蓄積の競合と言え、やはり数年間という時間軸が有れば、如何に絶対的と思われていても、追いついてくる競合が出てくることを示していると思われ、止まっては行けない、常に進化し続けなければならないことを強く感じさせます。

ビックテック企業とGAFAと次世代テック企業

そういう意味では、今は明らかにビックテック企業の潮目だと思います。最大の変化は、一年前には想像も出来なかった、勝ち組と負け組がGAFAの中にも出てくる、と言うことです。その要因を簡単に言うと実に基本的な世の中の競争論理が働いていて、ゼロサムの総取りと言われたこの世界が実際はそうではなかった、競合が出てくる。そして、常に進化し続けなければならないが、次の事業が育つまでは株価が下落し、巨大な投資に耐えられない可能性もゼロではない、そして、変化のスピードが速いハイテク業界の戦いは、次の事業にどれだけ独自優位性があるかどうか、のバーが数段上がっている、ということです。
メタ社も、昨年から社名を変えて、SNS企業からメタバース企業になる、と宣言していますが、それらの新事業の行く末に期待しつつ、一方で、GAFAの一角であるメタさえこうなる中で、次世代テック企業と言われるこれからの企業が一体どうなっていくのか、見守りたいと思います。

今回の内容を動画で見たい方はこちら↓



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