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介護や医療や福祉のこと

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医療や介護についての記事をまとめています。
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#介護

空振りOKの防災の考え方〜この3年くらいでデイサービスの経営者・事業責任者になった方へ〜

災害の予見可能性は程度がある。 例えば、地震については30年以内に70%など、いつ起こるかは極めてわかりにくい。 一方で、線状降水帯や台風などによる大雨、洪水については、1時間単位で予測がされるなど精度が高くなってきている。 今回の記事では、この後者について考えていきたい。 責任者の方は、大雨、洪水によって事業実施の判断について迷ったことがあるのではないだろうか。休業した場合、その経済損失よりも、実際には大した雨じゃなかったという結果に対する判断の過ちを恐れる傾向があるよ

CCRCは介護難民問題のソリューションの一つになるか。

超高齢社会+少子化+円安+物価高+地方自治を考えると、今更ながら、CCRCの考え方がとても大事なフェーズになってきたと感じます。 というより、これからが本番ではないかと。 すでに日本で主要な産業(この5年で産業別で労働人口が最も増えたのが医療福祉人材)である医療福祉産業及び、その担い手を維持することが、地方の人口や少子化対策の一つとなります。ちなみに、産業別労働人人口では医療介護は第3位となります(2022年就業構造基本調査) しかし、2025問題の大きな要素の一つは、都

消滅可能性地域では、介護事業だけ行ってたらダメ

その地域の持続可能性によって、取るべき戦略は変わる。 人口減少社会においても都市部のように持続する可能性の高い地域と、逆に消滅する可能性の高い地域では、どのように事業を営んでいくのか当然変わってくる。 現在の先進事例や華々しい活躍をしている事業所が、もし都市部である場合、過疎地域においては全く参考にならない可能性が高い。 自分の立地地域の将来性を見据え、どのような戦略を取っていくのか、しっかり考えていこう。 また同じような地域でも、劣化コピーにならないようにしていかなけれ

なぜ、医療、介護従事者はビジネスという言葉に嫌悪感を抱くのか?から考える色々。

僕自身、社会保険事業において、ビジネスという言葉に嫌悪感や違和感を抱く一人である。 その一方で、人を雇用し、持続可能な仕事を作る上で、向き合わなければならない言葉でもあり、僕はビジネスを「経済活動」として捉え使用している。 そもそも、ビジネスとはどのような意味なのか。 デジタル大辞林によれば、ビジネスとは下記の意味である。 1の「仕事」という意味であれば特に嫌悪感を抱くことはないだろうが、2の「利益の追求のみを〜仕事」という意味も包括するが故に嫌悪感を抱く方が多いのでは

介護が必要な人”も”良くなることはあります。むしろ普通です。

私たちは、「卒業させるデイサービス」を運営している訳ではなく、良くなったら終了(卒業)したいと思う人に、そういう選択肢をありますよと提示しているデイサービス。 なので、「卒業"も"できるデイサービス」と良く言っている。 この、"も"がとても重要。 卒業するか、卒業しないかは最終的には、ご本人が決めるので、僕たちが卒業"させる”ことなんか出来ない。 決めるのは本人なのだ。 介護保険の基本理念である、「自己決定」。 ・本人がどんな暮らしをしたいか? ・そこに適切な選

医療、介護教育における性的配慮

最近、ご縁があって、私たち医療、福祉従事者への性的配慮について学び始めました。 ココロとカラダの不一致LGBTについても、名前は知っているものの、いざ本を読んでセクシャリティーについて学ぶと、ほとんど無知だったことに気づきました。 また、メンタルヘルスの深刻さ(自殺企図や自殺未遂、自傷行為など)についても、数値で初めて知りました。 読んだのは、いつかのプログラムでご一緒した、ReBitの藥師さんたちの書籍。これ、本当に分かりやすく書かれているので、おすすめです。 ココ

「地域自治」と「医療や介護」のあり方について思うこと。

「自治体が医療(病院など)を持っていることには意味がある。」 以前、ある勉強会で地域包括ケアの先進的な方(医師)が言っていた。 当時は、あまり意味が分からなかった。 自治体の医療(病院など)には、外から見ても問題点がある。 例えば、 ・慢性的な赤字経営 ・相場からかけ離れた人件費 ・保守的で柔軟性が低い ・医療機関と住民の相互依存など 最近になって、冒頭の石の言葉が、少しだけ理解できるようになってきた。 医療は経済合理性だけで語るべきではない「こんなこと言われなく

COVID-19に対する通所系サービスの対応(案)〜新型コロナウイルス関係第4報〜

介護、福祉関係の動向とこれから〜新型コロナウイルス関係第3報〜(2020_3_6_11:00)

厚労省、DMATや感染症のプロの方、そして自治体や保健所、外来の医師や看護師、学校関係者や保育園、学童保育の方など。 多くの方の尽力のおかげで、これまでの暮らしが継続してきました。 ここからは、僕たち一人一人。 ここまでの対応に様々な声や意見はあるかもしれないけど、それは後にするとして、今はこれからをどう見据えるか。 変に悲観する必要もないし、楽観する必要もない。 事実を見つめ、事態を想定し、準備をする。 2月下旬〜3/6までの介護、福祉系の動向と、今後の想定

3/2以降の高齢者に起こると予測される3つのコトと対策〜新型コロナウイルス第1報〜

3/2以降の学校休校に伴って、緊急性は低いですが重要性が高いと予測されるコトについて記載します。(2月29日15時時点) ①高齢者医療、介護における需要の増大と供給の減少 3/2以降、子供を自宅に置いておくことが難しい従事者がいるため、供給量は減少します。既に、全国に先駆けて休校を実施した北海道で、看護師が出勤できず外来が休診となりました。 その一方で、今の政策においては需要は増えると思います。 その結果、重症度の高い患者、利用者に医療や介護の資源は供給されるようになる

「宮城県が介護職員の週休3日制を支援へ」を考える

2/13に、全国初の取り組みを宮城県が実施すると報道があった。 宮城県が実施する介護職員の週休3日制とは背景は、 県によると、県内の介護職員数は平成28年時点で3万931人。令和7年度には3万9635人が必要と推計され、4755人の不足が見込まれることから、将来を見据えた介護人材の確保が課題となっている。 この受給予測に関する資料は、2/5に宮城県のプレスリリースで。 実現すると、 週休3日制の導入により休日が年間約50日増える それに向けて宮城県は、 県は令和

リスク管理から考えるケアのセオリーオブチェンジ

要介護者は、「社会参加」の前に「生活参加」を考えた方が良いと思う。

その人にとって大事なのは、どのような社会へのどのような参加なのだろうか?一般的に介護から卒業することや、介護状態の予防の取り組みにおいて、受け皿となる通いの場が必要と言われることが多いが、これでは不十分だと思っています。 地域づくりによる介護予防を推進するための手引き もちろん、自宅の外に、週に何回、誰と、何をするのか、という社会参加は重要であり、社会的孤立自体の現状や予防は極めて重要です。 健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間の AGES コ

理学療法士だから理学療法士に投票するって本気ですか?

2019年7月21日に投開票を迎える参議院議員選挙。 僕は今だに、誰に投票するか悩んでいる。 比例代表の候補者は数名おり、絞りきれていない。 皆さんはどうでしょうか? 悩むのは、「理想」と「現実」。 理想が大きくても、与党にならなければ実行力がない。 一方、現実の延長に、日本が暮らしが豊かになるとは思えない。 故に悩みます。 さて、本題です。 僕は理学療法士です。 当然、悩んでいる立候補者の一人が理学療法士です。 一方で、私たちの仕事は、病気や障害を抱えた人の全人間的復