ひな祭りのケーキとケンタッキー
「ひな祭りのケーキ買ってきて」
と奥さんが言う。
ひな祭りのケーキ?雛祭りって、ケーキ買うんだっけか。
娘が生まれて14年めだが、あんまりひな祭りにケーキを買ったり作ったりした記憶がない。ひな祭りといえば、ちらし寿司とか、そういうのじゃなかっただろうか。
「あと、ケンタッキーも買ってきて」
というので、2度驚く。なぜひな祭りにケンタッキーなのかというと、どうも、「ひな祭りケンタッキー」と銘打って宣伝しているらしい。フランスで、日本ではクリスマスにケンタッキーというと死ぬほど驚かれたが(なぜターキーでなくしかもファストフードなのかと)、その比じゃないじゃないか。
まぁともかく電車に乗って横浜までケーキを買いに行くことにした。
そしてデパートのケーキ屋さんにいって驚いたのは、どこのケーキ屋さんも大行列で、みんなひな祭りのケーキを切望しているということだ。本当に、50年生きていても全然知らない文化もあるものである。ひな祭りにはケーキだったのだ。
お店のショーケースを見ると、かわいらしいおひなさま(お内裏様とお雛様)の砂糖菓子がちょこんと乗って、屏風にあたる位置に「おひなまつり」と書かれたプレートの乗っているものが多い。つまりクリスマスケーキのお雛様版みたいなやつだ。
確かにそうか、おひな祭りなんて、小さい子がメインだものな。だから、結構な高級店でもそんなふうに割と対象年齢を下げ目にしたケーキを作っているのだ。
ただうちの子はもう結構大きいので、そんなお人形の乗ったやつというより、普通のフルーツタルトみたいなのがいいな。。と思ったのだが、逆に今日はスポンジと生クリームのケーキが全盛期みたいで、なかなかみつからない。
結構探して、やっとコンパクトなホールケーキサイズのさくらんぼのムースケーキを見つけ、これだと購入する。
そして問題のケンタッキーだが、これも情報間違っていなかった。ちゃんと店頭のポスターも華々しく「ひな祭りバーレル」という9本セットが売っていた。ただ、これに関しては単に9本入った例のバケツなだけで、とくになにか雛祭り仕様というわけではなかった気がする。
とにかく、ひな祭りにはケーキとケンタッキーというのは、自分が知らなかっただけで世の中では定番の事実だったのだ。
そしてケーキを買いに行っている間に作ってくれていた、我が家でのひな祭りパーティのメニューはこちら。
はまぐりのパエリア(めちゃめちゃおいしい)、グラタン、ポテト、ケンタッキー。
なんだかんだいって、ケンタッキーもやっぱりおいしい。このメニューにもすごく合う。
ケーキはチェリーのムースケーキ。めちゃくちゃおいしい。
やっぱり、ひとが求めているものには理由がある。ひなまつりにはケンタッキーとケーキだったのだ。
うちは男兄弟だったので、ひな祭りにはとんと縁がなかったが、子供の頃にこんな風習はなかった気がする。せいぜいひなあられとか、なんか、パフパフの菱餅みたいなのじゃなかっただろうか。
やはりこう言った風習やお祭りも進化していくのだと感じたひな祭りの1日だった。
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