今週の為替相場を考える(7/27~31日)


今週も米中対立、新型コロナウイルスの感染再拡大、米国の追加景気刺激策、29日のFOMCと30日の米第2四半期GDPがどうなるか? これらが今週の相場で大きなカギを握っている。

先週一週間の相場変動を振り返ってみると、米景気は回復基調にあるも、米国内のコロナ感染拡大と米中対立によるドル売り相場で、EURUSDはEU復興基金の合意もあり上昇力は比較的強く1.1425→1.1654と2%の急伸。USDCHFもリスクヘッジ通貨として選択され0.9384→0.9199と約2%の急落で共にドル売りの流れをリード。

一方、英EU通商協議が難航するなかで、GBPUSD1.2563→1.2791(+1.81%)とEURGBPの利食い売りも入り予想外に強い。AUDUSD0.6994→0.7105(+1.59%)、NZDUSD0.6553→0.6638(+1.29%)、USDCAD1.3578→1.3411(−1.23%)と資源関連通貨も堅調に推移。一弱のUSDJPYも107.01→106.08と約0.9%の円高で、結果としてドル全面安となった。

米企業の決算の発表を前にして、ダウは26671.95→26469.89(-202.06−0.76%)、S&P500 (-9.1−0.28%)、Nasdaq(-140.01−1.33%)と弱く、米10年債利回りは0.634→0.591(-0.043%)と軟化し、金価格1810→1897.50(+87.50+4.83%)と一時1904.60まで上昇と6月5日の1683→1897.5まで約12.7%の上昇となっている。

※※※※※※※※※※※※※※※※※


歴史的なEU復興基金を果たしたEURと、リスクヘッジのCHF高の流れは変わらず。

EURUSD
5日間のロングランとなったEU首脳会議は念願の復興基金7500億ユーロで合意。何らかの合意を期待し事前に上昇傾向が続いていたが、EURUSDは1.1500の壁を上抜け2019年1月以来の高値まで上昇。時間をかけながら1.1800台(2018年9月の高値水準)を目指す動きに思われる。

IMMデータではユーロのロングが125,047コントラクトと2018年4月24日に次ぐ大きさに拡大しており、ポジション調整は気になるも、先週一週間の出来高を見ると、EURUSDが1に対して、EURAUDが1.7倍、EURJPYが1.2倍と多く、EURGBPとEURCHFは予想外に少なく0.7倍となっているが、EURロングが他の通貨で分散化されていると思われ、よっぽどのサプライズがなければ、EURUSDだけが大きな調整を迎える可能性は少ないと思われ、上昇傾向は変わらず。

USDJPY
東京市場が休場の中で、米中緊張の高まりにどこまで円高が進むのか気になってみていたが、結局は105.60台で何とか下げ止まっており、仮に下値の再トライがあったとしても105.00円±20ポイントの水準は相当固いと思われる。長期間続いた106~108円のレンジの下限を割り込むも終値ベースではなんとか106の大台を維持して終わった。過去のパターンではこの水準から売り込むと、分厚い実需や資本の壁に跳ね返され逆にスクイズアウトされ円安に向かうのが常だった記憶は忘れられず。

一方、米大統領選で劣勢となっているトランプ氏。先週末に「日本は自動車で何年にもわたって米国の利益を奪ってきている」と突然日本を非難するなど、大統領選をにらんだ奥の手で何が飛び出すのだろうか? 

今週のテーマは、米中対立の度合い、FOMCで実質的なCCYの有無によりいずれの方向にでも変化するリスクが控えている。先週一週間のデータではUSDJPY相場と相関関係の高いCHFJPY、GBPJPY、AUDJPY、CADJPYはUSDJPY1に対して各1~1.5倍の取引量があり、円買いへと動き先週の円買い相場を形成している大きな要因と思われる。また、USDJPYの2倍近い取引量のあるEURJPYも124円で上値が抑えられダブルトップの状態となっており、EURJPYが124円台で下げ止まり反発するのか、逆に124円台でダブルトップを形成するのか注視したい。個人的には、CHFJPYが上抜けしており、EURJPYの再上昇を期待しているが?

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※