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I seeをバリトンサックスで演奏したら激ムズだった話

コロナ時代になってから、めっきりライブも人と一緒に演奏する機会もなくなってしまったので、去年の夏頃は動画の映像を作れるようになりたいなと練習していました。
その時に最初に作ったのがこちらの動画です。

これは当時流行っていた乃木坂46の曲で、いい曲だと思っていたのと、知名度も高そうなので課題曲にしてみました。

全部バリトンサックスで演奏

この演奏は、ドラムだけは自動演奏(MacのGarageband)ですが、それ以外はすべての音を完全にバリトンサックスだけで演奏しています。確か6パート分くらいを録音して重ねました。なのでサムネでも「ALL BARITONE SAX」と書いています。
終わってみてから思ったのですが、ベースから伴奏からメロディからハモから、全部を同じ楽器というのは企画に若干無理があったかもしれないです。同じ音だとどうしても音が混ざってしまって、ぐしゃっとしてよく聞き取れないんですよね。やっぱり、いろんな楽器の音色で音楽作るのって大事なんだなぁと思いました。

鬼の難易度

そして、それより何よりなのですが、演奏するのがハイパー難しかったです。
というのは、この演奏は完全に耳コピをしながら作っていったのですが、耳コピをして譜面を作って…と言った流れではなく、数小節ずつ耳コピした端から譜面を作らずそのまま録音をしていく、というように作っていったんですね。
まずイントロを全パートとって、次はAメロ・・という感じです。
(YouTubeのコメントでも、譜面ありますか?と聞かれましたが、考えてみれば譜面ないんですね)
それで、本物を流しながら耳コピをするわけですが、ということはずっと女の子たちの歌に合わせて耳コピをしているわけですよ。
ということは、つまり、バリトンには音が高すぎるんです。前回も書きましたが、基本「バリトン」というくらいなので、男性の声にオクターブがあっている楽器で、女性のキーだと高いんですよね。
こういう場合、通常は移調をして、もっと吹きやすい音に変えたりするのですが、「耳コピをした端から作る」という手法だったがために移調することができず、バリトンには生演奏では再現が難しいくらいの高い音のメロディーが連発することになりました。

イントロでも歌のメロディでも平気でフラジオ音(音域外の高音)が連発しますし、もっとよく聞くと、薄めに入っているサビのコーラスの音は完全に全部フラジオ音域です。

サビのところの音を楽譜化するとこうなります(inEbバリトン譜)。上がメロディ、上がハモです。
バリトンの楽譜ではおよそ見たことのない線の数。。


一番が自分的に技巧を凝らしたところは、歌でいう1番が終わったあとの間奏(と言っても全部同じ楽器だからどこが間奏か分かりにくいですが、動画で言うと1:31あたりから)じゃないでしょうか。この間奏の最後の部分(1:43位)の、すごい高い音から降ってくるフレーズがありまして、ピンポイントにこれが大変でした。実はこれは本物もサックスのソロになっていて、すごいかっこいいフラジオフレーズだったのでコピーしましたが、めちゃめちゃ難しかったです。
ただ、あんまり研究したことなかったバリトンのフラジオ音域のいい練習になりました。

その難しかったフレーズを楽譜化するとこう。たった2小節なんですが、なんか鬼気迫るものを感じる。

制作に関するもろもろ

  • ちなみに、上記のような作り方をしているので、ちょっとずつちょっとずつやって結構な日数がかかりました。そのため、日によってなんか音の質が違うとか、音の入ってくる方向が違うとかの不整合が出てしまっています。

  • 乃木坂46のMVも何度も見たので、実は曲タイトルの書体とか、ロゴの出てくるタイミングなんかは割と本家をオマージュして作っています。
    撮影したときの自分の衣装は着物を着ていますが、正直映像見てもよくわかんないし、特に着物である必然性もないので、あんまり意味なかったですね。完全にすべりました。

  • 動画編集自体は楽しかったです。前回の親子演奏は単なるiphoneの一発録りだったので、それに比べたら、まぁ録音も映像もだいぶ凝ってはいると思います。

  • 肝心の演奏の内容は、そんなわけで超絶に音が高いので(バリトンにとって高い、というだけで音としては普通ですが)、演奏がどうにも必死になりすぎてしまい、本物の明るいさわやかな感じは微塵も表現されなくて、なんだかイマイチだったなあ、と言う印象です。あと、いきなりおじさんが楽器吹いている絵になるのも今となってはどんなもんかと思います。もっと顔とか出さずにイメージっぽくした方が夢がありましたね。


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