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フランス南西部の街(1)Beziers(ベジエ)

ベジエです。
南西部の中では比較的大きな都市で、それなりに有名です。
ぼくは個人的にもっとずっと小さな村みたいなところに滞在することが多かったので、ベジエあたりにくるとものすごい大都会に出てきたような気分になります。もちろんSNCFの駅もあります。
ほとんど知られていませんが、実は空港もあります。ベジエからはちょっと離れた、ポルティラーニュという町の近くにあります。ただし、エールフランスのサイトで見てもベジエは出てきませんので、どうやったら行けるのかはよくわかりません。

カテドラルとベジエの街


ベジエの街自体はちょっとした小高い丘のようになっています。その丘のてっぺんの見晴らしのいいところに大きなカテドラルがあり、これは有名です。

これです
これは教会の裏側
教会の中です

そのカテドラルの庭は崖を見下ろすテラスになっており、これまた見晴らしがいい。
眼下に南仏らしいのんびりした景色が広がる、大変素晴らしいところです。

この景色大好きで、待ち受けにしてました


街の中心部も、古くからの素敵な街並みや建物がたくさんあります。

これは市役所です
色合いも調和が取れてとても素敵な街並みです

ミディ運河

さて、ベジエといえば有名なのがミディ運河です。
ミディ運河自体は地中海岸のセートからトゥールーズまではしっていますが、ベジエの近辺には、「運河の橋が実際の川の上を渡っているところ」や、あのなんていうんでしょう、「運河が坂を登っていくときの水門?みたいなものが6-7個連なって船が一気に急坂を登っていくところ」などの名所がいっぱいあります。

文章で書いてもさっぱりわからないですね・・。

「運河の橋」とはこういう感じです。

これは運河の橋の上から撮っています

・・・橋の上からの写真だと全然わからないので絵で描くとこんな感じです。


「水門がいっぱい」はこれです。

坂の上から見下ろしています

みておわかりのように、結構な急坂です。真ん中辺に柵みたいなのがたくさんあるのが水門で、これを使って船がどんどん坂を登ったりおりたりするわけです。
どうやって?というのを、たまたま船がきたのを撮影しましたのでご紹介します。

これが水門です。水門の向こう側は水面が高く、こちらは低くなっているのがおわかりでしょうか。

そこに反対側から船がやってきました。

船が入りますと後ろ側の水門が閉まります。

そうしますと水ががんがん入ってきまして、

どんどん水位が上がっていきます。

そしてあっという間に、水位がこんなに上がってしまいました!

で、前の水門の向こう側と同じ水位になったところで、前の水門を開けて出て行くわけです。
ここでは6個だか7個だか連続してこの水門があり、先ほどの写真で見た急坂を登っていきます。
名所らしく、こんな案内も出ています。


まあ、そういった名所もいいですが、ミディ運河と言えば、やっぱりこの写真にあるようなのどかな散歩道です。

ときおり行き交う船などを眺めつつのんびり散策するもよし、河畔で瞑想にふけるもよし、なんというか、なんにもないんで観光的ビューポイントではないんですが、とにかくちょっと時間の使い方が贅沢な気分にはなります。

実際、ミディ運河って、世界遺産にも登録されているくらいですけれど、「運河ってなにがあるの?」と聞かれても、観光的にあんまりスペクタクルなものはないんですよね・・・。
それを求めると、さきほどの水門連発とかが関の山です。「で?」っていわれちゃうと、もう返す言葉なしです。
水だって別に清流でも激流でもなんでもなく、ただの茶色く濁った水ですからね。ジャングルクルーズと大差ありません。

ただ当地の方々には非常に人気が高く、ミディ運河クルーズなどは大変ポピュラーな豪遊となっております。なお、日本からも申し込めますが桁外れに高いです。
といっても、クルーズたって別に景色は大して変わるわけでもなく、えんえんプラタナス並木が何日も何日も続くというものですよ。※さっきの写真はたまたま糸杉並木になっていますが、ミディ運河といえばプラタナスということになっています

このあたりの感覚は、時間感覚的にも、いかにもヨーロッパ人向けの遊びっていう気がしますね。
やっぱり、余裕を持って人生を楽しむみたいな、そんなスタイルにあっていると思いますね。

運河自体は、先ほどご紹介したように、船に乗らずとも、運河ぞいを散歩をしたり、自転車に乗ったり、周辺の皆様方の生活には完全にとけ込んで、ほんとうに愛されて大事にされています。
なので、あせったり、なんかテーマパーク的なものを求めるのではなく、ゆっくり一体化して、周囲の自然とともに楽しむのが、ミディ運河をもっとも楽しめる一つの方法ではないかと思います。
17世紀以来の歴史、世界遺産としての重みも、そうすることでしみじみと実感できます。

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ちなみに、あまりにも次から次に船が来るので、これらの人々はなんでまたこんなにみんな船を持ってるんだろうかと思ったら、ちゃんとレンタルしてくれるところがあるらしく、ほとんどはミディ運河用の借り物みたいです。
なので、たまに半しろうとみたいな方もいて、水門の接岸などで大変苦労したりしていらっしゃいます。でも、確かに流れもないし、簡単に操縦できそう。

たまたま、近所のポルティラーニュという町に、有名な貸しクルーザー屋さんがあったので行ってきました。

こんなふうにたくさん船がいました
なんとなくおわかりかと思いますが、超なんにもないところです。
静かなとこでしたね・・・。
対岸には馬がいるようなところです。
これは、シャンブルドット?なんでしょうか??


※この文章は2009年に書かれたものをリライトしたもので、現在では状況が違っている場合があります。ご了承ください。でも多分たいして変わっていないと思います。


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