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家にも外にも可愛いのがいる。

3月4日(月)
荷物の配送先に到着すると、芝生が綺麗なドッグランがあって、そこに3匹のマルチーズがおとなしく座っていた。

ぼくが車と玄関を往復するあいだ、いっさい吠えることなく楽しそうに後を追ってくる。
そのかわいい姿に表情がゆるみ、今日1番の笑顔で次の目的地へ車を走らせた。

家に帰り、じいちゃんの部屋にストックしているティッシュを取りにいくと、夕飯前だと言うのに、じいちゃんはお菓子の袋をがさごそとやっている。
「こら!」と言うと、びくっとして体が少し宙に浮いた。
子供のようなかわいいリアクションに、声が出るほどの笑いがこみ上げてくる。

目当てのティッシュは、じいちゃんが使いきったようですでに無くなっていた。
ぼくが1箱使い切るまでに4箱も使いきるなんて、いったい何をそんな熱心に拭いているのだろう。


3月5日(火)
体型だけでなく顔も姿勢もだらしなくなっている。
このままでは、独り身で寂しい小汚いおっさんの完成系ができあがってしまう。
危機感を覚えるほどの焦燥感があり、気持ちがどんよりと重い。
次から次に解決したい問題が出てきて、いっこうに落ち着かない生活に疲れを感じる。


3月6日(水)
いつものガソリンスタンドに行くと混んでいて、前に4台並んでいる。
次が自分の番という時に、あとから来た車が先にいこうとしたので、それを制してこっちが先に並んでいたことを伝えた。
すると相手のおっさんは「行けやー」と言う。

そのとき「下には下がいるんだな」と思った性格の悪い自分に、嫌悪感を感じた。
こんな時もイラッとしない爽やかな大人になりたい。

夜。
昼からどうしてもナス味噌が食べたかったので、作ることにした。
薄切りの豚ロースとタマネギを炒めているあいだに、ナスはレンジで4分ちんする。
最後に調味料を加えて全て合わせて炒める。
仕上げにコチュジャンを入れたら、今年1番の料理ができあがって米を2合食べた。

雑な料理で満足できるのはバカ舌の特権だ。


3月7日〜


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