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死ぬ確率を減らす

2020年10月23日 「一つの線の両端に【成功】と【失敗】がある」と思っている人がいますが・・・

おはようございます。
「映画公開を記念して作った映画バージョンの表紙の絵本『えんとつ町のプペル』は、本屋さんの応援をしたいからオンラインでは販売しない」と発表して、自社のECサイトでの販売を取り止めましたが、どうやらAmazonでは普通に売っているらしいのですが、今さら「Amazonでは売ってるみたい。。」と言えないので、最後まで隠し通すことを決めたキングコング西野です。
#絶対に謝れない戦いがここにある
#でもAmazonだと通常版が届くかもしれないから気をつけて
#本屋へGO

さて。
今日は『死なないように戦う』というテーマでお話ししたいと思います。
ここ最近、やたらとオラついた投稿が続いたので、今日はものすご~く抽象的で、かつ、全員が転用できる話です。

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▼ 前売り券を売り続ける映画『えんとつ町のプペル』
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皆様に御協力いただき、さらには鴨頭さんや田村Pの後押しもあって、映画『えんとつ町のプペル』のムビチケは映画公開前の現段階で13万枚を突破しました。
(※鴨頭さんのクラファンは本日最終日!)

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僕らがムビチケを販売する時は「買い取り」が条件で、当初「1万枚買い取り」「3万枚買い取り」「10万枚買い取り」の三択を出されました。
そこで、膝を震わせながら「じゅうまんまいっ!」と叫んだわけですが、どうやらあの日の判断は間違いではなかったようです。

いや、「あの日の判断が間違いにならないように強引に持っていった」と言った方が正しいでしょう。
#とにかく頑張ったよ
#十万人は根性で届く数字だよ
今日は、「このアクションをどう切り取るか?」というお話をしたいと思います。

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▼ 死ぬ確率を減らす
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僕は仕事柄(キャラクター柄?)、いろんな方からお仕事の相談を受けます。
そこで、よく見かけるのが「成功する確率を上げる為の施策」が「失敗する確率を下げている」と思っている人です。

ボンヤリとした説明で申し訳ないですが……
「一つの線の両端に【成功】と【失敗】があって、【成功】の方にツマミをグググッと寄せれば、【失敗】から離れる」と思っている人がいますが……その考え方は、あまり良くないのかなぁと思っています。

「成功」と「失敗」というのは同じ線上にはなく、それぞれ別の線の上にあります。
#と考えた方がイイと思います

僕らの挑戦には、
①成功する確率を上げる線
②失敗する確率を下げる線

の二本の線があって、①は「0%」からスタートして、②は「100%」からスタートする。
当然、何もしなければ100%失敗します。
で、たとえば、僕が「映画『えんとつ町のプペル』がヒットする確率を上げる為に、映画のキャンペーン期間中だけ赤髪にして、話題を作る!」という施策を打った場合、映画『えんとつ町のプペル』がヒットする確率は上がるでしょうか?
たしかに少し話題になるかもしれませんが、それが集客に繋がる保証はありませんし、むしろ「奇をてらうヤツが作った映画かよ…行きたくないな」と思われてしまうかもしれません。

つまり、①のツマミを動かしたところで、②のツマミは動いていない……つまり、失敗する確率は100%のままです。
くわえて、①のツマミも動かせているかどうかも怪しいところ。

一方で、「映画『えんとつ町のプペル』が爆死する確率を下げる為に、前売券を13万枚手売りする!」は、それがヒットに繋がるかどうかは分かりませんが、しかし、『爆死する確率』は(僅かだけど)確実に下げることができます。
変な言い回しですが、爆死しちゃったら確実にヒットしないんです。
ここはコントロール可能な部分です。

車で例えると、「①少しでも早く目的地に着く作業」と「②事故る確率を下げる作業」って別じゃないですか?
①は「高速に乗ったのに事故渋滞にハマる」というアンコントロールな部分がある。
②は、「ブレーキオイルを新しいやつに交換していないと100%事故るから、ブレーキオイルを交換しとこう」と、事故の確率を下げることができる。

一つ確かなことは、「事故ったら目的には着かない」ということです。
なので、ブレーキオイルは100%交換しとかなくちゃいけない。
考え方としては、「僕らは成功確率を上げることは無理で、失敗確率を下げることしかできない」ぐらいにしておいた方がいいと思います。

ビジネス書だと、どうしても、①のツマミを動かすことばかりが書かれてしまうので(※その方が読み応えがある)、皆、どうしても①のツマミばかり触ってしまうのですが、順番としては②のツマミを触れるだけ触って、可能なかぎり「失敗する確率」を下げた方がいいと思います。

エグい話をすると、テレビ以外に収入源を作っていないテレビタレントは今後100%失敗します。
テレビ以外の収入源を持っているタレントは自身の収入源の宣伝になるのなら、テレビはノーギャラどころか、出演料(番組制作費)を請求されても構わないので。
#ギャラがゼロ円でも自分の宣伝になるなら朝ドラに出る俳優みたいな感じ

そんな中、テレビが収入源になっているタレントは、テレビでまとまったギャラを貰わないといけないのですが、どっこい、テレビの広告費(制作費)は下がる一方です。

テレビを成立させる為には「まとまったテレビギャラを請求してくるタレント」から外していくしかないので、テレビタレントが活動を続けようと思うのであれば「①腕を磨く」は勿論のこと、「②テレビとは別で収入源を作る」をやらないと、確実に息の根が止まります。

挑戦を続ける為に目を向けなきゃいけないのは、とにもかくにも「②失敗する確率を下げる」で、一言でまとめると「死んだら挑戦できなくなるから、まずは死ぬな」です。
#一言でまとめれんのかい

映画『えんとつ町のプペル』のムビチケ手売りは爆死回避の施策です。
地味ですか?
世界の誰よりも地味な作業をやりますよ、僕は。
現場からは以上でーす。

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