2020年7月25日(土)昨日24日、海外市場の動き


東京市場がスポーツの日の休場で迎えた週末金曜日。米経済への不安、米中対立リスク、インテル株急落などの影響もあり欧米株は下落し、金価格は1,900ドルの大台へ。為替相場はドルが全面安で、CHFとEURの強さは変わらず久しぶりに円も前日に続き急伸。

米中は相互で領事館の閉鎖に動き、ポンペオ国務長官の一連の対中強硬発言が気になる中で、米当局はサンフランシスコの中国領事館でかくまわれていた中国人研究者を拘束。EUも中国が香港国家安全維持法を制定したことを受け、抑圧や監視に利用される恐れのある技術の香港への輸出を制限する方針とのこと。

前日の新規失業保険申請件数の増加を意識したコメントが多いが、24日もユーロ圏総合PMI・速報値が54.8と50の大台を上回り25か月振りの高水準。英国も同速報値が57.1と61か月ぶりの高水準となったのに対して、米国は同速報値が50.0と6か月ぶりの高水準にとどまり、欧州との伸びの差は歴然。ただ、米新規受託販売件数だけは前月比13.8%と13年ぶりの高水準で住宅は強い。

米国の追加救済パッケージはまだ決まらず、米経済はさらなる後退局面に入りに落ちるリスクを市場参加者は危惧。バンカメ調査では投資家は現金と投資適格級債券、金に資金を移す一方、株式からは引き揚げ、高リスク資産を避けている傾向があり、金利の大幅な抑制とドルの大幅安を指摘している。

ダウ−182.44(-0.68%)、Nasdaq−98.24(-0.94%)、S&P500−20.03(-0.62%)、米10年債利回りは0.591%+0.007、原油価格(WTI)は41.34ドルと小幅上昇、金価格は1,900.30と1,900ドル大台乗せ。

肝心の為替相場は、東京市場が休場時の円高リスクを意識しながら、結果も円高に向かっている事実を認識。ただし、リスク回避にJPYが急速に選好されたのではなく、ドル先安を危惧し現実に主要通貨でドル売りへと傾いている中で、ようやくJPYもついてきただけのようにも思えてならない。

EURUSDは、欧州復興基金の成立もあるが、1.5台、1.6台の壁を上抜け、24日には1.1580~20のレンジから米国市場の終盤では1.1650台へと2018年9月中旬以来の水準へ上昇。 EUR先高期待は変わらず。

リスク選好時に買われやすいCHFも続伸し、USDCHFはコロナで株暴落の3月9日に瞬間つけた日中の安値0.9182に近い0.9199まで下落。重要な終値ベースでは2015年6月中旬の水準までCHF高が進んでいる。

USDJPYは、東京市場が不在のアジア市場で106.50を割り込み売りの流れが続き106.17まで下落。米国市場では106円を割り込み一時105.68まで下落し、欧州勢が取引を終える中で利食いの円売りが強まったのかクロスでもJPY売りへと変化しようやく下げ止まる。


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GER 16:30 GER 7月 総合PMI・速報値=55.0(予想50.3 前回47.0)→ 23か月以来の高水準、製造業・速報値=50.0(予想48.3 前回45.2)、サービス業・速報値=56.7(予想50.4 前回47.3)

EUR 17:00 EUR 7月 総合PMI・速報値=54.8(予想51.1 前回48.5)→ 25か月以来の高水準、製造業・速報値=51.1(予想49.5 前回47.4)→ 23か月以来の高水準、サービス業・速報値=55.1(予想51.0 前回48.3)→ 25か月以来の高水準

GBP 17:30 GBP 7月 総合PMI・速報値=57.1(予想50.8 前回47.7)→ 61か月以来の高水値、製造業・速報値=53.6(予想51.0 前回50.1)→ 16か月以来の高水準、サービス業・速報値=56.6(予想51.0 前回47.1)→ 60か月以来の高水準、

USD 22:45 USD 7月 総合PMI・速報値=50.0(予想  前回47.9)、製造業・速報値=51.3(予想51.3 前回49.8)、サービス業・速報値=49.6(予想50.2 前回47.9)→ 前回を上回り6か月以来の高水準。

USD 23:00 USD 6月 新築住宅販売件数=前月比13.8%(予想3.6% 前回16.6→6.9%)、77.6万件(予想70万件 前回67.6→68.2万件)→ 2007年7月以来、13年ぶりの高水準

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