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酒蔵見学レポート:鍋店株式会社・飯沼本家@千葉県

7月某日、千葉県にある鍋店株式会社・飯沼本家を見学してきました。
今回はその様子をレポートします。

■鍋店株式会社

代表銘柄は“仁勇”・“不動”。
案内していただいたのは営業の清水さん。
はじめに概要説明(なんなら講義に近い)があった他、見学の道中でもいろいろなことを教えていただけました。

写真に簡単に説明をつけていますので、そちらも参照ください。

入口
よくあるオブジェ
釜を再利用
説明場所
対応いただいた清水さん
かなりしっかりとした資料でした
まずは精米の場所から
蔵内
タンク類を上から
酒母室
中は非公開
絞りにつかう薮田
瓶詰めのライン
ここを瓶が流れていく
売店
試飲させていただいたもの1
試飲させていただいたもの2
製品一覧
こちらも製品一覧
冷蔵機能を完備した倉庫。中は諸事情で撮影NG。

・トータル石高:7000-8000石。仁勇で2300石、不動で730石→あと2年で1000石にはいきそう
・2022年時点では創業335年
・かつては新潟杜氏、南部杜氏がいたが、社長命令で1997年から社員による酒造りに切り替え開始。
・仕込み水は利根川水流由来
・サーマルタンク(水冷式):お値段は一つ600-700万円くらい
・火入:パストライザーを使うと出荷ペースに間に合わないのでプレート使用。パストライザーの方が品質が良いのは重々承知なのだが、と葛藤あり。
・倉庫:15度、0度、マイナス5度と温度分けして管理。ほぼすべて瓶貯蔵。
・主な使用米
秋田県:あきた酒小町、美山錦
山形県:出羽散々
岡山県:雄町
兵庫県:山田錦
北海道:彗星
千葉県:ふさこがね、総の舞

現地でのメモ


■発酵の里こうざき

途中でこちらにも寄り道しました。

神崎とかいて「こうざき」と読む。

さすがに発酵をテーマにした道の駅ということで、取り扱うものは発酵食品のオンパレード!
通常の道の駅ではなかなか見られない光景でした。

さて、ここからまた移動です。1時間かからない程度で、次の目的地の飯沼本家へ。

■飯沼本家

代表銘柄は“甲子正宗”。
到着するやいなや、蔵の方がすぐに案内していただけました。

入口
立派な門構え
集合写真スポット
蔵入口
上から覗き込む。造りのステップに応じて上から下へと縦に動いて行きます
連続蒸米機
正面から
タンク
埋め込まれてます
1万リットル超えのタンク
天空に浮く薮田
薮田のすぐ横に火入の機械。ここも上から下へ。搾ったものをすぐに火入れできるようになっています
昭和蔵・倉庫になっています。分厚いコンクリートでひんやりしてます。
過去はここでイベントが開催されていたとのこと。
歴史を感じる看板
工事が終わり完成したomoya(レストラン)
中はこんな感じ
趣あります
おいしゅうございました
おまけのブルーベリー狩り。蔵から歩いて1分くらい。
9種類も品種があるとのこと!
色によって品種がわかるようになっています
直接もぎとりOK
品種によって味が全然違う

・石高:500-600石くらい。
・かつては南部杜氏の流れをくむ
・昭和蔵と大正蔵、別途で貯蔵蔵=昭和32 年に製造
・大正蔵:柱がない。=当時珍しかった。いま貯蔵スペースに。
・精米後はパイプで別の建物からメインの作業場に送られる
・佐瀬式:いまは使用せず
・薮田式:機械を上に上げてる=上から下に落として火入に回せるように。重力を使って効率化。
・omoyaの料亭:テーブルはもともと酒搾る時の木を再利用したもの
・甕覗き酒→上撰の酒を甕に豪快に入れて柄杓でいただく
・開催されたミニゲームの3択クイズ:
この中で国内の生産が一番多いのは(清酒、ワイン、ウイスキー)
千葉県には何蔵あるか(21・37・45)
一般的な製造工程は何日(40日、90日、120日)
甲子の前に作っていた銘柄は(初雪、初花、初霜)
千葉で作るのに適さない米は(山田錦、五百万石、美山錦

現地でのメモ

■現地の様子、雰囲気や印象的なことなど

鍋店の規模感が予想以上に大きかった。
まぁ、千葉県でこれだけの規模で作っているところも少ないですし。納得です。
(もっと大きい規模で酒造りをしているところ、それこそ灘・伏見などの大手の酒造メーカーならなおさら工場感が強いのでしょうけど)
そしてほぼすべてを瓶貯蔵、そして3つの温度帯に分けた倉庫は圧巻でした。

飯沼本家は2回目の訪問でしたが、その時に工事していたomoyaが完成し、とても良い空間になっていました。
そして惚れ惚れする機能美、効率化の塊ともいえる蔵の構造。目を見張るものがあります。
また、ブルーベリー狩りという嬉しいおまけもついてきました。
お米などと同じく品種がそんなにブルーベリーでもわかれているとはついぞ思いませんでした。味も全然違いましたし、奥深い世界です。
充実した蔵見学になりました。

■終わりに

何度行っても楽しい蔵見学。
こんなご時世ですが、行けるタイミングではなるべく行って、勉強してきたいですね。

ご覧いただきありがとうございました。

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