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高校生ICT Conference2023 in愛知 に参加した

こんにちは。高校で情報の先生をしていますTakitoです。
ご高覧いただきありがとうございます。
今回、「高校生ICT Conference in 愛知」に参加しました。内容を書き記しておこうと思います。太字が高校生の提言、細字は自分の感想

高校生ICT Conferenceとは

高校生ICT Conferenceは、高校生が身近なスマホやインターネットについて、これまでの経験や知識、意見を出し合って、世の中の課題解決に有効な活用方法を考えるプロジェクトです。代表となった生徒は実際に文科省や総務省などの関連省庁で提言を行うそうです。

今回は愛知県内の高等学校の生徒が集まって意見を交換し、ICTに関する提言をしてくれました。

高校生からの提言

・AIにしかできない安心安全がある
いじめは先生や保護者など、人間には相談しにくい部分があるのでAIに相談できるようになると良い。
また、SNSは匿名性なくして透明性を高めたほうが良い。
ただし、AIには監視されている不安感がある。だから、一生のパートナーのようなAIを開発することが必要だ。

AIに対する不安を技術や制度でコントロールして解決するのではなく、「一生のパートナー」とさらに進化させて解決することのが素晴らしかった。たしかに、無機質なAIは不安感を抱くが、ドラえもんのようなAIなら安心感しかない。

・次世代通信を普及させる
数多くのICTを使っている現代では、通信障害が起こると、すべての活動が止まってしまう。だから、通信障害を防ぎたい。
そのため、もし通信障害が起きた場合でも、通信が維持できるように複数の通信回線を利用できるようにすると良い。
自動車の自動運転では通信障害が起こると大事故につながる。そうなってしまうと、せっかくの自動運転が発展していかない。
衛星通信を使ったインターネットアクセスも、もっと広まってほしい。
ただ、改善はできても解決できないことが多い。

次世代通信となると速度の向上や同時接続数の話になりそうだが、可用性に着目していることが素晴らしかった。
「改善はできても解決ができないことが多い」と自分たちでセキュリティの難しさに気付いたのは素直にスゴいと感じる。ぜひ、考えることを続けて欲しいと思った。

・情報授業を高校生が大人や子供へ伝える
世の中には、ICTリテラシーが低い大人がおり、そのような大人は子どもにリテラシーを教えられない。だから、高校生が主体となって情報の授業やICT機器の使い方、インターネットの危険性を伝える。学校の先生が伝えると、固い感じになってしまうので、デジタルネイティブ世代である自分たちの方がより広い世代に伝えることができる。

なんという強い使命感か。私も曲がりなりにも情報科教員なので、情報のことを伝えたいとは思うが、彼ら彼女らほどの強い気持ちと自信があるのだろうか。ただただ自分を思い返し振り返る提言だった。
これこそ、まさに最良のデジタルシチズンシップだと思った。

・学校だけのコミュニケーションツールがあると良い
学校だけのコミュニケーションツールを作る。コミュニケーションツールがあれば、校内のコミュニケーションが促進される。気軽に話すことができるので、言いづらいことを言える心理的ハードルも低い。また、コミュニティが広がることで、多種多様な意見を取り入れることもできる。

ネットワークを使ったコミュニケーションの「言いづらいことを言える」という部分を肯定的にとらえているのが印象的だった。今の高校生はすでに「言いづらいことを言えてしまう」危険性を理解した上で、「言いづらいことも言える」良さを考えているのだと感じる。
また、コミュニティの広がりによって、意見が広く取り入れることができるという他者理解の考え方も素晴らしいと思った。相手を理解し、相手に意見を伝えられるウェルビーイングな世界を作ってほしいと思う。

全体の感想

まず、高校生がお互いに今日初めて出会った人と協働して、1つの提言を作りあげたことに衝撃を受けた。今の高校生の協働能力の高さはハンパない。そして、高くてオリジナリティあふれる発想力。どの提言も独創的な内容で、高校生の無限の可能性を感じた。
また、インターネットやスマホに対する高校生の考え方と、自分の考え方で異なる部分が多いと感じた。そうか、これがデジタルネイティブ世代か。
全体を通して、様々考えさせられる有意義なイベントだった。


本当に良いもの見させてもらった、感動した。
こういう授業をやりたい。


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